9.6. tmpfs での SSSD キャッシュのマウント
SSSD (System Security Services Daemon) は、常に LDAP オブジェクトをキャッシュに書き込みます。これらの内部 SSSD トランザクションは、データをディスクに書き込みますが、これは Random-Access Memory (RAM) からの読み取りと書き込みよりもはるかに遅くなります。
このパフォーマンスを改善するには、RAM に SSSD キャッシュをマウントします。
留意事項
- SSSD キャッシュが RAM にある場合には、再起動後にキャッシュされた情報は保持されません。
- IdM サーバーの SSSD インスタンスは、同じホストの Directory Server への接続が切断されないので、IdM サーバーではこの変更を安全に実行できます。
- IdM クライアントでこの調整を実行し、IdM サーバーへの接続が切断されると、再起動後のユーザー認証は、接続を再確立するまでできません。
前提条件
-
/etc/fstab
設定ファイルを編集するには、root
権限が必要になります。
手順
tmpfs
一時ファイルシステムを作成します。RHEL 8.6 以降では、SSSD ユーザーが
config.ldb
ファイルを所有していることを確認します。# ls -al /var/lib/sss/db/config.ldb -rw-------. 1 sssd sssd 1286144 Jun 8 16:41 /var/lib/sss/db/config.ldb
次のエントリーを
/etc/fstab
ファイルに 1 行で追加します。tmpfs /var/lib/sss/db/ tmpfs size=300M,mode=0700,uid=sssd,gid=sssd,rootcontext=system_u:object_r:sssd_var_lib_t:s0 0 0
8.6 より前の RHEL 8 バージョンでは、
config.ldb
ファイルはroot
ユーザーが所有します。# ls -al /var/lib/sss/db/config.ldb -rw-------. 1 root root 1286144 Jun 8 14:15 /var/lib/sss/db/config.ldb
次のエントリーを
/etc/fstab
ファイルに 1 行で追加します。tmpfs /var/lib/sss/db/ tmpfs size=300M,mode=0700,rootcontext=system_u:object_r:sssd_var_lib_t:s0 0 0
この例では、300MB キャッシュを作成します。IdM および AD ディレクトリーサイズにあわせて
size
を調整します (LDAP エントリー 1 万につき 100 MB 想定)。
新しい SSSD キャッシュディレクトリーをマウントします。
[root@host ~]# mount /var/lib/sss/db/
SSSD を再起動して、この設定の変更を反映します。
[root@host ~]# systemctl restart sssd