第1章 RHEL におけるセキュリティーの強化の概要

ビジネスの運営や個人情報の把握ではネットワーク化された強力なコンピューターへの依存度が高まっていることから、各種業界ではネットワークとコンピューターのセキュリティーの実践に関心が向けられています。企業は、システム監査を適正に行い、ソリューションが組織の運営要件を満たすようにするために、セキュリティーの専門家の知識と技能を求めてきました。多くの組織はますます動的になってきていることから、従業員は、会社の重要な IT リソースに、ローカルまたはリモートからアクセスするようになっています。このため、セキュアなコンピューティング環境に対するニーズはより顕著になっています。

にも関わらず、多くの組織 (個々のユーザーも含む) は、機能性、生産性、便利さ、使いやすさ、および予算面の懸念事項にばかり目を向け、セキュリティーをその結果論と見なし、セキュリティーのプロセスが見過ごされています。したがって、適切なセキュリティーの確保は、無許可の侵入が発生してはじめて徹底されることも少なくありません。多くの侵入の試みを阻止する効果的な方法は、インターネットなどの信頼できないネットワークにサイトを接続する前に、適切な措置を講じることです。

1.1. コンピューターセキュリティーとは

コンピューターセキュリティーは、コンピューティングと情報処理の幅広い分野で使用される一般的な用語です。コンピューターシステムとネットワークを使用して日々の業務を行い、重要な情報へアクセスしている業界では、企業データを総体的資産の重要な部分であると見なしています。総保有コスト (Total Cost of Ownership: TCO)、投資利益率 (Return on Investment: ROI)、サービスの品質 (Quality of Service: QoS) などの用語や評価指標は日常的なビジネス用語として用いられるようになっています。各種の業界が、計画およびプロセス管理コストの一環として、これらの評価指標を用いてデータ保全性や可用性などを算出しています。電子商取引などの業界では、データの可用性と信頼性は、成功と失敗の違いを意味します。


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