Red Hat Training

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付録B パーティション設定の参照

B.1. 対応デバイスの種類

標準パーティション
標準パーティションには、ファイルシステムまたは swap 領域を使用できます。標準パーティションは、/bootBIOS Boot、および EFI System パーティション で最も一般的に使用されます。その他のほとんどの用途には、LVM 論理ボリュームが推奨されます。
LVM
デバイスタイプに LVM (または論理ボリューム管理) を選択すると、LVM 論理ボリュームが作成されます。現在 LVM ボリュームグループが存在しない場合は、新しいボリュームを含む LVM ボリュームグループが自動的に作成されます。LVM ボリュームグループが存在する場合は、そのボリュームが割り当てられます。LVM は、物理ディスクを使用する際にパフォーマンスを向上できます。また、パフォーマンスや信頼性、またはその両方を向上させるために、高度な設定 (1 つのマウントポイントに複数の物理ディスクの使用、ソフトウェア RAID の設定など) が可能になります。
LVM シンプロビジョニング
シンプロビジョニングを使用すると、シンプールと呼ばれる、空き領域のストレージプールを管理でき、アプリケーションで必要になった時に任意の数のデバイスに割り当てることができます。ストレージ領域の割り当ての費用対効果を高くする必要がある場合は、プールを動的に拡張できます。
警告

インストールプログラムは、オーバープロビジョニングの LVM シンプールをサポートしていません。

B.2. 対応ファイルシステム

本セクションでは、Red Hat Enterprise Linux で利用可能なファイルシステムを説明します。

xfs
XFS は、最大 16 エクサバイト (約 1600 万テラバイト) のファイルシステム、最大 8 エクサバイト (約 800 万テラバイト) のファイル、および数千万のエントリーを含むディレクトリー構造に対応する、スケーラビリティーが高く高性能なファイルシステムです。XFS は、メタデータジャーナリングもサポートしているため、クラッシュに対するより迅速な復元が容易になります。1 つの XFS ファイルシステムで対応している最大サイズは 500 TB です。XFS は、Red Hat Enterprise Linux でデフォルトの、推奨されるファイルシステムです。
ext4
ext4 ファイルシステムは、ext3 ファイルシステムをベースとし、改善が加えられています。より大きなファイルシステム、そしてより大きなファイルに対応するようになり、ディスク領域の割り当てに要する時間が短縮され効率化されています。また、ディレクトリー内のサブディレクトリーの数に制限がなく、ファイルシステムチェックが速くなり、ジャーナリングがより強力になりました。1 つの ext4 ファイルシステムで対応している最大サイズは 50 TB です。
ext3
ext3 ファイルシステムは ext2 ファイルシステムをベースとし、ジャーナリング機能という大きな利点を備えています。ジャーナリングファイルシステムを使用すると、クラッシュが発生するたびに fsck ユーティリティーを実行してメタデータの整合性をチェックする必要がないため、突然終了したあとに、ファイルシステムの復元に要する時間を短縮できます。
ext2
ext2 ファイルシステムは標準の Unix ファイルタイプに対応しています (通常のファイル、ディレクトリー、シンボリックリンクなど)。最大 255 文字までの長いファイル名を割り当てることができます。
swap
swap パーティションは、仮想メモリーに対応するために使用されます。つまり、システムが処理しているデータを格納する RAM が不足すると、そのデータが swap パーティションに書き込まれます。
vfat

VFAT ファイルシステムは Linux ファイルシステムです。FAT ファイルシステムにある Microsoft Windows の長いファイル名と互換性があります。

注記

Linux システムパーティションでは、VFAT ファイルシステムのサポートは利用できません。たとえば、//var/usr などです。

BIOS ブート
BIOS 互換モードで、BIOS システムおよび UEFI システムの GUID パーティションテーブル (GPT) を使用するデバイスから起動するのに必要な、非常に小さいパーティションです。
EFI システムパーティション
UEFI システムの GUID パーティションテーブル (GPT) でデバイスを起動する場合に必要な、小さいパーティションです。
PReP
この小さなブートパーティションは、ハードドライブの最初のパーティションにあります。PReP 起動パーティションには GRUB2 ブートローダーが含まれ、その他の IBM Power Systems サーバーが Red Hat Enterprise Linux を起動できるようにします。

B.3. 対応する RAID のタイプ

RAID は Redundant Array of Independent Disks の略で、複数の物理ディスクを論理ユニットにまとめることを可能にする技術です。設定によっては、信頼性を犠牲にしてパフォーマンスを向上させるように設計されていますが、一方で、利用可能な領域のサイズが同じでも、より多くのディスクを使用することで、信頼性が向上します。

本セクションは、LVM および LVM シンプロビジョニングを使用して、インストール済みシステムのストレージを設定できるソフトウェアの RAID タイプを説明します。

なし
RAID アレイは設定されていません。
RAID 0
パフォーマンス - データを複数のディスクに分散させます。RAID 0 は、標準パーティションのパフォーマンスを向上させ、1 つの大規模仮想デバイスに複数のディスクのストレージをプールします。RAID 0 には冗長性がなく、アレイ内の 1 つのディスクに障害が発生すると、アレイ全体のデータが壊れる点に注意してください。RAID 0 には少なくとも 2 つのディスクが必要です。
RAID 1
冗長性 - 1 つのパーティションにあるデータをすべて別のディスク (複数可) にミラーリングします。アレイ内のデバイスを増やすことで冗長レベルを強化します。RAID 1 には少なくとも 2 つのディスクが必要です。
RAID 4
エラーの確認 - データを複数のディスクに分散し、アレイ内の 1 つのディスクにパリティー情報を格納しているため、アレイ内のいずれかのディスクに障害が発生した場合にアレイを保護します。すべてのパリティー情報が 1 つのディスクに保存されているため、このディスクにアクセスすると、アレイのパフォーマンスに「ボトルネック」が生じます。RAID 4 には少なくとも 3 つのディスクが必要です。
RAID 5
分散エラーの確認 - データおよびパリティー情報を複数のディスクに分散させます。そのため、RAID 5 は複数ディスクにデータを分散させるためパフォーマンスが向上する一方、パリティー情報もアレイ全体に分散されるため、RAID 4 のようにパフォーマンスのボトルネックは共有されません。RAID 5 には少なくとも 3 つのディスクが必要です。
RAID 6
冗長なエラーの確認 - RAID 6 は RAID 5 と似ていますが、格納するパリティデータのセットは 2 つになります。RAID 6 には少なくとも 4 つのディスクが必要です。
RAID 10
パフォーマンスおよび冗長性 - RAID 10 は、ネストされた RAID またはハイブリッド RAID です。ミラーリングしているディスクセットにデータを分散させることで構築します。たとえば、4 つの RAID パーティションで構築した RAID 10 のアレイは、ストライプ化されたパーティションをミラーリングする 2 組のペアで構成されます。RAID 10 には少なくとも 4 つのディスクが必要です。

B.5. パーティション設定に関するアドバイス

すべてのシステムに最善となる分割方法はありません。インストール済みシステムをどのように使用するかによって異なります。ただし、次のヒントは、ニーズに最適なレイアウトを見つけるのに役立つかもしれません。

  • たとえば、特定のパーティションを特定のディスクに配置する必要がある場合など、特定の要件を満たすパーティションを最初に作成します。
  • 機密データを格納する可能性があるパーティションやボリュームには、暗号化を検討してください。暗号化を行うと、権限を持たない人が物理ストレージデバイスにアクセスできても、暗号化したパーティションにあるデータにアクセスできなくなります。ほとんどの場合は、少なくともユーザーデータが含まれる /home パーティションを暗号化してください。
  • 場合によっては、//boot、および /home 以外のディレクトリーに個別のマウントポイントを作成すると役に立つかもしれません。たとえば、MySQL データベースを実行するサーバーで、/var/lib/mysql 用のマウントポイントを別に持つことで、後でバックアップからデータベースを復元しなくても、再インストール中にデータベースを保存できます。ただし、不要なマウントポイントがあると、ストレージ管理がより困難になります。
  • 特定のディレクトリーには、どのレイアウトに配置できるかについて、特別な制限がいくつか適用されます。特に、/boot ディレクトリーは常に、(LVM ボリュームではなく) 物理パーティションに存在する必要があります。
  • Linux を初めて使用する場合は、さまざまなシステムディレクトリーとそのコンテンツの詳細を、 Linux ファイルシステム階層標準 を確認してください。
  • システムにインストールされるカーネルは、それぞれ /boot パーティションに約 56 MB の領域を必要とします。

    • 32 MB initramfs
    • 14 MB kdump initramfs
    • 3.5 MB のシステムマップ
    • 6.6 MB vmlinuz

      注記

      レスキューモードでは、initramfs および vmlinuz には 80 MB が必要です。

      最も一般的なユースケースでは、/boot にはデフォルトの 1 GB のパーティションサイズが必要です。ただし、複数のカーネルリリースまたはエラータカーネルを保持する予定がある場合は、このパーティションのサイズを増大させることが推奨されます。

  • /var ディレクトリーには、Apache Web サーバーなど、多数のアプリケーションのコンテンツが格納されていて、YUM パッケージマネージャーが、ダウンロードしたパッケージの更新を一時的に保管するのに使用します。/var を含むパーティションまたはボリュームは、最低 3 GB となることを確認してください。
  • 通常、/var ディレクトリーの内容は頻繁に変わります。古いソリッドステートドライブ (SSD) では、処理できる読み取り/書き込みサイクル数が減少してから使用ができなくなるので、内容が頻繁に変更することが原因で問題が発生する可能性があります。システムのルートが SSD にある場合は、従来の (platter) HDD の /var に別のマウントポイントを作成することを検討してください。
  • /usr ディレクトリーには、一般的な Red Hat Enterprise Linux インストールの大抵のソフトウェアが格納されています。このディレクトリーを含むパーティションまたはボリュームは、最小インストールの場合は最低 5 GB、グラフィカル環境のインストールの場合は最低 10 GB 必要です。
  • /usr または /var のパーティションをルートボリュームとは別の場所に設定すると、これらのディレクトリーには起動に欠かせないコンポーネントが含まれているため、起動プロセスが非常に複雑になります。iSCSI ドライブや FCoE などの場所に配置してしまった場合には、システムが起動できなくなったり、電源オフや再起動の際に Device is busy のエラーでハングしたりする可能性があります。

    これらの制限は /usr/var にのみ適用され、その下のディレクトリーには適用されません。たとえば、/var/www 向けの個別パーティションは、問題なく機能します。

    重要

    一部のセキュリティーポリシーでは、管理がより複雑になりますが、/usr/var の分離が必要になります。

  • LVM ボリュームグループ内の一部領域を未割り当てのまま残しておくことを検討してください。このように未割り当ての領域を残すことで、領域の要件が変化した際に、その他のボリュームからデータを削除したくない場合に、柔軟性が得られます。また、パーティションに LVM シンプロビジョニング デバイスタイプを選択し、ボリュームに未使用の領域を自動的に処理させることもできます。
  • XFS ファイルシステムのサイズを縮小することはできません。このファイルシステムのパーティションまたはボリュームを小さくする必要がある場合は、データのバックアップを作成し、ファイルシステムを破棄して、代わりに小規模なファイルシステムを新たに作成する必要があります。したがって、後でパーティションレイアウトを変更する予定の場合には、代わりに ext4 ファイルシステムを使用してください。
  • インストール後に、ハードドライブの追加、または仮想マシンのハードドライブの拡張によりストレージを拡張することを予定している場合は、論理ボリューム管理 (LVM) を使用してください。LVM を使用すると、新しいドライブに物理ボリュームを作成し、必要に応じてそのボリュームをボリュームグループおよび論理ボリュームに割り当てることができます。たとえば、システムの /home (または論理ボリュームに存在するその他のディレクトリー) は簡単に拡張できます。
  • システムのファームウェア、起動ドライブのサイズ、および起動ドライブのディスクラベルによっては、BIOS の起動パーティションまたは EFI システムパーティションの作成が必要になる場合があります。これらのパーティションの詳細は、「推奨されるパーティション設定スキーム」を参照してください。システムで BIOS ブートまたは EFI システムパーティションが 必要ない 場合は、グラフィカルインストールで BIOS ブートまたは EFI システムパーティションを作成することはできません。この場合は、メニューに表示されなくなります。
  • インストール後にストレージ設定に変更を加える必要がある場合は、Red Hat Enterprise Linux リポジトリーで役に立つツールがいくつか提供されています。コマンドラインツールを使用する場合は、system-storage-manager を試してみてください。

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