第2章 インストールの準備
Red Hat Enterprise Linux をインストールする前に、以下のセクションを参照してインストールのセットアップを準備します。
2.1. 推奨される手順
RHEL インストールの準備は、以下の手順で構成されます。
手順
- インストール方法を確認し、決定します。
- システム要件を確認します。
- インストール起動用メディアのオプションを確認します。
- 必要なインストール ISO イメージをダウンロードします。
- 起動可能なインストールメディアを作成します。
- インストールソース* を準備します。
*コンテンツ配信ネットワーク (CDN) を使用して必要なソフトウェアパッケージをダウンロードしていない場合は、Boot ISO (最小インストール) イメージにのみ必要です。
2.2. 利用可能なインストール方法
Red Hat Enterprise Linux は、以下のいずれかの方法でインストールできます。
- GUI ベースのインストール
- システムまたはクラウドイメージベースのインストール
- 高度なインストール
本ガイドでは、ユーザーインターフェース (GUI) を使用した RHEL のインストール方法を説明します。
GUI ベースのインストール
以下の GUI ベースのインストール方法が利用できます。
- カスタマーポータルから ISO イメージを使用して RHEL のインストール - カスタマーポータルから Binary DVD ISO イメージファイルをダウンロードして Red Hat Enterprise Linux をインストールします。登録は、GUI インストールの完了後に行われます。このインストール方法は、キックスタートでも対応しています。
コンテンツ配信ネットワークから RHEL の登録およびインストール - すべてのシステムを登録し、サブスクリプションを割り当て、コンテンツ配信ネットワーク (CDN) から Red Hat Enterprise Linux をインストールします。このインストール方法は、Boot ISO イメージファイルおよび Binary DVD ISO イメージファイルで対応していますが、Boot ISO イメージファイルは Boot ISO イメージファイル用の CDN にデフォルト設定されているため、Boot ISO イメージファイルを使用することが推奨されます。登録は、インストールパッケージが CDN からダウンロードされ、インストール前に行われます。このインストール方法は、キックスタートでも対応しています。
重要GUI で、特定の要件に合わせて RHEL インストールをカスタマイズできます。特定の環境要件 (Red Hat への接続、ソフトウェア選択、パーティション設定、セキュリティーなど) の追加オプションを選択できます。詳細は4章インストールのカスタマイズを参照してください。
システムまたはクラウドイメージベースのインストール
システムまたはクラウドイメージベースのインストール方法は、仮想環境およびクラウド環境でのみ使用できます。
システムまたはクラウドイメージベースのインストールを実行するには、Red Hat Image Builder を使用します。Image Builder は、クラウドデプロイメントのシステムイメージを含む、Red Hat Enterprise Linux のカスタマイズされたシステムイメージを作成します。
Image Builder を使用して RHEL をインストールする方法は『RHEL システムイメージのカスタマイズ』を参照してください。
高度なインストール
以下の高度なインストール方法を使用できます。
- キックスタートを使用して、自動化された RHEL インストールを実行 - キックスタートを使用して Red Hat Enterprise Linux をインストールします。キックスタートは、オペレーティングシステムの無人インストール作業を実行できる自動インストールです。
- VNC を使用してリモートの RHEL インストールを実行 - RHEL インストールプログラムには、Direct と Connect の 2 つの VNC インストールモードがあります。接続が確立されれば、この 2 つのモードに違いはありません。選択するモードは、環境によって異なります。
- PXE を使用してネットワークから RHEL をインストール - ネットワークインストールでは、インストールサーバーへのアクセスがあるシステムに、Red Hat Enterprise Linux をインストールできます。ネットワークインストールには、少なくとも 2 つのシステムが必要です。
高度なインストール方法の詳細は、『高度な RHEL インストールの実行』を参照してください。
2.3. システム要件
Red Hat Enterprise Linux の初回インストール時には、インストールの前にシステム、ハードウェア、セキュリティー、メモリー、および RAID に関するガイドラインを確認することが推奨されます。詳細は、システム要件の参照を参照してください。
2.4. インストール起動用メディアオプション
Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムを起動する方法はいくつかあります。
- フルインストール用 DVD または USB フラッシュドライブ
- Binary DVD ISO イメージを使用して、フルインストールの DVD または USB フラッシュドライブを作成します。ソフトウェアパッケージをインストールする場合は、DVD または USB フラッシュドライブを、ブートデバイスおよびインストールソースとして使用できます。Binary DVD ISO イメージのサイズを考慮すると、推奨されるメディアタイプは DVD または USB フラッシュドライブです。
- 最小インストール用の DVD、CD、または USB フラッシュドライブ
- 最小インストール用 CD、DVD、または USB フラッシュドライブは、Boot ISO イメージを使用して作成されます。これには、システムを起動し、インストールプログラムを開始するのに最低限必要なファイルのみが含まれます。
コンテンツ配信ネットワーク (CDN) を使用して必要なソフトウェアパッケージをダウンロードする場合は、Boot ISO イメージに、必要なソフトウェアパッケージを含むインストールソースが必要です。
- PXE サーバー
- PXE (preboot execution environment) サーバーを使用すると、ネットワーク経由でインストールプログラムを起動できます。システムが起動したら、ローカルのハードドライブやネットワーク経由など、別のインストールソースからインストールを完了します。
- Image Builder
- Image Builder を使用すると、システムおよびクラウドイメージをカスタマイズして、仮想環境およびクラウド環境に Red Hat Enterprise Linux をインストールできます。
関連情報
- インストール用の DVD または USB フラッシュドライブを作成する方法は、「起動可能なインストールメディアの作成」を参照してください。
- ブート可能な CD、DVD、または USB フラッシュドライブを作成する方法は、「インストールソースの準備」を参照してください。
- PXE サーバーの詳細は『高度な RHEL インストールの実行』を参照してください。
- Image Builder の詳細は『RHEL システムイメージのカスタマイズの作成』を参照してください。
2.5. インストール ISO イメージの種類
Red Hat カスタマーポータルでは、2 種類の Red Hat Enterprise Linux 8 インストール ISO イメージが利用できます。
- Binary DVD ISO イメージファイル
BaseOS リポジトリーおよび AppStream リポジトリーが含まれ、リポジトリーを追加せずにインストールを完了できる、フルインストールプログラムです。
重要Binary DVD は、IBM Z でもご利用になれます。SCSI DVD ドライブを使用してインストールプログラムを起動したり、インストールソースとしても使用できます。
- Boot ISO イメージファイル
Boot ISO イメージは、以下のような方法で RHEL をインストールするのに使用できる最小限のインストールです。
- コンテンツ配信ネットワーク (CDN) から RHEL を登録してインストールする場合。
- ソフトウェアパッケージをインストールするのに、BaseOS リポジトリーおよび AppStream リポジトリーにアクセスする必要がある最小限のイメージとして。リポジトリーは、Red Hat カスタマーポータル からダウンロードできる Binary DVD ISO イメージに含まれます。Binary DVD ISO イメージをダウンロードして展開し、リポジトリーにアクセスします。
次の表に、サポートされているアーキテクチャーで利用可能なイメージに関する情報を示します。
表2.1 起動用およびインストール用のイメージ
アーキテクチャー | インストール DVD | ブート DVD |
---|---|---|
AMD64 および Intel 64 | x86_64 Binary DVD ISO イメージファイル | x86_64 Boot ISO イメージファイル |
ARM 64 | AArch64 Binary DVD ISO イメージファイル | AArch64 Boot ISO イメージファイル |
IBM POWER | ppc64le Binary DVD ISO イメージファイル | ppc64le Boot ISO イメージファイル |
IBM Z | s390x Binary DVD ISO イメージファイル | s390x Boot ISO イメージファイル |
関連情報
- Binary DVD ISO イメージリポジトリーへのアクセス方法は、「インストールソースの準備」を参照してください。
- Appstream リポジトリーおよび BaseOS リポジトリーの詳細は、『ユーザー空間コンポーネントのインストール、管理、および削除』を参照してください。
2.6. ISO のインストールイメージのダウンロード
このセクションでは、Red Hat カスタマーポータルから、または curl
コマンドを使用して、Red Hat Enterprise Linux インストールイメージをダウンロードする方法を説明します。
2.6.1. カスタマーポータルから ISO イメージのダウンロード
以下の手順に従って、Red Hat カスタマーポータルから Red Hat Enterprise Linux 8 ISO イメージをダウンロードします。
- Boot ISO イメージは、システムの登録、サブスクリプションの割り当て、およびコンテンツ配布ネットワーク (CDN) からの RHEL のインストールに対応する最小限のイメージファイルです。
- Binary DVD ISO イメージファイルには、リポジトリーとソフトウェアパッケージがすべて含まれ、追加設定は必要ありません。詳細は「インストールソースの準備」を参照してください。
前提条件
- アクティブな Red Hat Enterprise Linux サブスクリプションがある。
- Red Hat カスタマーポータルの 製品ダウンロード セクション (https://access.redhat.com/downloads) にログインしている。
手順
- 製品のダウンロード ページから、カテゴリー別 タブを選択します。
Red Hat Enterprise Linux 8 のリンクをクリックします。
Red Hat Enterprise Linux のダウンロード ページが開きます。
製品バリアント ドロップダウンメニューから、必要なバリアントを選択します。
- 必要に応じて パッケージ タブを選択して、選択したバリアントに含まれるパッケージを表示します。Red Hat Enterprise Linux 8 で利用可能なパッケージの詳細は、『パッケージマニフェスト』を参照してください。
- バージョン ドロップダウンメニューのデフォルトは、選択したバリアントの最新バージョンです。
アーキテクチャー ドロップダウンメニューに、サポートされているアーキテクチャーが表示されます。
製品ソフトウェア タブには以下のようなイメージファイルがあります。
- Red Hat Enterprise Linux Binary DVD イメージ
- Red Hat Enterprise Linux Boot ISO イメージ
他のイメージ (たとえば、事前設定されている仮想マシンイメージ) も利用できますが、このドキュメントの対象からは外れるため、説明を省きます。
- 必要な ISO イメージの横にある をクリックします。
2.6.2. curl で ISO イメージのダウンロード
特定の URL から直接インストールイメージをダウンロードするには、curl
コマンドを使用します。
前提条件
curl パッケージがインストールされていることを確認している。
ディストリビューションで yum パッケージマネージャーを使用している場合は、以下のコマンドを実行します。
# yum install curl
ディストリビューションで dnf パッケージマネージャーを使用している場合は、以下のコマンドを実行します。
# dnf install curl
ディストリビューションで apt パッケージマネージャーを使用している場合は、以下のコマンドを実行します。
# apt update # apt install curl
- Linux ディストリビューションで yum、dnf、または apt を使用していない場合、もしくは Linux を使用していない場合は、curl の Web サイト から、最適なソフトウェアパッケージをダウンロードします。
- Red Hat カスタマーポータルの 製品ダウンロード セクション (https://access.redhat.com/downloads) に移動し、必要なバリアント、バージョン、およびアーキテクチャーを選択している。必要な ISO イメージファイルを右クリックし、リンク先をコピー を選択して、ISO イメージファイルの URL をクリップボードにコピーしている。
手順
コマンドラインに適切なディレクトリーを入力し、次のコマンドを実行してファイルをダウンロードします。
$ curl --output directory-path/filename.iso 'copied_link_location'
directory-path を、ファイルを保存する場所のパスに置き換え、filename.iso を、カスタマーポータルに表示される ISO イメージの名前に置き換え、copied_link_location を、カスタマーポータルからコピーしたリンクに置き換えます。
2.7. 起動可能なインストールメディアの作成
本セクションでは、「ISO のインストールイメージのダウンロード」でダウンロードした ISO イメージファイルを使用して、USB、DVD、CD などの起動可能な物理インストールメディアを作成する方法を説明します。
デフォルトでは、インストールメデイアで inst.stage2=
起動オプションが使用され、特定のラベル (たとえば inst.stage2=hd:LABEL=RHEL8\x86_64
) に設定されます。ランタイムイメージが含まれるファイルシステムのデフォルトのラベルを変更します。インストールシステムの起動手順をカスタマイズする場合は、このラベルが正しい値に設定されていることを確認してください。
2.7.1. 起動可能な DVD または CD の作成
起動可能なインストール DVD または CD は、ディスク書き込みソフトウェアや、CD/DVD バーナーを使用して作成できます。ISO イメージファイルから DVD または CD を作成する手順は、オペレーティングシステムや、インストールされているディスク書き込みソフトウェアにより大きく異なります。CD または DVD への ISO イメージファイルの書き込み方法は、お使いの書き込みソフトウェアのドキュメントを参照してください。
Binary DVD ISO イメージ (フルインストール) または Boot ISO イメージ (最小インストール) のいずれかを使用して、起動可能な DVD または CD を作成できます。ただし、Binary DVD ISO イメージが 4.7 GB より大きくなり、1 層または 2 層 DVD に収まらない場合があります。作業を続行する前に、Binary DVD ISO イメージファイルのサイズを確認してください。Binary DVD ISO イメージを使用して起動可能なインストールメディアを作成する場合は、USB キーが推奨されます。
2.7.2. Linux で起動可能な USB デバイスの作成
以下の手順に従って、Linux システムで起動可能な USB デバイスを作成します。
この手順は破壊的で、USB フラッシュドライブ上のデータは警告なく破壊されます。
前提条件
- 「ISO のインストールイメージのダウンロード」の説明に従って、インストールの ISO イメージをダウンロードしている。
- Binary DVD ISO イメージは 4.7 GB を超えるため、この ISO イメージを保存するのに十分な大きさの USB フラッシュドライブが必要になります。
手順
- USB フラッシュドライブをシステムに接続します。
端末を開いて
dmesg
コマンドを実行します。$ dmesg|tail
dmesg
コマンドは、最近の全イベントの詳細を記録したログを返します。このログの下部に、接続している USB フラッシュドライブから出力されたメッセージが表示されます。接続したデバイスの名前を記録してください。root ユーザーに切り替えます。
$ su -
- プロンプトに従い root パスワードを入力します。
ドライブに割り当てられているデバイスノードを見つけます。この例で使用されているドライブの名前は
sdd
です。# dmesg|tail [288954.686557] usb 2-1.8: New USB device strings: Mfr=0, Product=1, SerialNumber=2 [288954.686559] usb 2-1.8: Product: USB Storage [288954.686562] usb 2-1.8: SerialNumber: 000000009225 [288954.712590] usb-storage 2-1.8:1.0: USB Mass Storage device detected [288954.712687] scsi host6: usb-storage 2-1.8:1.0 [288954.712809] usbcore: registered new interface driver usb-storage [288954.716682] usbcore: registered new interface driver uas [288955.717140] scsi 6:0:0:0: Direct-Access Generic STORAGE DEVICE 9228 PQ: 0 ANSI: 0 [288955.717745] sd 6:0:0:0: Attached scsi generic sg4 type 0 [288961.876382] sd 6:0:0:0: sdd Attached SCSI removable disk
dd
コマンドを実行して、ISO イメージを USB デバイスに直接書き込みます。# dd if=/image_directory/image.iso of=/dev/device
/image_directory/image.iso を、ダウンロードした ISO イメージファイルのフルパスに置き換え、device を、
dmesg
コマンドで取得したデバイス名に置き換えます。この例では、ISO イメージのフルパスが/home/testuser/Downloads/rhel-8-x86_64-boot.iso
で、検出されたデバイス名がsdd
です。# dd if=/home/testuser/Downloads/rhel-8-x86_64-boot.iso of=/dev/sdd
注記デバイス上のパーティション名ではなく、正しいデバイス名を使用していることを確認してください。パーティション名は、通常、数字の接尾辞が付いたデバイス名です。たとえば、
sdd
がデバイス名の場合、デバイスsdd
上のパーティションの名前は、sdd1
になります。-
dd
コマンドがデバイスへのイメージの書き込みを終了するのを待ちます。データ転送が完了すると、# プロンプトが表示されます。プロンプトが表示されたら、root アカウントからログアウトして、USB ドライブを取り外します。これで USB ドライブを起動デバイスとして使用する準備が整いました。
2.7.3. Windows で起動可能な USB デバイスの作成
以下の手順に従って、Windows システムに起動可能な USB デバイスを作成します。手順はツールによって異なります。Red Hat は、https://github.com/FedoraQt/MediaWriter/releases からダウンロードできる Fedora Media Writer の使用を推奨します。
- Fedora Media Writer はコミュニティー製品であるため、Red Hat のサポート対象外となります。このツールの問題は、https://github.com/FedoraQt/MediaWriter/issues から報告できます。
- この手順は破壊的で、USB フラッシュドライブ上のデータは警告なく破壊されます。
前提条件
- 「ISO のインストールイメージのダウンロード」の説明に従って、インストールの ISO イメージをダウンロードしている。
- Binary DVD ISO イメージは 4.7 GB を超えるため、この ISO イメージを保存するのに十分な大きさの USB フラッシュドライブが必要になります。
手順
https://github.com/FedoraQt/MediaWriter/releases から Fedora Media Writer をダウンロードしてインストールします。
注記Red Hat Enterprise Linux に Fedora Media Writer をインストールする場合は、ビルド済みの Flatpak パッケージを使用してください。このパッケージは、公式の Flatpak リポジトリーである Flathub.org (https://flathub.org/apps/details/org.fedoraproject.MediaWriter) から入手できます。
- USB フラッシュドライブをシステムに接続します。
- Fedora Media Writer を開きます。
- メイン画面で をクリックして、ダウンロードしておいた Red Hat Enterprise Linux ISO イメージを選択します。
- Write Custom Image 画面で、使用するドライブを選択します。
- をクリックします。起動用メディアの作成プロセスが開始します。プロセスが完了するまでドライブを抜かないでください。ISO イメージのサイズや、USB ドライブの書き込み速度により、この操作には数分かかる場合があります。
- 操作が完了したら、USB ドライブをアンマウントします。これで USB ドライブを起動デバイスとして使用する準備が整いました。
2.7.4. Mac OS X で起動可能な USB デバイスの作成
以下の手順に従って、Mac OS X システムで起動可能な USB デバイスを作成します。
この手順は破壊的で、USB フラッシュドライブ上のデータは警告なく破壊されます。
前提条件
- 「ISO のインストールイメージのダウンロード」の説明に従って、インストールの ISO イメージをダウンロードしている。
- Binary DVD ISO イメージは 4.7 GB を超えるため、この ISO イメージを保存するのに十分な大きさの USB フラッシュドライブが必要になります。
手順
- USB フラッシュドライブをシステムに接続します。
diskutil list
コマンドでデバイスパスを特定します。デバイスパスの形式は /dev/disknumber です。number はディスク番号になります。ディスク番号は、0 から始まります。通常、Disk 0 が OS X リカバリーディスク、そして Disk 1 がメインの OS X インストールになります。以下の例では、disk2
が USB デバイスです。$ diskutil list /dev/disk0 #: TYPE NAME SIZE IDENTIFIER 0: GUID_partition_scheme *500.3 GB disk0 1: EFI EFI 209.7 MB disk0s1 2: Apple_CoreStorage 400.0 GB disk0s2 3: Apple_Boot Recovery HD 650.0 MB disk0s3 4: Apple_CoreStorage 98.8 GB disk0s4 5: Apple_Boot Recovery HD 650.0 MB disk0s5 /dev/disk1 #: TYPE NAME SIZE IDENTIFIER 0: Apple_HFS YosemiteHD *399.6 GB disk1 Logical Volume on disk0s1 8A142795-8036-48DF-9FC5-84506DFBB7B2 Unlocked Encrypted /dev/disk2 #: TYPE NAME SIZE IDENTIFIER 0: FDisk_partition_scheme *8.1 GB disk2 1: Windows_NTFS SanDisk USB 8.1 GB disk2s1
- USB フラッシュドライブを特定するには、NAME、TYPE、および SIZE の列を、フラッシュドライブと比較します。たとえば、NAME は、Finder ツールのフラッシュドライブアイコンのタイトルになります。この値は、フラッシュドライブの情報パネルの値と比較することもできます。
diskutil unmountDisk
コマンドを使用して、フラッシュドライブのファイルシステムボリュームをアンマウントします。$ diskutil unmountDisk /dev/disknumber Unmount of all volumes on disknumber was successful
コマンドが完了すると、デスクトップからフラッシュドライブのアイコンが消えます。アイコンが消えない場合は、誤ったディスクを選択した可能性があります。誤ってシステムディスクのマウントを解除しようとすると、failed to unmount エラーが返されます。
root でログインします。
$ su -
- プロンプトに従い root パスワードを入力します。
dd
コマンドを、sudo コマンドのパラメーターとして使用し、ISO イメージをフラッシュドライブに書き込みます。# sudo dd if=/path/to/image.iso of=/dev/rdisknumber
注記Mac OS X では、各ストレージデバイスにブロックファイル (/dev/disk*) と、キャラクターデバイスファイル (/dev/rdisk*) の両方が用意されています。/dev/rdisknumber キャラクターデバイスにイメージを書き込む方が、/dev/disknumber ブロックデバイスに書き込むよりも高速です。
/Users/user_name/Downloads/rhel-8-x86_64-boot.iso ファイルを /dev/rdisk2 デバイスに書き込むには、以下のコマンドを実行します。
# sudo dd if=/Users/user_name/Downloads/rhel-8-x86_64-boot.iso of=/dev/rdisk2
-
dd
コマンドがデバイスへのイメージの書き込みを終了するのを待ちます。データ転送が完了すると、# プロンプトが表示されます。プロンプトが表示されたら、root アカウントからログアウトして、USB ドライブを取り外します。これで USB ドライブを起動デバイスとして使用する準備が整いました。
2.8. インストールソースの準備
Boot ISO イメージファイルには、リポジトリーやソフトウェアパッケージが含まれておらず、システムを起動し、インストールを開始するのに必要なインストールプログラムとツールのみが含まれます。本セクションでは、必要なリポジトリーおよびソフトウェアパッケージを含む Binary DVD ISO イメージを使用して、Boot ISO イメージのインストールソースを作成する方法を説明します。
コンテンツ配信ネットワーク (CDN) から RHEL を登録してインストールしない場合に限り、Boot ISO イメージファイルにインストールソースが必要になります。
2.8.1. インストールソースの種類
最小限のブートイメージには、以下のいずれかのインストールソースを使用できます。
- DVD - Binary DVD ISO イメージを DVD サーバーに焼きます。インストールプログラムは、DVD からソフトウェアパッケージを自動的にインストールします。
ハードドライブまたは USB ドライブ - Binary DVD ISO イメージをドライブにコピーして、ドライブからソフトウェアパッケージをインストールするように、インストールプログラムを設定します。USB ドライブを使用する場合は、インストールを開始する前に、USB ドライブがシステムに接続されていることを確認してください。インストールプログラムは、インストールの開始後にメディアを検出することができません。
-
ハードドライブの制限 - ハードドライブの Binary DVD ISO イメージは、インストールプログラムがマウントできるファイルシステムを使用しているパーティションに置く必要があります。対応するファイルシステムは、
xfs
、ext2
、ext3
、ext4
、およびvfat (FAT32)
となります。
警告Microsoft Windows システムで、ハードドライブをフォーマットする際に使用されるデフォルトのファイルシステムは NTFS です。exFAT ファイルシステムも利用できます。ただし、このファイルシステムは、いずれもインストール時に変更することができません。Microsoft Windows のインストールソースとして、ハードドライブまたは USB ドライブを作成する場合は、ドライブを FAT32 としてフォーマットするようにしてください。FAT32 ファイルシステムは、4 GiB を超えるファイルを保存できません。
Red Hat Enterprise Linux 8 では、ローカルのハードドライブのディレクトリーからインストールできます。これを行うには、DVD ISO イメージの内容をハードドライブのディレクトリーにコピーし、ISO イメージの代わりに、そのディレクトリーをインストールソースとして指定します。たとえば、
inst.repo=hd:<device>:<path to the directory>
です。-
ハードドライブの制限 - ハードドライブの Binary DVD ISO イメージは、インストールプログラムがマウントできるファイルシステムを使用しているパーティションに置く必要があります。対応するファイルシステムは、
ネットワーク経由 - Binary DVD ISO イメージ、またはインストールツリー (Binary DVD ISO イメージから抽出したコンテンツ) をネットワーク上の場所にコピーし、次のプロトコルを使用して、ネットワーク経由でインストールを実行できます。
- NFS - Binary DVD ISO イメージは、ネットワークファイルシステム (NFS) 共有にあります。
- HTTPS、HTTP、または FTP - インストールツリーは、HTTP、HTTPS、または FTP 経由でアクセス可能なネットワーク上にあります。
2.8.2. インストールソースの指定
インストールソースは、次のいずれかの方法で指定します。
- グラフィカルインストール - グラフィカルインストールの インストールソース 画面で、インストールソースを選択します。詳細は、「インストールソースの設定」を参照してください。
- 起動オプション - インストールソースを指定するカスタム起動オプションを設定します。詳細は付録D Boot オプションの参照を参照してください。
- キックスタートファイル - キックスタートファイルでインストールコマンドを使用して、インストールファイルソースを指定します。詳細は『高度な RHEL インストールの実行』を参照してください。
2.8.3. ネットワークインストール用のポート
次の表は、ネットワークベースの各種インストールにファイルを提供するサーバーで開く必要があるポートの一覧です。
表2.2 ネットワークインストール用のポート
使用プロトコル | 開くべきポート |
---|---|
HTTP | 80 |
HTTPS | 443 |
FTP | 21 |
NFS | 2049、111、20048 |
TFTP | 69 |
関連情報
- 詳細は『ネットワークのセキュリティー保護』を参照してください。
2.8.4. NFS サーバーへのインストールソースの作成
以下の手順に従って、インストールソースを NFS サーバーに配置します。この方法を使用して、物理メディアに接続しなくても、1 つのソースから複数のシステムをインストールできます。
前提条件
- Red Hat Enterprise Linux 8 を使用するサーバーに管理者レベルのアクセス権があり、このサーバーが、インストールするシステムと同じネットワーク上にある。
- Binary DVD ISO イメージをダウンロードしている。詳細は「ISO のインストールイメージのダウンロード」を参照してください。
- イメージファイルから、起動可能な CD、DVD、または USB デバイスを作成している。詳細は「起動可能なインストールメディアの作成」を参照してください。
- ファイアウォールにより、インストールしようとしているシステムがリモートインストールソースにアクセスできることを確認している。詳細は「ネットワークインストール用のポート」を参照してください。
手順
nfs-utils
パッケージをインストールします。# yum install nfs-utils
- Binary DVD ISO イメージを、NFS サーバーのディレクトリーにコピーします。
テキストエディターで
/etc/exports
ファイルを開き、以下の構文で行を追加します。/exported_directory/ clients
/exported_directory/ を、ISO イメージが含まれるディレクトリーのフルパスに置き換えます。clients を、ターゲットシステムのホスト名または IP アドレス、サブネットワーク (すべてのターゲットシステムが ISO イメージにアクセスする場合)、またはアスタリスク記号 (
*
) (ネットワークアクセスのあるコンピューターが NFS サーバーにアクセスして ISO イメージを使用できるようにする場合) を使用します。このフィールドの形式に関する詳細は、man ページのexports(5)
を参照してください。/rhel8-install/
ディレクトリーを、すべてのクライアントに対する読み取り専用として使用できるようにする基本構成は次のようになります。/rhel8-install *
-
/etc/exports
ファイルを保存して、テキストエディターを終了します。 nfs サービスを起動します。
# systemctl start nfs-server.service
/etc/exports
ファイルに変更を加える前にサービスを稼働していた場合は、稼働中の NFS サーバーで以下のコマンドを実行して、設定を再読み込みします。# systemctl reload nfs-server.service
ISO イメージは、NFS 経由でアクセス可能になり、インストールソースとして使用できるようになりました。
インストールソースを設定するには、プロトコルに nfs:
を使用し、サーバーのホスト名または IP アドレス、コロン記号 (:)
、および ISO イメージを保存しているディレクトリーを指定します。たとえば、サーバーのホスト名が myserver.example.com
で、ISO イメージを /rhel8-install/
に保存した場合、指定するインストールソースは nfs:myserver.example.com:/rhel8-install/
となります。
2.8.5. HTTP または HTTPS を使用するインストールソースの作成
以下の手順に従って、インストールツリー (Binary DVD ISO イメージから抽出したコンテンツと、有効な .treeinfo
ファイル含むディレクトリー) を使用したネットワークベースのインストール用のインストールソースを作成する手順を説明します。インストールソースには、HTTP、または HTTPS でアクセスします。
前提条件
- Red Hat Enterprise Linux 8 を使用するサーバーに管理者レベルのアクセス権があり、このサーバーが、インストールするシステムと同じネットワーク上にある。
- Binary DVD ISO イメージをダウンロードしている。詳細は「ISO のインストールイメージのダウンロード」を参照してください。
- イメージファイルから、起動可能な CD、DVD、または USB デバイスを作成している。詳細は「起動可能なインストールメディアの作成」を参照してください。
- ファイアウォールにより、インストールしようとしているシステムがリモートインストールソースにアクセスできることを確認している。詳細は「ネットワークインストール用のポート」を参照してください。
手順
httpd
パッケージをインストールします。# yum install httpd
警告Apache Web サーバー設定で SSL セキュリティーが有効になっている場合は、TLSv1 プロトコルのみが有効で、SSLv2 と SSLv3 は無効になっていることを確認してください。POODLE SSL 脆弱性 (CVE-2014-3566) の影響を受けないようにするためです。詳細は、https://access.redhat.com/solutions/1232413 を参照してください。
重要自己署名証明書付きの HTTPS サーバーを使用する場合は、
noverifyssl
オプションを指定してインストールプログラムを起動する必要があります。- HTTP(S) サーバーに Binary DVD ISO イメージをコピーします。
mount
コマンドを使用して、Binary DVD ISO イメージを適切なディレクトリーにマウントします。# mkdir /mnt/rhel8-install/ # mount -o loop,ro -t iso9660 /image_directory/image.iso /mnt/rhel8-install/
/image_directory/image.iso を、Binary DVD ISO イメージのパスに置き換えます。
マウントされたイメージから、HTTP(S) サーバーの root にファイルをコピーします。このコマンドにより、イメージに含まれるファイルが保存される
/var/www/html/rhel8-install/
ディレクトリーを作成します。# cp -r /mnt/rhel8-install/ /var/www/html/
このコマンドにより、イメージに含まれるファイルが保存される
/var/www/html/rhel8-install/
ディレクトリーを作成します。一部のコピー方法は、有効なインストールソースに必要な.treeinfo
ファイルを省略できることに注意してください。この手順で示されているように、ディレクトリー全体に対してcp
コマンドを実行しても、.treeinfo
が正しくコピーされます。httpd
サービスを開始します。# systemctl start httpd.service
これにより、インストールツリーにアクセスできるようになり、インストールソースとして使用できるようになります。
注記インストールソースを設定するには、プロトコルに
http://
またはhttps://
を使用して、サーバーのホスト名または IP アドレス、および ISO イメージのファイルを保存するディレクトリー (HTTP サーバーの root への相対パス) を指定します。たとえば、HTTP を使用し、サーバーのホスト名がmyserver.example.com
で、イメージのファイルの保存場所が/var/www/html/rhel8-install/
の場合、指定するインストールソースはhttp://myserver.example.com/rhel8-install/
となります。
関連情報
- HTTP サーバーの詳細は、『さまざまな種類のサーバーのデプロイメント』を参照してください。
2.8.6. FTP を使用するインストールソースの作成
以下の手順に従って、インストールツリー (Binary DVD ISO イメージから抽出したコンテンツと、有効な .treeinfo
ファイル含むディレクトリー) を使用したネットワークベースのインストール用のインストールソースを作成する手順を説明します。インストールソースには、FTP を使用してアクセスします。
前提条件
- Red Hat Enterprise Linux 8 を使用するサーバーに管理者レベルのアクセス権があり、このサーバーが、インストールするシステムと同じネットワーク上にある。
- Binary DVD ISO イメージをダウンロードしている。詳細は「ISO のインストールイメージのダウンロード」を参照してください。
- イメージファイルから、起動可能な CD、DVD、または USB デバイスを作成している。詳細は「起動可能なインストールメディアの作成」を参照してください。
- ファイアウォールにより、インストールしようとしているシステムがリモートインストールソースにアクセスできることを確認している。詳細は「ネットワークインストール用のポート」を参照してください。
手順
root で以下のコマンドを実行して、
vsftpd
パッケージをインストールします。# yum install vsftpd
必要に応じて、
/etc/vsftpd/vsftpd.conf
設定ファイルをテキストエディターで開いて編集します。-
anonymous_enable=NO
の行をanonymous_enable=YES
に変更します。 -
write_enable=YES
の行をwrite_enable=NO
に変更します。 pasv_min_port=min_port
とpasv_max_port=max_port
の行を追加します。min_port および max_port は、パッシブモードの FTP サーバーで使用されるポート番号の範囲に置き換えます (例:10021
および10031
)。このステップは、各種のファイアウォール/NAT 設定を採用するネットワーク環境に必要です。
オプションで、カスタムの変更を設定に追加します。利用可能なオプションは、man ページの vsftpd.conf(5) を参照してください。この手順では、デフォルトのオプションが使用されていることを前提としています。
警告vsftpd.conf
ファイルで SSL/TLS セキュリティーを設定している場合は、TLSv1 プロトコルのみを有効にし、SSLv2 と SSLv3 は無効にしてください。POODLE SSL 脆弱性 (CVE-2014-3566) の影響を受けないようにするためです。詳細は、https://access.redhat.com/solutions/1234773 を参照してください。
-
サーバーのファイアウォールを設定します。
ファイアウォールを有効にします。
# systemctl enable firewalld # systemctl start firewalld
直前の手順の FTP ポートおよびポート範囲のファイアウォールで有効にします。
# firewall-cmd --add-port min_port-max_port/tcp --permanent # firewall-cmd --add-service ftp --permanent # firewall-cmd --reload
min_port-max_port を、
/etc/vsftpd/vsftpd.conf
設定ファイルに入力したポート番号に置き換えます。
- Binary DVD ISO イメージを FTP サーバーにコピーします。
mount コマンドを使用して、Binary DVD ISO イメージを適切なディレクトリーにマウントします。
# mkdir /mnt/rhel8-install # mount -o loop,ro -t iso9660 /image-directory/image.iso /mnt/rhel8-install
/image_directory/image.iso を、Binary DVD ISO イメージのパスに置き換えます。
マウントされたイメージから、FTP サーバーのルートにファイルをコピーします。
# mkdir /var/ftp/rhel8-install # cp -r /mnt/rhel8-install/ /var/ftp/
このコマンドは、イメージに含まれるファイルが保存される
/var/ftp/rhel8-install/
ディレクトリーを作成します。一部のコピー方法は、有効なインストールソースに必要な.treeinfo
ファイルを省略できることに注意してください。この手順で示されているように、ディレクトリー全体に対してcp
コマンドを実行しても、.treeinfo
が正しくコピーされます。正しい SELinux コンテキストとアクセスモードが、コピーされたコンテンツに設定されていることを確認します。
# restorecon -r /var/ftp/rhel8-install # find /var/ftp/rhel8-install -type f -exec chmod 444 {} \; # find /var/ftp/rhel8-install -type d -exec chmod 755 {} \;
vsftpd
サービスを開始します。# systemctl start vsftpd.service
/etc/vsftpd/vsftpd.conf
ファイルを変更する前から、このサービスがすでに実行されていた場合は、サービスを再起動して必ず編集後のファイルを読み込ませてください。# systemctl restart vsftpd.service
vsftpd
サービスを有効にして、システムの起動プロセス時に開始するようにします。# systemctl enable vsftpd
これにより、インストールツリーにアクセスできるようになり、インストールソースとして使用できるようになります。
注記インストールソースを設定するには、プロトコルに
ftp://
を使用して、サーバーのホスト名または IP アドレス、および ISO イメージのファイルを保存するディレクトリー (FTP サーバーの root への相対パス) を指定します。たとえば、サーバーのホスト名がmyserver.example.com
で、イメージからコピーしたファイルを/var/ftp/rhel8-install/
に置いた場合、指定するインストールソースはftp://myserver.example.com/rhel8-install/
となります。
このページには機械翻訳が使用されている場合があります (詳細はこちら)。