11.6. subscription-manager コマンドラインツールを使用したシステムの目的の設定

システムの目的は任意ですが、Red Hat Enterprise Linux インストールで推奨される機能です。システムの目的を使用して、Red Hat Enterprise Linux 8 システムの使用目的を記録し、エンタイトルメントサーバーがシステムに最も適したサブスクリプションを自動的に割り当てていることを確認することができます。インストールプロセスでシステムの目的を設定しなかった場合は、インストール後に subscription-manager syspurpose コマンドラインツールを使用して必要な属性を設定できます。

前提条件

  • Red Hat Enterprise Linux 8 システムをインストールして登録しているが、システムの目的が設定されていない。
  • root ユーザーとしてログインしている。

    注記

    システムが登録されているものの、必要な目的を満たさないサブスクリプションをお持ちの場合は、subscription-manager remove --all コマンドを実行して、割り当てたサブスクリプションを削除できます。次に、コマンドラインの subscription-manager syspurpose {ロール、使用条件、サービスレベル} ツールを使用して必要な目的属性を設定し、最後に subscription-manager attach --auto を実行して、更新した属性を考慮してシステムを再登録できます。

    手順

    以下の手順を完了して、インストール後に、subscription-manager syspurpose コマンドラインツールでシステムの目的を設定します。選択した値は、エンタイトルメントサーバーが最適なサブスクリプションをシステムに割り当てるために使用されます。

    1. 端末で、次のコマンドを実行して、システムの目的のロールを設定します。

      # subscription-manager syspurpose role --set "VALUE"

      VALUE を、割り当てるロールに置き換えます。

      • Red Hat Enterprise Linux Server
      • Red Hat Enterprise Linux Workstation
      • Red Hat Enterprise Linux Compute Node

      以下に例を示します。

      # subscription-manager syspurpose role --set "Red Hat Enterprise Linux Server"
      1. オプション: 値を設定する前に、組織のサブスクリプションがサポートする利用可能なロールを確認します。

        # subscription-manager syspurpose role --list
      2. 必要に応じて、次のコマンドを実行してロールの設定を解除します。

        # subscription-manager syspurpose role --unset
    2. 次のコマンドを実行して、希望するシステムのサービスレベルアグリーメント (SLA) を設定します。

      # subscription-manager syspurpose service-level --set "VALUE"

      VALUE を、割り当てる SLA に置き換えます。

      • Premium
      • Standard
      • Self-Support

      以下に例を示します。

      # subscription-manager syspurpose service-level --set "Standard"
      1. オプション: 値を設定する前に、組織のサブスクリプションがサポートする利用可能なサービスレベルを確認します。

        # subscription-manager syspurpose service-level --list
      2. 必要に応じて、次のコマンドを実行して SLA の設定を解除します。

        # subscription-manager syspurpose service-level --unset
    3. 次のコマンドを実行して、希望する使用方法をシステムに設定します。

      # subscription-manager syspurpose usage --set "VALUE"

      VALUE を、割り当てる使用方法に置き換えます。

      • Production
      • Disaster Recovery
      • Development/Test

      以下に例を示します。

      # subscription-manager syspurpose usage --set "Production"
      1. オプション: 値を設定する前に、組織のサブスクリプションがサポートする利用可能な使用条件を確認します。

        # subscription-manager syspurpose usage --list
      2. 必要に応じて、次のコマンドを実行して、使用方法の設定を解除します。

        # subscription-manager syspurpose usage --unset
    4. 次のコマンドを実行して、現在のシステム目的のプロパティーを表示します。

      # subscription-manager syspurpose --show
      1. オプション: 詳細な構文情報については、以下のコマンドを実行して subscription-manager の man ページにアクセスし、SYSPURPOSE OPTIONS を参照します。

        # man subscription-manager

検証手順

  • システムのサブスクリプションのステータスを確認するには、以下を実行します。

    # subscription-manager status
    +-------------------------------------------+
       System Status Details
    +-------------------------------------------+
    Overall Status: Current
    
    System Purpose Status: Matched
  • 全体的なステータス Current とは、インストールされている製品がすべて割り当てられたサブスクリプションの対象となり、コンテンツセットリポジトリーにアクセスするためのエンタイトルメントが付与されています。
  • システム目的のステータス Matched とは、システムに設定したすべてのシステム目的の属性 (ロール、使用条件、サービスレベル) が、割り当てられたサブスクリプションによって満たされることを意味します。
  • ステータス情報が理想的ではない場合、システム管理者がインストール済みの製品と目的のシステムの目的に対応するために、アタッチされているサブスクリプションに加える修正を決定するのに役立つ追加情報が表示されます。