1.8. キックスタート起動オプション

このセクションでは、インストールを自動化するのにキックスタートファイルに追加できるブートオプションを説明します。

inst.ks=
インストールの自動化に使用するキックスタートファイルの場所を定義します。その後、いずれかの inst.repo 形式を使用して、場所を指定できます。パスを指定せずにデバイスを指定すると、インストールプログラムは、指定したデバイスの /ks.cfg でキックスタートファイルを検索します。

デバイスを指定せずにこのオプションを使用する場合、インストールプログラムはオプションに次の値を使用します。

inst.ks=nfs:next-server:/filename

ここでは、next-server は DHCP の next-server オプション、または DHCP サーバーの IP アドレスで、filename は DHCP の filename オプションまたは /kickstart/ です。指定のファイル名が / 文字で終了すると 、ip-kickstart が追加されます。次の表に例を示します。

表1.5 デフォルトのキックスタートファイルの場所

DHCP サーバーのアドレスクライアントのアドレスキックスタートファイルの場所

192.168.122.1

192.168.122.100

192.168.122.1:/kickstart/192.168.122.100-kickstart

OEMDRV のラベルが付いたボリュームが存在すると、インストールプログラムは、キックスタートファイル ks.cfg を読み込もうとします。キックスタートファイルがこの場所にある場合は、inst.ks= 起動オプションを使用する必要がありません。

inst.ks.all
複数の inst.ks オプションによる複数のキックスタートファイルの場所を順次試行するように inst.ks.all オプションを指定します。最初に成功した場所が使用されます。これは、httphttps、または ftp タイプの場所のみ適用され、その他の場所は無視されます。
inst.ks.sendmac

inst.ks.sendmac オプションを使用して、すべてのネットワークインターフェイスの MAC アドレスを含む HTTP 送信リクエストにヘッダーを追加します。以下に例を示します。

X-RHN-Provisioning-MAC-0: eth0 01:23:45:67:89:ab

これは、inst.ks=http を使用してシステムをプロビジョニングする場合に便利です。

inst.ks.sendsn

inst.ks.sendsn オプションを使用して、HTTP 送信リクエストにヘッダーを追加します。このヘッダーには、/sys/class/dmi/id/product_serial から読み込まれたシステムのシリアル番号が含まれます。ヘッダーの構文は以下のとおりです。

X-System-Serial-Number: R8VA23D