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68.7.6. RAID LV での DM 整合性の使用

RAID は、デバイスに障害が発生した場合にデータの損失を防ぎますが、デバイスマッパー (DM)と RAID LV の整合性により、RAID デバイスのデータが破損する時にデータが損失するリスクが低減します。このセクションでは、DM の整合性を使用してソフト破損からデータを保護する方法を説明します。

68.7.6.1. DM 整合性によるデータの保護

RAID LV は、設定のタイプに応じて、デバイスに障害が発生した場合にデータの損失を防ぎます。RAID アレイを使用しているデバイスに障害が発生した場合、その RAID LV に含まれる他のデバイスからデータを復旧できます。ただし、RAID 設定により、データの一貫性は確保されません。ソフト破損、無兆候破損、ソフトエラー、およびサイレントエラーでは、システム設計やソフトウェアが想定どおりに機能し続けている場合でも、破損するデータを示す用語です。

データストレージにおけるソフト破損は、ストレージデバイスから取得したデータが、そのデバイスに書き込まれるデータとは異なることを意味します。破損したデータは、ストレージデバイスで無期限に存在する可能性があります。破損したデータは、このデータを取得および使用するまで、検出されない可能性があります。

整合性は、RAID レベル 1、4、5、6、10 で使用され、ソフト破損によるデータ損失の軽減または防止に役立ちます。RAID レイヤーでは、データの結合のないコピーが、ソフト破損エラーを修正できるようになります。整合性層は、各 RAID イメージの上にありますが、追加のサブ LV が、各 RAID イメージの整合性メタデータ (データチェックサム) を保存します。整合性のある RAID LV からデータを取得すると、整合性データのチェックサムが破損のデータを分析します。破損が検出されると、整合性レイヤーはエラーメッセージを返し、RAID 層は、別の RAID イメージからデータの破損していないコピーを取得します。RAID レイヤーは、ソフト破損を修復するために、破損したデータを、破損していないデータで書き換えます。

RAID LV を作成する際に、DM 整合性を RAID LV に追加するか、すでに存在する RAID LV に DM 整合性を追加できます。整合性のある RAID LV を作成したり、既存の RAID LV に整合性を追加する場合は、整合性メタデータに追加のストレージ領域が必要になります。各 RAID イメージでは、500MB ごとに、整合性メタデータの保存に 4 MB の追加のストレージ領域が必要になります。

68.7.6.1.1. DM 整合性を追加する際の考慮事項

DM の整合性で新しい RAID LV を作成したり、既存の RAID LV に整合性を追加する場合は、以下のような事項が該当します。

  • データにチェックサムが追加されるため、DM 整合性には追加のストレージ領域が必要です。
  • 一部の RAID 設定には、より多くの影響がありますが、データにアクセスする際のレイテンシーにより、DM 整合性を追加するとパフォーマンスに影響が及びます。RAID1 設定は通常、RAID5 またはそのバリアントよりも優れたパフォーマンスを提供します。
  • RAID 整合性ブロックサイズは、パフォーマンスにも影響を及ぼします。RAID 整合性ブロックサイズが大きいと、パフォーマンスが向上します。ただし、RAID 整合性ブロックのサイズが小さくなると、後方互換性がより高くなります。
  • 整合性モードには、垂直またはジャーナルの 2 つがあります。通常、最短整合性モードは、ジャーナルモードよりも優れたパフォーマンスを提供します。
ヒント

パフォーマンスの問題が発生した場合は、整合性で RAID1 を使用するか、特定の RAID 設定のパフォーマンスをテストして、要件を満たすことを確認してください。