第5章 RHEL 7 から RHEL 8 へのアップグレードの実行
Leapp
ユーティリティーを使用して RHEL 8 にアップグレードします。
前提条件
- フルシステムバックアップを含め、Preparing for the upgrade の手順が完了しました。
- アップグレード前のレポートの確認 に記載されている手順が完了し、報告されたすべての問題が解決されました。
手順
RHEL 7 システムで、アップグレードプロセスを開始します。
# leapp upgrade --target <target_os_version>
<target_os_version> は、ターゲットのオペレーティングシステム (OS) バージョン (例: 8.6) に置き換えます。ターゲット OS バージョンが定義されていない場合、
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は表 1.1 で指定されたデフォルトのターゲット OS バージョンを使用します (サポートされるアップグレードパス)。注記アップグレードに
/etc/yum.repos.d/
ディレクトリーの カスタムリポジトリー を使用する場合は、以下のように選択したリポジトリーを有効にします。# leapp upgrade --enablerepo <repository_id1> --enablerepo <repository_id2> …
RHSM なしでアップグレード する場合、または RHUI を使用する場合は、
--no-rhsm
オプションを追加します。ISO イメージを使用してアップグレードする場合は、
--no-rhsm
および--iso <file_path>
オプションを追加します。<file_path> は、保存された ISO イメージへのファイルパス (/home/rhel8.iso
など) に置き換えます。Extended Upgrade Support (EUS)、Advanced Update Support (AUS)、または Update Services for SAP Solutions (E4S) のサブスクリプションがある場合は、
--channel <channel>
オプションを追加します。<channel> はleapp preupgrade
コマンドで使用した値 (eus
、aus
、e4s
など) に置き換えます。leapp preupgrade
およびleapp upgrade
コマンドの両方で、--channel
オプションで同じ値を使用する必要があります。アップグレードプロセスの開始時に、
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は、アップグレード前のレポートの確認 で説明されているアップグレード前のフェーズを実行します。システムをアップグレードできる場合は、
Leapp
が必要なデータをダウンロードし、アップグレード用の RPM トランザクションを作成します。システムで、信頼できるアップグレードの設定要因が満たされていない場合は、
Leapp
がアップグレードプロセスを中止し、問題を説明する記録と、推奨される解決策を/var/log/leapp/leapp-report.txt
ファイルに出力します。詳細は、トラブルシューティング を参照してください。システムを手動で再起動します。
# reboot
このフェーズでは、システムが RHEL 8 ベースの初期 RAM ディスクイメージ initramfs で起動します。
Leapp
は、すべてのパッケージをアップグレードして、自動的に RHEL 8 システムを再起動します。または、
--reboot
オプションを指定してleapp upgrade
コマンドを入力し、この手動の手順を省略することもできます。失敗した場合は、トラブルシューティング の説明に従ってログを調べてください。
- RHEL 8 システムにログインし、RHEL 8 システムのアップグレード後の状態の確認 で説明されているように状態を確認します。
- アップグレードレポートおよびアップグレード後のタスク の実行で説明されているすべてのアップグレード後のタスクを 実行します。特に、セキュリティーポリシーを再評価して再適用します。
- FIPS モード で実行されているシステムをアップグレードする場合は、RHEL 7 カーネルをすべて削除します。次に、暗号化キーの再生成などを行い、すべての暗号化キーの FIPS 準拠を確認します。詳細は、RHEL 8 の暗号化キーの場所 を参照してください。