22.2. ha_cluster システムロールのインベントリーの指定

ha_cluster システムロール Playbook を使用して HA クラスターを設定する場合は、インベントリー内のクラスターの名前とアドレスを設定します。

22.2.1. インベントリーでのノード名とアドレスの設定

インベントリー内の各ノードには、必要に応じて以下の項目を指定することができます。

  • node_name - クラスター内のノードの名前。
  • pcs_address - ノードと通信するために pcs が使用するアドレス。名前、FQDN、または IP アドレスを指定でき、ポート番号を含めることができます。
  • corosync_addresses: Corosync が使用するアドレスの一覧。特定のクラスターを形成するすべてのノードは、同じ数のアドレスが必要で、アドレスの順序が重要です。

以下の例は、ターゲット node1 および node2 を持つインベントリーを示しています。node1 および node2 は完全修飾ドメイン名のいずれかである必要があります。そうでないと、たとえば、名前が /etc/hosts ファイルで解決可能である場合などに、ノードに接続できる必要があります。

all:
  hosts:
    node1:
      ha_cluster:
        node_name: node-A
        pcs_address: node1-address
        corosync_addresses:
          - 192.168.1.11
          - 192.168.2.11
    node2:
      ha_cluster:
        node_name: node-B
        pcs_address: node2-address:2224
        corosync_addresses:
          - 192.168.1.12
          - 192.168.2.12

22.2.2. インベントリーでのウォッチドッグおよび SBD デバイスの設定 (RHEL 9.1 以降)

SBD を使用する場合、オプションで、インベントリー内のノードごとにウォッチドッグと SBD デバイスを設定できます。すべての SBD デバイスを共有し、すべてのノードからアクセスできるようにする必要がありますが、各ノードはデバイスに異なる名前を使用できます。ウォッチドッグデバイスもノードごとに異なる場合があります。システムロール Playbook で設定できる SBD 変数については、ha_cluster システムロール変数ha_cluster_sbd_enabled および ha_cluster_sbd_options のエントリーを参照してください。

インベントリー内の各ノードには、必要に応じて以下の項目を指定することができます。

  • sbd_watchdog - SBD が使用するウォッチドッグデバイス。設定されていない場合、デフォルトは /dev/watchdog です。
  • sbd_devices - SBD メッセージの交換と監視に使用するデバイス。設定されていない場合、デフォルトで空のリストになります。

次の例は、ターゲット node1 および node2 のウォッチドッグおよび SBD デバイスを設定するインベントリーを示しています。

all:
  hosts:
    node1:
      ha_cluster:
        sbd_watchdog: /dev/watchdog2
        sbd_devices:
          - /dev/vdx
          - /dev/vdy
    node2:
      ha_cluster:
        sbd_watchdog: /dev/watchdog1
        sbd_devices:
          - /dev/vdw
          - /dev/vdz