第8章 Ansible を使用した IdM での DNS レコードの管理

本章では、Ansible Playbook を使用して Identity Management (IdM) で DNS レコードを管理する方法を説明します。IdM 管理者は、IdM で DNS レコードの追加、変更、および削除が可能です。本章は以下のセクションで構成されます。

8.1. Ansible を使用して IdM に A および AAAA DNS レコードが存在させる手順

本セクションでは、Identity Management (IdM) 管理者が Ansible Playbook を使用して、特定の IdM ホストに A および AAAA レコードを追加する方法を説明します。以下の手順で使用する例では、IdM 管理者は idm.example.com DNS ゾーンに host1 の A レコードおよび AAAA レコードを追加します。

前提条件

手順

  1. /usr/share/doc/ansible-freeipa/playbooks/dnsrecord ディレクトリーに移動します。

    $ cd /usr/share/doc/ansible-freeipa/playbooks/dnsrecord
  2. インベントリーファイルを開き、設定する IdM サーバーが [ipaserver] セクションに記載されていることを確認します。たとえば、Ansible に対して server.idm.example.com を設定するよう指示するには、以下を入力します。

    [ipaserver]
    server.idm.example.com
  3. Ansible Playbook ファイル (ensure-A-and-AAAA-records-are-present.yml) のコピーを作成します。以下に例を示します。

    $ cp ensure-A-and-AAAA-records-are-present.yml ensure-A-and-AAAA-records-are-present-copy.yml
  4. ensure-A-and-AAAA-records-are-present-copy.yml ファイルを開いて編集します。
  5. ipadnsrecord タスクセクションで以下の変数を設定して、ファイルを調整します。

    • ipaadmin_password 変数は IdM 管理者パスワードに設定します。
    • zone_name 変数は idm.example.com に設定します。
    • record 変数で、name 変数は host1 に、a_ip_address 変数は 192.168.122.123 に設定します。
    • record 変数で、name 変数は host1 に、aaaa_ip_address 変数は ::1 に設定します。

      以下は、今回の例で使用するように変更した Ansible Playbook ファイルです。

    ---
    - name: Ensure A and AAAA records are present
      hosts: ipaserver
      become: true
      gather_facts: false
    
      tasks:
      # Ensure A and AAAA records are present
      - name: Ensure that 'host1' has A and AAAA records.
        ipadnsrecord:
          ipaadmin_password: Secret123
          zone_name: idm.example.com
          records:
          - name: host1
            a_ip_address: 192.168.122.123
          - name: host1
            aaaa_ip_address: ::1
  6. ファイルを保存します。
  7. Playbook を実行します。

    $ ansible-playbook -v -i inventory.file ensure-A-and-AAAA-records-are-present-copy.yml

関連情報

  • A および AAAA レコードの詳細は、「IdM の DNS レコード」を参照してください。
  • ansible-freeipa ipadnsrecord モジュールの Ansible Playbook の他のサンプルは、/usr/share/doc/ansible-freeipa/ ディレクトリーの README-dnsrecord.md Markdown ファイルで確認できます。このファイルには ipadnsrecord 変数の定義も含まれます。
  • /usr/share/doc/ansible-freeipa/playbooks/dnsrecord ディレクトリーで、ipadnsrecord モジュール向けの Ansible Playbook のサンプルを確認できます。

8.2. Ansible を使用して IdM に A および PTR DNS レコードを存在させる手順

本セクションでは、Identity Management (IdM) 管理者が Ansible Playbook を使用して、特定の IdM ホストの A レコードと対応する PTR レコードを追加する方法を説明します。以下の手順で使用する例では、IdM 管理者は、idm.example.com ゾーンで IP アドレスが 192.168.122.45host1 の A レコードと PTR レコードを追加します。

前提条件

手順

  1. /usr/share/doc/ansible-freeipa/playbooks/dnsrecord ディレクトリーに移動します。

    $ cd /usr/share/doc/ansible-freeipa/playbooks/dnsrecord
  2. インベントリーファイルを開き、設定する IdM サーバーが [ipaserver] セクションに記載されていることを確認します。たとえば、Ansible に対して server.idm.example.com を設定するよう指示するには、以下を入力します。

    [ipaserver]
    server.idm.example.com
  3. Ansible Playbook ファイル (ensure-dnsrecord-with-reverse-is-present.yml) のコピーを作成します。以下に例を示します。

    $ cp ensure-dnsrecord-with-reverse-is-present.yml ensure-dnsrecord-with-reverse-is-present-copy.yml
  4. ensure-dnsrecord-with-reverse-is-present-copy.yml ファイルを開いて編集します。
  5. ipadnsrecord タスクセクションで以下の変数を設定して、ファイルを調整します。

    • ipaadmin_password 変数は IdM 管理者パスワードに設定します。
    • name 変数は host1 に設定します。
    • zone_name 変数は idm.example.com に設定します。
    • ip_address 変数は、192.168.122.45 に設定します。
    • create_reverse 変数は yes に設定します。

      以下は、今回の例で使用するように変更した Ansible Playbook ファイルです。

    ---
    - name: Ensure DNS Record is present.
      hosts: ipaserver
      become: true
      gather_facts: false
    
      tasks:
      # Ensure that dns record is present
      - ipadnsrecord:
          ipaadmin_password: Secret123
          name: host1
          zone_name: idm.example.com
          ip_address: 192.168.122.45
          create_reverse: yes
          state: present
  6. ファイルを保存します。
  7. Playbook を実行します。

    $ ansible-playbook -v -i inventory.file ensure-dnsrecord-with-reverse-is-present-copy.yml

関連情報

  • A および PTR DNS レコードの詳細は、「IdM の DNS レコード」を参照してください。
  • ansible-freeipa ipadnsrecord モジュールの Ansible Playbook の他のサンプルは、/usr/share/doc/ansible-freeipa/ ディレクトリーの README-dnsrecord.md Markdown ファイルで確認できます。このファイルには ipadnsrecord 変数の定義も含まれます。
  • /usr/share/doc/ansible-freeipa/playbooks/dnsrecord ディレクトリーで、ipadnsrecord モジュール向けの Ansible Playbook のサンプルを確認できます。

8.3. Ansible を使用して IdM に複数の DNS レコードを存在させる手順

本セクションでは、Identity Management (IdM) 管理者が Ansible Playbook を使用して、特定の IdM DNS レコードに複数の値を関連付ける方法を説明します。以下の手順で使用する例では、IdM 管理者は idm.example.com DNS ゾーンに host1 の A レコードを複数追加します。

前提条件

手順

  1. /usr/share/doc/ansible-freeipa/playbooks/dnsrecord ディレクトリーに移動します。

    $ cd /usr/share/doc/ansible-freeipa/playbooks/dnsrecord
  2. インベントリーファイルを開き、設定する IdM サーバーが [ipaserver] セクションに記載されていることを確認します。たとえば、Ansible に対して server.idm.example.com を設定するよう指示するには、以下を入力します。

    [ipaserver]
    server.idm.example.com
  3. Ansible Playbook ファイル (ensure-presence-multiple-records.yml) のコピーを作成します。以下に例を示します。

    $ cp ensure-presence-multiple-records.yml ensure-presence-multiple-records-copy.yml
  4. ensure-presence-multiple-records-copy.yml ファイルを開いて編集します。
  5. ipadnsrecord タスクセクションで以下の変数を設定して、ファイルを調整します。

    • ipaadmin_password 変数は IdM 管理者パスワードに設定します。
    • records セクションで、name 変数を host1 に設定します。
    • record セクションで、zone_name 変数を idm.example.com に設定します。
    • record セクションで、a_rec 変数を 192.168.122.112 に、192.168.122.122 設定し ます
    • records セクションの 2 番目のレコードを定義します。

      • name 変数は host1 に設定します。
      • zone_name 変数は idm.example.com に設定します。
      • aaaa_rec 変数は ::1 に設定します。

      以下は、今回の例で使用するように変更した Ansible Playbook ファイルです。

    ---
    - name: Test multiple DNS Records are present.
      hosts: ipaserver
      become: true
      gather_facts: false
    
      tasks:
      # Ensure that multiple dns records are present
      - ipadnsrecord:
          ipaadmin_password: Secret123
          records:
            - name: host1
              zone_name: idm.example.com
              a_rec: 192.168.122.112
              a_rec: 192.168.122.122
            - name: host1
              zone_name: idm.example.com
              aaaa_rec: ::1
  6. ファイルを保存します。
  7. Playbook を実行します。

    $ ansible-playbook -v -i inventory.file ensure-presence-multiple-records-copy.yml

関連情報

  • DNS の A レコードの詳細は、「IdM の DNS レコード」を参照してください。
  • ansible-freeipa ipadnsrecord モジュールの Ansible Playbook の他のサンプルは、/usr/share/doc/ansible-freeipa/ ディレクトリーの README-dnsrecord.md Markdown ファイルで確認できます。このファイルには ipadnsrecord 変数の定義も含まれます。
  • /usr/share/doc/ansible-freeipa/playbooks/dnsrecord ディレクトリーで、ipadnsrecord モジュール向けの Ansible Playbook のサンプルを確認できます。

8.4. Ansible を使用して IdM に複数の CNAME レコードを存在させる手順

Canonical Name レコード (CNAME レコード) は、DNS (Domain Name System) のリソースレコードの一種で、別の名前 (CNAME) にドメイン名、エイリアスをマッピングします。

CNAME レコードは、FTP サービスと Web サービスがそれぞれ別のポートで実行されている場合など、1 つの IP アドレスから複数のサービスを実行する場合に、役立つ可能性があります。

本セクションでは、Identity Management (IdM) 管理者が Ansible Playbook を使用して、IdM DNS に複数の CNAME レコードを追加する方法を説明します。以下の手順で使用する例では、host03 は HTTP サーバーと FTP サーバーの両方として機能します。IdM 管理者は、idm.example.com ゾーンに host03 A レコードの www および ftp CNAME レコードを追加します。

前提条件

手順

  1. /usr/share/doc/ansible-freeipa/playbooks/dnsrecord ディレクトリーに移動します。

    $ cd /usr/share/doc/ansible-freeipa/playbooks/dnsrecord
  2. インベントリーファイルを開き、設定する IdM サーバーが [ipaserver] セクションに記載されていることを確認します。たとえば、Ansible に対して server.idm.example.com を設定するよう指示するには、以下を入力します。

    [ipaserver]
    server.idm.example.com
  3. Ansible Playbook ファイル (ensure-CNAME-record-is-present.yml) のコピーを作成します。以下に例を示します。

    $ cp ensure-CNAME-record-is-present.yml ensure-CNAME-record-is-present-copy.yml
  4. ensure-CNAME-record-is-present-copy.yml ファイルを開いて編集します。
  5. ipadnsrecord タスクセクションで以下の変数を設定して、ファイルを調整します。

    • (任意) Play の name で提示された説明を調整します。
    • ipaadmin_password 変数は IdM 管理者パスワードに設定します。
    • zone_name 変数は idm.example.com に設定します。
    • record 変数セクションで、以下の変数および値を設定します。

      • name 変数は www に設定します。
      • cname_hostname 変数は host03 に設定します。
      • name 変数は ftp に設定します。
      • cname_hostname 変数は host03 に設定します。

      以下は、今回の例で使用するように変更した Ansible Playbook ファイルです。

    ---
    - name: Ensure that 'www.idm.example.com' and 'ftp.idm.example.com' CNAME records point to 'host03.idm.example.com'.
      hosts: ipaserver
      become: true
      gather_facts: false
    
      tasks:
      - ipadnsrecord:
          ipaadmin_password: Secret123
          zone_name: idm.example.com
          records:
          - name: www
            cname_hostname: host03
          - name: ftp
            cname_hostname: host03
  6. ファイルを保存します。
  7. Playbook を実行します。

    $ ansible-playbook -v -i inventory.file ensure-CNAME-record-is-present.yml

関連情報

  • ansible-freeipa ipadnsrecord モジュールの Ansible Playbook の他のサンプルは、/usr/share/doc/ansible-freeipa/ ディレクトリーの README-dnsrecord.md Markdown ファイルで確認できます。このファイルには ipadnsrecord 変数の定義も含まれます。
  • /usr/share/doc/ansible-freeipa/playbooks/dnsrecord ディレクトリーで、ipadnsrecord モジュール向けの Ansible Playbook のサンプルを確認できます。

8.5. Ansible を使用して IdM に SRV レコードを存在させる手順

DNS サービス (SRV) レコードは、ドメインで利用可能なサービスのホスト名、ポート番号、トランスポートプロトコル、優先度、および加重を定義します。Identity Management (IdM) では、SRV レコードを使用して、IdM サーバーとレプリカを特定できます。

本セクションでは、Identity Management (IdM) 管理者が Ansible Playbook を使用して、IdM DNS に SRV レコードを追加する方法を説明します。以下の手順で使用する例では、IdM の管理者が 10 50 88 idm.example.com の値を指定して _kerberos._udp.idm.example.com SRV レコードを追加します。この例では、以下の値を指定します。

  • サービスの優先度を 10 に設定します。
  • サービスの加重を 50 に設定します。
  • サービスが使用するポートを 88 に設定します。

前提条件

手順

  1. /usr/share/doc/ansible-freeipa/playbooks/dnsrecord ディレクトリーに移動します。

    $ cd /usr/share/doc/ansible-freeipa/playbooks/dnsrecord
  2. インベントリーファイルを開き、設定する IdM サーバーが [ipaserver] セクションに記載されていることを確認します。たとえば、Ansible に対して server.idm.example.com を設定するよう指示するには、以下を入力します。

    [ipaserver]
    server.idm.example.com
  3. Ansible Playbook ファイル (ensure-SRV-record-is-present.yml) のコピーを作成します。以下に例を示します。

    $ cp ensure-SRV-record-is-present.yml ensure-SRV-record-is-present-copy.yml
  4. ensure-SRV-record-is-present-copy.yml ファイルを開いて編集します。
  5. ipadnsrecord タスクセクションで以下の変数を設定して、ファイルを調整します。

    • ipaadmin_password 変数は IdM 管理者パスワードに設定します。
    • name 変数は _kerberos._udp.idm.example.com に設定します。
    • srv_rec 変数は '10 50 88 idm.example.com' に設定します。
    • zone_name 変数は idm.example.com に設定します。

      今回の例で使用するように変更した Ansible Playbook ファイル:

    ---
    - name: Test multiple DNS Records are present.
      hosts: ipaserver
      become: true
      gather_facts: false
    
      tasks:
      # Ensure a SRV record is present
      - ipadnsrecord:
          ipaadmin_password: Secret123
          name: _kerberos._udp.idm.example.com
          srv_rec: ’10 50 88 idm.example.com’
          zone_name: idm.example.com
          state: present
  6. ファイルを保存します。
  7. Playbook を実行します。

    $ ansible-playbook -v -i inventory.file ensure-SRV-record-is-present.yml

関連情報

  • SRV レコードの詳細は、「IdM の DNS レコード」を参照してください。
  • ansible-freeipa ipadnsrecord モジュールの Ansible Playbook の他のサンプルは、/usr/share/doc/ansible-freeipa/ ディレクトリーの README-dnsrecord.md Markdown ファイルで確認できます。このファイルには ipadnsrecord 変数の定義も含まれます。
  • /usr/share/doc/ansible-freeipa/playbooks/dnsrecord ディレクトリーで、ipadnsrecord モジュール向けの Ansible Playbook のサンプルを確認できます。