2.7. 現在の Wayland 制限

Nvidia ドライバー

WaylandGNOME Shell では、プロプライエタリーの Nvidia バイナリードライバーには対応していません。Nvidia GPU の使用時の複雑さを回避するために、GNOME Shell は自動的に X.Org にフォールバックします。これは、ログイン画面では Wayland プロトコルに基づいたオプションを利用できないことを意味します。

注記

nouveau ドライバーのサポートは継続し、このドライバーが Nvidia グラフィックスのデフォルトとなります。

リモートデスクトップ

GNOME Shell on Wayland では、gnome-remote-desktop パッケージで VNC サポートを利用できます。gnome-remote-desktop から VNC を使用してリモートアクセスするには、セッションにログインしている必要があります。また、プライマリーモニターのみがアクセスできるようになります。GNOME Shell on Wayland での画面の共有は、PipeWire メディアサーバーを使用して行うことができます。PipeWire メディアサーバーの詳細は、PipeWire プロジェクト を参照してください。

より高度な VNC を使用するには、従来的な VNC ツールを利用できる X.org に切り替える必要があります。詳細については、GNOME 環境の概要 を参照してください。

X ディスプレイマネージャー

XDMCP (X Display Manager Control Protocol) は、WaylandGNOME Shell でサポートされていません。

よって、X ディスプレイマネージャーを使用して、同じコンピューターまたは別のコンピューターから X.Org ディスプレイサーバーでセッションを開始することはできません。

その他の制限

以下に示す Wayland プロトコルに関連する追加制限に注意してください。

  • X.Org 画面操作ユーティリティーは利用できません。
  • Wayland ではレイアウト、回転、解像度の処理が異なるため、xrandr ユーティリティーはサポートされません。
  • Alt+F2 r ショートカットを使用して GNOME Shell を再起動することはできません。
  • 安定性の問題により、仮想環境では、Wayland の代わりに X.org を使用することが推奨されます。Wayland プロトコルに基づいたグラフィックは、qxl ドライバーを使用する仮想マシンでは利用できません。
  • Wayland は、libinput ドライバーが処理できないカスタムまたはニッチな入力デバイスには対応していません。

関連情報

  • Wayland ベースのグラフィックが利用できない環境の現在のリストは、/usr/lib/udev/rules.d/61-gdm.rules ファイルで確認できます。