9.2. CDN から RHEL の登録およびインストール
この手順に従って、GUI で、システムを登録し、RHEL サブスクリプションを割り当て、Red Hat コンテンツ配信ネットワーク (CDN) から RHEL をインストールします。
CDN 機能は、Boot ISO および DVD ISO のイメージファイルでサポートされています。ただし、Boot ISO イメージファイルのインストールソースのデフォルトは CDN であるため、Boot ISO イメージファイルを使用することが推奨されます。
前提条件
- CDN にアクセスできるネットワークに接続されている。
- カスタマーポータルから Boot ISO イメージファイルをダウンロードしている。詳細は、ベータインストールイメージのダウンロード を参照してください。
- 起動可能なインストールメディアを作成している。詳細は、起動可能な DVD または CD の作成 を参照してください。
- インストールプログラムを起動し、起動メニューが表示されている。詳細は、インストーラーの起動 を参照してください。システム登録後に使用されるインストールソースリポジトリーは、システムの起動方法により異なります。詳細は、CDN におけるデフォルトのインストールの仕組み を参照してください。
手順
- 起動メニューで Install Red Hat Enterprise Linux 8 を選択し、キーボードの Enter を押します。
- Welcome to Red Hat Enterprise Linux 8 画面で、言語およびロケーションを選択し、Continue をクリックします。Installation Summary 画面が開き、各設定のデフォルト値が表示されます。
- System > Installation Destination を選択し、Local Standard Disks ペーンでターゲットのディスクを選択してから Done をクリックします。ストレージ設定では、デフォルト設定が選択されます。ストレージ設定のカスタマイズの詳細は、ソフトウェア設定の定義、ストレージデバイス、手動パーティション設定 を参照してください。
- システム > ネットワークとホスト名 を選択します。Network and Hostname 画面が開きます。
- Network and Hostname 画面で、 Ethernet を ON に切り替えて、Done をクリックします。インストーラーは利用可能なネットワークに接続し、そのネットワークで利用可能なデバイスを設定します。必要に応じて、利用可能なネットワーク一覧から、任意のネットワークを選択して、そのネットワークで利用可能なデバイスを設定できます。ネットワークまたはネットワークデバイスの設定に関する詳細は、ネットワークホスト名 を参照してください。
- Software > Connect to Red Hat を選択します。Connect to Red Hat ウィンドウが開きます。
Connect to Red Hat ウィンドウで以下の手順を実行します。
Authentication の方法を選択し、選択した方法をもとに詳細を指定します。
Account 認証方法: Red Hat カスタマーポータルのユーザー名およびパスワードの詳細を入力します。
Activation Key 認証方法: 組織 ID およびアクティベーションキーを入力します。サブスクリプションにアクティベーションキーが登録されている限り、複数のアクティベーションキーをコンマで区切って入力できます。
Set System Purpose チェックボックスを選択し、該当するドロップダウンリストから必要な Role、SLA、Usage を選択します。
システムの目的を使用して、Red Hat Enterprise Linux 8 システムの使用目的を記録し、エンタイトルメントサーバーがシステムに最も適したサブスクリプションを自動的に割り当てていることを確認します。
Red Hat Insights への接続 チェックボックスはデフォルトで有効になっています。Red Hat Insights に接続する必要がない場合には、チェックボックスの選択を解除します。
Red Hat Insights は SaaS (Software-as-a-Service) 製品で、継続的に、登録済みの Red Hat ベースのシステムに詳細な分析を提供し、物理環境、仮想環境、クラウド環境、およびコンテナーデプロイメントでセキュリティー、パフォーマンス、および安定性に関する脅威をプロアクティブに特定します。
必要に応じて、オプション を展開し、ネットワーク通信タイプを選択します。
- ネットワーク環境で、外部のインターネットアクセスのみ、または HTTP プロキシーを介したコンテンツサーバーへのアクセスが許可されている場合は、HTTP プロキシーの使用 チェックボックスを選択します。
Register をクリックします。システムが正常に登録され、サブスクリプションが割り当てられると、Red Hat への接続 ウィンドウに、割り当てられているサブスクリプションの詳細が表示されます。
サブスクリプションのサイズによっては、登録および割り当てのプロセスが完了するのに最大 1 分かかることがあります。
完了 をクリックします。
Red Hat への接続 の下に 登録 メッセージが表示されます。
- ユーザー設定 > root パスワード を選択します。root パスワード 画面が開きます。
Root Password 画面で、root アカウントに設定するパスワードを入力し、Done をクリックします。インストールプロセスを完了し、システム管理者ユーザーアカウントにログインするには、root パスワードが必要です。
パスワード作成の要件および推奨事項の詳細は、root パスワードの設定 を参照してください。
- 必要に応じて、User Settings > User Creation を選択して、ユーザーアカウントを作成してインストールプロセスを完了します。root アカウントの代わりに、このユーザーアカウントを使用して、システム管理タスクを実行できます。
- Create User 画面で以下を実行し、Done をクリックします。
- 作成するアカウントの名前とユーザー名を入力します。
Make this user administrator と Require a password to use this account を選択します。インストールプログラムは、このユーザーを wheel グループに追加し、デフォルト設定でパスワード保護されたユーザーアカウントを作成します。パスワードで保護された管理ユーザーアカウントを作成することを推奨します。
ユーザーアカウントのデフォルト設定を編集する方法は、ユーザーアカウントの作成 を参照してください。
- Begin Installation をクリックしてインストールを開始し、インストールが完了するまで待ちます。これには数分かかる場合があります。
- インストールプロセスが完了したら、再起動 をクリックして、システムを再起動します。
起動時にインストールメディアが自動的に取り出せない場合は、忘れずに取り出してください。
Red Hat Enterprise Linux 8 は、通常のシステム起動シーケンスが完了すると起動します。X Window System でワークステーションにシステムをインストールしている場合は、システムを設定するアプリケーションが起動します。このアプリケーションを使用すると初期設定が可能になり、システムの時刻と日付の設定、Red Hat へのマシンの登録などが行えます。X Window System がインストールされていない場合は、
login:
プロンプトが表示されます。注記UEFI セキュアブートが有効になっているシステムに、Red Hat Enterprise Linux ベータ版リリースをインストールした場合は、システムの Machine Owner Key (MOK) 一覧にベータ版の公開鍵を追加します。
- 初期セットアップ 画面で、ライセンスアグリーメントに同意して、システムを登録します。
関連情報
- ネットワークのカスタマイズ方法、Red Hat への接続、システムの目的、インストール先、KDUMP、およびセキュリティーポリシーをカスタマイズする方法
- Red Hat Insights product documentation
- Understanding Activation Keys
-
Subscription Manager の HTTP プロキシーの設定は、
subscription-manager
man ページのPROXY CONFIGURATION
セクションを参照してください。
9.2.1. システム登録後のインストールソースリポジトリー
システム登録後に使用されるインストールソースリポジトリーは、システムの起動方法により異なります。
- Boot ISO または DVD ISO のイメージファイルから起動するシステム
-
Boot ISO
またはDVD ISO
のいずれかのイメージファイルを使用して、デフォルトの起動パラメーターを使用して RHEL インストールを起動した場合、インストールプログラムは、登録後にインストールソースリポジトリーを CDN に自動的に切り替えます。 inst.repo=<URL>
ブートパラメーターで起動したシステム-
起動パラメーター
inst.repo=<URL>
を使用して RHEL インストールを起動すると、インストールプログラムは、登録後に自動的にインストールソースリポジトリーを CDN に切り替えません。CDN を使用して RHEL をインストールする場合は、グラフィカルインストールの インストールソース 画面で Red Hat CDN オプションを選択し、インストールソースリポジトリーを CDN に手動で切り替える必要があります。CDN に手動で切り替えないと、インストールプログラムは、カーネルコマンドラインで指定されたリポジトリーからパッケージをインストールします。
-
キックスタートコマンドの
rhsm
を使用してインストールソースリポジトリーを CDN に切り替えることができるのは、カーネルコマンドラインのinst.repo=
またはキックスタートファイルのurl
コマンドを使用してインストールソースを指定しない場合に限定されます。インストールイメージを取得するには、カーネルコマンドラインでinst.stage2=<URL>
を使用する必要がありますが、インストールソースは指定しないでください。 -
起動オプションを使用して指定したインストールソース URL、またはキックスタートファイルに含まれるインストールソース URL は、キックスタートファイルに有効な認証情報を持つ
rhsm
コマンドが含まれている場合でも CDN よりも優先されます。システムが登録されていますが、URL インストールソースからインストールされています。これにより、以前のインストールプロセスが通常通りに動作するようになります。