第41章 IBM Z のパラメーターおよび設定ファイル

このセクションでは、IBM Z のパラメーターおよび設定ファイルを説明します。

41.1. IBM Z で必要な設定ファイルパラメーター

いくつかのパラメーターは必須のパラメーターなので、必ずパラメーターファイルに追加してください。このパラメーターはインストール DVD の images/ ディレクトリー内にある generic.prm ファイルでも提供されています。

  • ro

    RAM ディスクであり、読み取り専用である root ファイルシステムをマウントします。

  • ramdisk_size=size

    RAM ディスク用に予約されているメモリーサイズを、Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムを格納できるサイズに修正します。たとえば、ramdisk_size=40000 のようになります。

generic.prm ファイルには、追加のパラメーター cio_ignore=all,!condev も含まれます。この設定は、デバイスが多いシステムで、起動とデバイス検出を高速化します。インストールプログラムは、無視されるデバイスのアクティベーションを透過的に処理します。

重要

スタック全体で cio_ignore サポートが実装されていないことに起因するインストールの問題を回避するには、cio_ignore= のパラメーター値を使用するシステムに適応させるか、インストールプログラムのブート (IPL) に使用したパラメーターファイルから、このパラメーターを完全に削除します。

41.2. IBM Z/VM 設定ファイル

z/VM では、CMS でフォーマットしたディスクの設定ファイルを使用できます。CMS 設定ファイルの目的は、パラメーターファイル内の領域を節約することにあります。これは、初期ネットワークや、DASD および FCP 仕様を設定するパラメーターを、パラメーターファイルから移動することにより実行します。

CMS 設定ファイルでは、1 つの変数が 1 行で表されます。 variable=value のようなシェルスタイルの構文で値が設定されます。

パラメーターファイルには、CMSDASD パラメーターおよび CMSCONFFILE のパラメーターも追加する必要があります。このパラメーターは、設定ファイルの場所をインストールプログラムに指定します。

CMSDASD=cmsdasd_address

cmsdasd_address は、設定ファイルを格納している CMS フォーマット済みディスクのデバイス番号です。一般的には、CMS ユーザーの A ディスクになります。

たとえば、CMSDASD=191 となります。

CMSCONFFILE=configuration_file

configuration_file は、設定ファイル名になります。この値は小文字で指定してください。CMS_file_name.CMS_file_type などの Linux ファイル名の形式で指定します。

CMS ファイルの REDHAT CONFredhat.conf として指定されます。CMS のファイル名およびファイルタイプは、それぞれ CMS 規則に従い 1 文字から 8 文字の長さにします。

たとえば、CMSCONFFILE=redhat.conf となります。

41.3. IBM Z におけるインストール用ネットワークパラメーター

このようなパラメーターは、準備段階のネットワークを自動的に設定するために使用され、CMS 設定ファイル内で定義できます。このパラメーターは、CMS 設定ファイルでも使用できるパラメーターのみに限定されます。その他のセクションで扱われるその他のパラメーターはすべて、パラメーターファイル内で指定する必要があります。

NETTYPE="type"

type は、qethlcsctc のいずれかにしてください。デフォルトは qeth です。

以下を使用する場合は lcs を選択します。

  • OSA-Express 機能

以下を使用する場合は qeth を選択します。

  • OSA-Express 機能
  • HiperSockets
  • z/VM 上の仮想接続 (VSWTICH、Guest LAN など)
SUBCHANNELS="device_bus_IDs"

device_bus_IDs は 、コンマで区切られた 2 つまたは 3 つのデバイスバス ID になります。ID は小文字で指定する必要があります。

各ネットワークインターフェースに、それぞれ必要なデバイスバス ID を入力します。

qeth: SUBCHANNELS="read_device_bus_id,write_device_bus_id,data_device_bus_id"
lcs or ctc: SUBCHANNELS="read_device_bus_id,write_device_bus_id"

以下に例を示します (qeth SUBCHANNEL ステートメントの場合)。

SUBCHANNELS="0.0.f5f0,0.0.f5f1,0.0.f5f2"
PORTNAME="osa_portname" PORTNAME="lcs_portnumber"

この変数は、qdio モードまたは非 qdio モードで動作する OSA デバイスに対応します。

qdio モード (NETTYPE="qeth") を使用する場合、qeth モードで動作している OSA デバイスで指定するポート名は osa_portname です。

非 qdio モード (NETTYPE="lcs") を使用する場合は、lcs_portnumber を使用して、0 から 15 の整数で適切なポート番号を渡します。

PORTNO="portnumber"
CMS 設定ファイルに PORTNO="0" (ポート 0 を使用) または PORTNO="1" (各 CHPID にポートが 2 つある OSA 機能のポート 1 を使用) のいずれかを追加すると、モード入力が要求されなくなります。
LAYER2="value"

value は、0 または 1 です。

レイヤー 3 モード (NETTYPE="qeth") で OSA または HiperSocket を動作させる場合は、LAYER2="0" を使用します。レイヤー 2 モードの場合は、LAYER2="1" を使用します。z/VM 環境の仮想ネットワークデバイスの場合、この設定はデバイスを接続する GuestLAN または VSWITCH の定義と同じにしてください。

DHCP などのレイヤー 2 (Data Link Layer またはその MAC サブレイヤー) で動作するネットワークサービスを使用する場合は、レイヤー 2 モードを選択することが推奨されます。

OSA デバイス用の qeth デバイスドライバーのデフォルトがレイヤー 2 モードになります。以前のデフォルトであるレイヤー 3 モードを引き続き使用する場合は、LAYER2="0" を明示的に設定します。

VSWITCH="value"

value は、0 または 1 です。

z/VM VSWITCH または GuestLAN に接続する場合は VSWITCH="1" を指定します。実際の OSA または実際の HiperSocket を直接接続して使用する場合は VSWITCH="0" を指定します (または何も指定しません)。

MACADDR="MAC_address"

LAYER2="1"VSWITCH="0" を指定している場合は、このパラメーターを使用して MAC アドレスを指定することもできます。Linux では、小文字と 16 進数の組み合わせをコロンで区切った、6 つのオクテット形式が必要です (MACADDR=62:a3:18:e7:bc:5f など)。z/VM で使用される表記とは異なります。

LAYER2="1"VSWITCH="1" を指定する場合は、MACADDR を指定しないでください。レイヤー 2 モードの場合は、z/VM により固有の MAC アドレスが仮想ネットワークデバイスに割り当てられます。

CTCPROT="value"

value は、01、または 3 です。

NETTYPE="ctc" の CTC プロトコルを指定します。デフォルトは 0 です。

HOSTNAME="string"
string は、新たにインストールした Linux インスタンスのホスト名です。
IPADDR="IP"
IP は、新しい Linux インスタンスの IP アドレスです。
NETMASK="netmask"

netmask はネットマスクです。

IPv4 の CIDR (クラスレス相互ドメインルーティング) で規定されているように、ネットマスクではプレフィックスの整数 (1 から 32) の構文に対応しています。たとえば、255.255.255.0 の代わりに 24 を指定したり、255.255.240.0 の代わりに 20 を指定できます。

GATEWAY="gw"
gw は、このネットワークデバイスのゲートウェイ IP アドレスです。
MTU="mtu"
mtu は、このネットワークデバイスの Maximum Transmission Unit (MTU) です。
DNS="server1:server2:additional_server_terms:serverN"

server1:server2:additional_server_terms:serverN は、コロンで区切った DNS サーバーの一覧です。以下に例を示します。

DNS="10.1.2.3:10.3.2.1"
SEARCHDNS="domain1:domain2:additional_dns_terms:domainN"

domain1:domain2:additional_dns_terms:domainN は、コロンで区切った検索ドメインの一覧です。以下に例を示します。

SEARCHDNS="subdomain.domain:domain"

SEARCHDNS= の指定が必要となるのは、DNS= パラメーターを使用する場合のみです。

DASD=

DASD または DASD の範囲を定義して、インストールを設定します。

インストールプログラムは、オプション属性である rodiagerplog、および failfast を持つ、コンマ区切りのデバイスバス ID の一覧、またはデバイスバス ID の範囲の一覧をサポートします。必要に応じて、デバイス番号で先行するゼロを除くことでデバイスバス ID を短縮できます。いずれのオプション属性も、コロンで区切り、括弧で囲む必要があります。オプションの属性は、デバイスバス ID、またはデバイスバス ID の範囲の後に続きます。

サポートされている唯一のグローバルオプションは autodetect です。ここでは、存在しない DASD の仕様をサポートして、後で追加する DASD 用にカーネルデバイス名を確保するということは行いません。永続性のある DASD デバイス名 (例: /dev/disk/by-path/name) を使用して、後で透過的なディスクを追加できるようにします。probeonlynopavnofcx などの他のグローバルオプションは、インストールプログラムではサポートしていません。

システムにインストールする必要がある DASD だけを指定します。ここで指定した未フォーマットの DASD はすべて、インストールプログラムで後で確認してからフォーマットする必要があります。

インストール後に、root ファイルシステム、または /boot パーティションに必要ではないデータの DASD を追加します。

以下に例を示します。

DASD="eb1c,0.0.a000-0.0.a003,eb10-eb14(diag),0.0.ab1c(ro:diag)"

FCP のみの環境では、DASD が存在しないことを示すために、CMS 設定ファイルから DASD= オプションを削除します。

FCP_n="device_bus_ID WWPN FCP_LUN"

詳細は以下のようになります。

  • 通常、n は整数値になりますが (FCP_1FCP_2 など)、アルファベット、数字、下線などを使用した文字列も使用できます。
  • device_bus_ID は、HBA (ホストバスアダプター) (例: デバイス fc00 の場合は 0.0.fc00) を表す FCP デバイスのデバイスバス ID を指定します。
  • WWPN は、ルーティングに使用される世界共通のポート名です (マルチパスと併用されることが多い)。16 桁の 16 進数の値 (0x50050763050b073d など) になります。
  • FCP_LUN は、ストレージの論理ユニット識別子を指し、16 桁の 16 進数の右側にゼロを加えた値 (0x4020400100000000 など) で指定します。

    この変数は、システムで、FCP デバイスとともに使用して、SCSI ディスクなどの FCP LUN をアクティベートできます。新たな FCP LUN はインストール中に対話式に、またはキックスタートファイルを介してアクティベートできます。サンプル値は以下のようになります。

    FCP_1="0.0.fc00 0x50050763050b073d 0x4020400100000000"
    重要

    FCP パラメーターで使用する各値 (FCP_1FCP_2 など) はサイト固有となるため、通常は FCP ストレージ管理者から提供されます。

FCP_n 以外の必須のパラメーターが、パラメーターや設定ファイル内に記載されていないと、インストールプログラムにより入力が求められます。

41.4. IBM Z のキックスタートインストールのパラメーター

以下のパラメーターは、パラメーターファイル内で定義できますが、CMS 設定ファイル内では機能しません。

inst.ks=URL
キックスタートファイルを参照します。これは通常、IBM Z 上の Linux インストールのネットワークにあります。URL を、キックスタートファイルのファイル名を含む完全なパスに置き換えます。このパラメーターは、キックスタートによる自動インストールを有効にします。
inst.cmdline
このオプションが指定されている場合は、ラインモード端末 (z/VM 環境下の 3270 や LPAR 用のオペレーティングシステムメッセージなど) の出力が読み取り可能になります。これは、インストールプログラムが、UNIX スタイルのコンソールにのみ適用されるエスケープ端末シーケンスを無効にするためです。インストールプログラムは、cmdline モード内での対話式のユーザー入力をサポートしないため、すべての質問に回答するキックスタートファイルによるインストールが必要になります。

キックスタートファイルに必要なパラメーターがすべて含まれていることを確認してから、inst.cmdline オプションを使用してください。必要なコマンドがないと、インストールが失敗します。

41.5. IBM Z のその他のパラメーター

以下のパラメーターは、パラメーターファイル内で定義できますが、CMS 設定ファイル内では機能しません。

rd.live.check
ISO ベースのインストールソースのテストを起動します。たとえば、FCP 接続の DVD から起動した場合や、ローカルハードディスク上、または NFS でマウントした ISO で inst.repo= を使用する場合などにテストします。
inst.nompath
マルチパスデバイスのサポートを無効にします。
inst.proxy=[protocol://][username[:password]@]host[:port]
HTTP、HTTPS、または FTP を介したインストールで使用するプロキシを指定します。
inst.rescue
RAM ディスクからレスキューシステムを起動して、インストールされたシステムを修正または復元できます。
inst.stage2=URL

install.img ディレクトリーではなく、install.img を含むツリーへのパスを指定します。それ以外は、inst.repo= の構文に従います。inst.stage2 が指定されていると、それが install.img を検索する他の方法よりも優先されます。ただし、Anaconda が、ローカルメディア上で install.img を検出すると、inst.stage2 の URL は無視されます。

stage2 が指定されておらず、install.img がローカルで見つからない場合、Anacondainst.repo= または method= で指定された場所を検索します。

inst.repo=method= を使用せずに stage2= だけが指定されていると、Anaconda は、インストール用にデフォルトで有効にされているインストール済みシステムのリポジトリーを使用します。

複数の HTTP、HTTPS、または FTP ソースを指定する場合は、オプションを複数回使用します。複数の HTTP、HTTPS、または FTP のパスが指定されると、いずれかが成功するまで順番に試行されます。

inst.stage2=http://hostname/path_to_install_tree/
inst.stage2=http://hostname/path_to_install_tree/
inst.stage2=http://hostname/path_to_install_tree/
inst.syslog=IP/hostname[:port]
ログメッセージをリモートの syslog サーバーに送信します。

ここで説明されているブートパラメーターは、IBM Z へのインストールとトラブルシューティングに非常に便利ですが、インストールプログラムに影響を及ぼすのはこれらのサブセットのみです。

41.6. IBM Z におけるパラメーターファイルと CMS 設定ファイルの例

パラメーターファイルを変更する場合は、配布されている generic.prm ファイルの拡張から始めてください。

generic.prm ファイルの例:

ro ramdisk_size=40000 cio_ignore=all,!condev
CMSDASD="191" CMSCONFFILE="redhat.conf"
inst.vnc
inst.repo=http://example.com/path/to/dvd-contents

QETH ネットワークデバイスを設定する redhat.conf ファイルの例 (generic.prm 内の CMSCONFFILE により指定されています)

NETTYPE="qeth"
SUBCHANNELS="0.0.0600,0.0.0601,0.0.0602"
PORTNAME="FOOBAR"
PORTNO="0"
LAYER2="1"
MACADDR="02:00:be:3a:01:f3"
HOSTNAME="foobar.systemz.example.com"
IPADDR="192.168.17.115"
NETMASK="255.255.255.0"
GATEWAY="192.168.17.254"
DNS="192.168.17.1"
SEARCHDNS="systemz.example.com:example.com"
DASD="200-203"

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