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46.3. Pacemaker の概要

Pacemaker は、クラスターリソースマネージャーです。クラスターインフラストラクチャーのメッセージング機能およびメンバーシップ機能を使用して、ノードおよびリソースレベルの障害を防ぎ、障害から復旧することで、クラスターサービスおよびリソースの可用性を最大化します。

46.3.1. Pacemaker アーキテクチャーコンポーネント

Pacemaker で設定されたクラスターは、クラスターメンバーシップを監視する個別のコンポーネントデーモン、サービスを管理するスクリプト、および異なるリソースを監視するリソース管理サブシステムで設定されます。

Pacemaker アーキテクチャーを形成するコンポーネントは、以下のとおりです。

Cluster Information Base (CIB)
XML を内部的に使用して、DC (Designated Coordinator) (CIB を介してクラスターのステータスと動作を格納および分散するために、Pacemaker により割り当てられたノード) から、他のすべてのクラスターノードに対して現在の設定とステータスの情報を分散し、同期する Pacemaker 情報デーモン。
Cluster Resource Management Daemon (CRMd)

Pacemaker クラスターリソースの動作は、このデーモンを介してルーティングされます。CRMd により管理されるリソースは、必要に応じてクライアントシステムが問い合わせることができます。また、リソースを移動したり、インスタンス化したり、変更したりできます。

各クラスターノードには、CRMd とリソースの間のインターフェイスとして動作する LRMd (Local Resource Manager daemon) も含まれます。LRMd は、起動、停止、ステータス情報のリレーなどのコマンドを、CRMd からエージェントに渡します。

Shoot the Other Node in the Head (STONITH)
STONITH は Pacemaker フェンシングの実装です。STONITH は、フェンス要求を処理する Pacemaker のクラスターリソースとして動作し、強制的にノードをシャットダウンし、クラスターからノードを削除してデータの整合性を確保します。STONITH は、CIB で設定し、通常のクラスターリソースとして監視できます。
corosync

corosync は、コアメンバーシップと、高可用性クラスターのメンバー間の通信ニーズに対応するコンポーネントで、デーモンも同じ名前になります。これは、High Availability Add-On が機能するのに必要です。

corosync は、このようなメンバーシップとメッセージング機能のほかに、以下も提供します。

  • クォーラムのルールおよび決定を管理します。
  • クラスターの複数のメンバーに渡って調整または動作するアプリケーションへのメッセージング機能を提供します。そのため、インスタンス間で、ステートフルな情報またはその他の情報を通信できる必要があります。
  • kronosnet ライブラリーをネットワークトランスポートとして使用し、複数の冗長なリンクおよび自動フェイルオーバーを提供します。

46.3.2. Pacemaker の設定および管理ツール

High Availability Add-On には、クラスターのデプロイメント、監視、および管理に使用する 2 つの設定ツールが含まれます。

pcs

pcs コマンドラインインターフェイスは、Pacemaker および corosync ハートビートデーモンを制御し、設定します。コマンドラインベースのプログラムである pcs は、以下のクラスター管理タスクを実行できます。

  • Pacemaker/Corosync クラスターの作成および設定
  • 実行中のクラスターの設定変更
  • Pacemaker と Corosync の両方のリモートでの設定、ならびにクラスターの起動、停止、およびステータス情報の表示
pcsd Web UI
Pacemaker/Corosync クラスターを作成および設定するグラフィカルユーザーインターフェイスです。

46.3.3. クラスターおよび Pacemaker の設定ファイル

Red Hat High Availability Add-On の設定ファイルは、corosync.conf および cib.xml です。

corosync.conf ファイルは、Pacemaker を構築するクラスターマネージャー (corosync) が使用するクラスターパラメーターを提供します。通常は、直接 corosync.conf を編集するのではなく、pcs インターフェイスまたは pcsd インターフェイスを使用します。

cib.xml ファイルは、クラスターの設定、およびクラスターの全リソースにおいて現在の状態を表す XML ファイルです。このファイルは、Pacemaker のクラスター情報ベース (CIB) により使用されます。CIB の内容は、自動的にクラスター全体に同期されます。cib.xml ファイルは直接編集せず、代わりに pcs インターフェイスまたは pcsd インターフェイスを使用してください。