第27章 クォーラムデバイスの設定

クラスター用のサードパーティー仲裁デバイスとして機能する別のクォーラムデバイスを設定することにより、標準のクォーラムルールで許容されるよりも多くのノード障害に耐えられるようにすることができます。クォーラムデバイスは、偶数のノードで設定されるクラスターに推奨されます。2 ノードクラスターでクォーラムデバイスを使用すると、スプリットブレインの状況で存続するノードをより適切に判別できます。

クォーラムデバイスを設定する場合は、以下を考慮する必要があります。

  • クォーラムデバイスは、クォーラムデバイスを使用するクラスターと同じ場所にある別の物理ネットワークで実行することが推奨されます。理想としては、クォーラムデバイスホストを、メインクラスターとは別のラックに置くか、少なくとも別の PSU に置くようにします。corosync リングと同じネットワークセグメントには置かないようにしてください。
  • 複数のクォーラムデバイスをクラスターで同時に使用することはできません。
  • 複数のクォーラムデバイスをクラスターで同時に使用することはできません。ただし、複数のクラスターが 1 つのクォーラムデバイスを同時に使用することはできます。アルゴリズムやクォーラムオプションはクラスターノード自体に保存されるため、同じクォーラムデバイスを使用する各クラスターが、複数のアルゴリズムやクォーラムオプションを使用できます。たとえば、ffsplit ((fifty/fifty split) アルゴリズムを使用するクラスターと、lms (last man standing) アルゴリズムを使用する別のクラスターが、1 つのクォーラムデバイスを使用できます。
  • クォーラムデバイスは、既存のクラスターノードで実行しないでください。

27.1. クォーラムデバイスパッケージのインストール

クラスターにクォーラムデバイスを設定するには、以下のパッケージをインストールする必要があります。

  • 既存クラスターのノードで、corosync-qdevice をインストールします。

    [root@node1:~]# dnf install corosync-qdevice
    [root@node2:~]# dnf install corosync-qdevice
  • クォーラムデバイスホストに、pcs および corosync-qnetd をインストールします。

    [root@qdevice:~]# dnf install pcs corosync-qnetd
  • pcsd サービスを起動し、システムの起動時に pcsd がクォーラムデバイスホストで有効になるようにします。

    [root@qdevice:~]# systemctl start pcsd.service
    [root@qdevice:~]# systemctl enable pcsd.service