37.3. 64 ビット IBM Z でのインストールネットワーク、DASD および FCP パラメーター
このようなパラメーターは、準備段階のネットワークを自動的に設定するために使用され、CMS 設定ファイル内で定義できます。このパラメーターは、CMS 設定ファイルでも使用できるパラメーターのみに限定されます。その他のセクションで扱われるその他のパラメーターはすべて、パラメーターファイル内で指定する必要があります。
NETTYPE="type"
type は、
qeth
、lcs
、ctc
のいずれかにしてください。デフォルトはqeth
です。以下を使用する場合は
lcs
を選択します。- OSA-Express 機能
以下を使用する場合は
qeth
を選択します。- OSA-Express 機能
- HiperSockets
- z/VM 上の仮想接続 (VSWTICH、Guest LAN など)
SUBCHANNELS="device_bus_IDs"
device_bus_IDs は 、コンマで区切られた 2 つまたは 3 つのデバイスバス ID になります。ID は小文字で指定する必要があります。
各ネットワークインターフェイスに、それぞれ必要なデバイスバス ID を入力します。
qeth: SUBCHANNELS="read_device_bus_id,write_device_bus_id,data_device_bus_id" lcs or ctc: SUBCHANNELS="read_device_bus_id,write_device_bus_id"
以下に例を示します (qeth SUBCHANNEL ステートメントの場合)。
SUBCHANNELS="0.0.f5f0,0.0.f5f1,0.0.f5f2"
PORTNAME="osa_portname"
PORTNAME="lcs_portnumber"
この変数は、qdio モードまたは非 qdio モードで動作する OSA デバイスに対応します。
qdio モード (
NETTYPE="qeth"
) を使用する場合、qeth モードで動作している OSA デバイスで指定するポート名は osa_portname です。非 qdio モード (
NETTYPE="lcs"
) を使用する場合は、lcs_portnumber を使用して、0 から 15 の整数で適切なポート番号を渡します。PORTNO="portnumber"
-
CMS 設定ファイルに
PORTNO="0"
(ポート 0 を使用) またはPORTNO="1"
(各 CHPID にポートが 2 つある OSA 機能のポート 1 を使用) のいずれかを追加すると、モード入力が要求されなくなります。 LAYER2="value"
value は、
0
または1
です。レイヤー 3 モード (
NETTYPE="qeth"
) で OSA または HiperSocket を動作させる場合は、LAYER2="0"
を使用します。レイヤー 2 モードの場合は、LAYER2="1"
を使用します。z/VM 環境の仮想ネットワークデバイスの場合、この設定はデバイスを接続する GuestLAN または VSWITCH の定義と同じにしてください。DHCP などのレイヤー 2 (Data Link Layer またはその MAC サブレイヤー) で動作するネットワークサービスを使用する場合は、レイヤー 2 モードを選択することが推奨されます。
OSA デバイス用の qeth デバイスドライバーのデフォルトがレイヤー 2 モードになります。以前のデフォルトであるレイヤー 3 モードを引き続き使用する場合は、
LAYER2="0"
を明示的に設定します。VSWITCH="value"
value は、
0
または1
です。z/VM VSWITCH または GuestLAN に接続する場合は
VSWITCH="1"
を指定します。実際の OSA または実際の HiperSocket を直接接続して使用する場合はVSWITCH="0"
を指定します (または何も指定しません)。MACADDR="MAC_address"
LAYER2="1"
とVSWITCH="0"
を指定している場合は、このパラメーターを使用して MAC アドレスを指定することもできます。Linux では、小文字と 16 進数の組み合わせをコロンで区切った、6 つのオクテット形式が必要です (MACADDR=62:a3:18:e7:bc:5f
など)。z/VM で使用される表記とは異なります。LAYER2="1"
とVSWITCH="1"
を指定する場合は、MACADDR
を指定しないでください。レイヤー 2 モードの場合は、z/VM により固有の MAC アドレスが仮想ネットワークデバイスに割り当てられます。CTCPROT="value"
value は、
0
、1
、または3
です。NETTYPE="ctc"
の CTC プロトコルを指定します。デフォルトは0
です。HOSTNAME="string"
- string は、新たにインストールした Linux インスタンスのホスト名です。
IPADDR="IP"
- IP は、新しい Linux インスタンスの IP アドレスです。
NETMASK="netmask"
netmask はネットマスクです。
IPv4 の CIDR (クラスレス相互ドメインルーティング) で規定されているように、ネットマスクでは接頭辞の整数 (1 から 32) の構文に対応しています。たとえば、
255.255.255.0
の代わりに24
を指定したり、255.255.240.0
の代わりに20
を指定できます。GATEWAY="gw"
- gw は、このネットワークデバイスのゲートウェイ IP アドレスです。
MTU="mtu"
- mtu は、このネットワークデバイスの Maximum Transmission Unit (MTU) です。
DNS="server1:server2:additional_server_terms:serverN"
server1:server2:additional_server_terms:serverN は、コロンで区切った DNS サーバーの一覧です。以下に例を示します。
DNS="10.1.2.3:10.3.2.1"
SEARCHDNS="domain1:domain2:additional_dns_terms:domainN"
domain1:domain2:additional_dns_terms:domainN は、コロンで区切った検索ドメインの一覧です。以下に例を示します。
SEARCHDNS="subdomain.domain:domain"
SEARCHDNS=
の指定が必要となるのは、DNS=
パラメーターを使用する場合のみです。DASD=
DASD または DASD の範囲を定義して、インストールを設定します。
インストールプログラムは、オプション属性である
ro
、diag
、erplog
、およびfailfast
を持つ、コンマ区切りのデバイスバス ID の一覧、またはデバイスバス ID の範囲の一覧をサポートします。必要に応じて、デバイス番号で先行するゼロを除くことでデバイスバス ID を短縮できます。いずれのオプション属性も、コロンで区切り、括弧で囲む必要があります。オプションの属性は、デバイスバス ID、またはデバイスバス ID の範囲の後に続きます。サポートされている唯一のグローバルオプションは
autodetect
です。ここでは、存在しない DASD の仕様をサポートして、後で追加する DASD 用にカーネルデバイス名を確保するということは行いません。永続性のある DASD デバイス名 (例:/dev/disk/by-path/name
) を使用して、後で透過的なディスクを追加できるようにします。probeonly
、nopav
、nofcx
などの他のグローバルオプションは、インストールプログラムではサポートしていません。システムにインストールする必要がある DASD だけを指定します。ここで指定した未フォーマットの DASD はすべて、インストールプログラムで後で確認してからフォーマットする必要があります。
インストール後に、root ファイルシステム、または
/boot
パーティションに必要ではないデータの DASD を追加します。以下に例を示します。
DASD="eb1c,0.0.a000-0.0.a003,eb10-eb14(diag),0.0.ab1c(ro:diag)"
FCP_n="device_bus_ID [WWPN FCP_LUN]"
FCP のみの環境では、DASD が存在しないことを示すために、CMS 設定ファイルから
DASD=
オプションを削除します。FCP_n="device_bus_ID [WWPN FCP_LUN]"
詳細は以下のようになります。
-
通常、n は整数値になりますが (
FCP_1
、FCP_2
など)、アルファベット、数字、下線などを使用した文字列も使用できます。 -
device_bus_ID は、HBA (ホストバスアダプター) (例: デバイス fc00 の場合は
0.0.fc00
) を表す FCP デバイスのデバイスバス ID を指定します。 -
WWPN は、ルーティングに使用される世界共通のポート名です (マルチパスと併用されることが多い)。16 桁の 16 進数の値 (
0x50050763050b073d
など) になります。 -
FCP_LUN は、ストレージの論理ユニット識別子を指し、16 桁の 16 進数の右側にゼロを加えた値 (
0x4020400100000000
など) で指定します。
-
通常、n は整数値になりますが (
zfcp.allow_lun_scan=0
カーネルモジュールパラメーターにより auto LUN スキャンが無効になっているか、または RHEL-8.6 以前のリリースをインストールする場合、zFCP
デバイスが NPIV モードで設定されていないときは、ターゲットのワールドワイドポート名 (WWPN) および FCP_LUN を指定する必要があります。それ以外の場合は、device_bus_ID
値のみは必須です。
この変数は、システムで、FCP デバイスとともに使用して、SCSI ディスクなどの FCP LUN をアクティベートできます。新たな FCP LUN はインストール中に対話式に、またはキックスタートファイルを介してアクティベートできます。サンプル値は以下のようになります。
FCP_1="0.0.fc00 0x50050763050b073d 0x4020400100000000" FCP_2="0.0.4000"
重要FCP パラメーターで使用する各値 (
FCP_1
、FCP_2
など) はサイト固有となるため、通常は FCP ストレージ管理者から提供されます。