2.5. RHEL 8 でのグラフィックスバックエンド
RHEL 8 では、グラフィカルユーザーインターフェイスを構築するプロトコルを 2 つ使用できます。
- X11
- X11 プロトコルは、X.Org をディスプレイサーバーとして使用します。このプロトコルに基づいたグラフィックスの表示は、オプションでしかなかった RHEL 7 と同じように機能します。
- Wayland
- RHEL 8 の Wayland プロトコルは、GNOME Shell コンポジターおよびディスプレイサーバーとして使用します。これはさらに Wayland の GNOME Shell として参照されます。Wayland プロコトルに基づいたグラフィックの表示には、X11 と比較して一部相違点と制限があります。
RHEL 8 の新規インストールでは Wayland の GNOME Shell が自動的に選択されます。ただし、「GNOME 環境およびディスプレイプロトコルの選択」 で説明されているように、X.Org に切り替えることや、GNOME 環境とディスプレイサーバーの必要な組み合わせを選択することもできます。
X.Org が GNOME Shell on Wayland よりも優先される環境は、以下のようなごく一部の状況であることに注意してください。
- VM 環境で使用される Cirrus グラフィックス
- Matrox グラフィックス
- Aspeed グラフィックス
- 仮想マシン環境で使用される QXL グラフィックス
- 専用ドライバーで使用された場合の Nvidia グラフィックス
重要
Nvidia グラフィックスはデフォルトで、オープンソースドライバーの nouveau
を使用します。nouveau
は Wayland で対応しているため、Wayland の GNOME Shell の nouveau
で制限なく Nvidia グラフィックスを使用できます。ただし、GNOME Shell on Wayland では、プロプライエタリー Nvidia バイナリードライバーを持つ Nvidia グラフィックスの使用に対応していません。この場合は、「GNOME 環境およびディスプレイプロトコルの選択」 で説明されているように、X.Org に切り替える必要があります。
関連情報
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Wayland が利用できない環境の現在のリストは、
/usr/lib/udev/rules.d/61-gdm.rules
ファイルで確認できます。 - Wayland プロジェクトの詳細は、Wayland ドキュメント を参照してください。