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3.7. TuneD プラグイン
プラグインは、TuneD がシステムのさまざまなデバイスを監視または最適化するために使用する TuneD プロファイルのモジュールです。
TuneD では、以下の 2 つのタイプのプラグインを使用します。
- プラグインの監視
モニターリングプラグインは、稼働中のシステムから情報を取得するために使用されます。監視プラグインの出力は、動的チューニング向けチューニングプラグインで使用できます。
監視プラグインは、有効ないずれかのチューニングプラグインでメトリクスが必要な場合に必ず自動的にインスタンス化されます。2 つのチューニングプラグインで同じデータが必要な場合は、監視プラグインのインスタンスが 1 つだけ作成され、データが共有されます。
- プラグインのチューニング
- 各チューニングプラグインは、個々のサブシステムをチューニングし、TuneD プロファイルから設定されたいくつかのパラメーターを取得します。各サブシステムには、チューニングプラグインの個別インスタンスで処理される複数のデバイス (複数の CPU やネットワークカードなど) を含めることができます。また、個別デバイスの特定の設定もサポートされます。
TuneD プロファイルのプラグインの構文
プラグインインスタンスが記述されるセクションは、以下のように書式化されます。
[NAME] type=TYPE devices=DEVICES
- NAME
- ログで使用されるプラグインインスタンスの名前です。これは、任意の文字列です。
- TYPE
- チューニングプラグインのタイプです。
- DEVICES
このプラグインインスタンスが処理するデバイスの一覧です。
device
の行には、リスト、ワイルドカード (*
)、否定 (!
) が含まれます。device
の行がないと、TYPE のシステムに現在または後で接続されるすべてのデバイスは、プラグインインスタンスにより処理されます。devices=*
オプションを使用する場合と同じです。例3.4 ブロックデバイスとプラグインのマッチング
次の例では、
sda
、sdb
などsd
で始まるすべてのブロックデバイスに一致し、それらに対する境界は無効にしない例になります。[data_disk] type=disk devices=sd* disable_barriers=false
次の例は、
sda1
およびsda2
を除くすべてのブロックデバイスと一致します。[data_disk] type=disk devices=!sda1, !sda2 disable_barriers=false
プラグインのインスタンスを指定しないと、そのプラグインは有効になりません。
このプラグインがより多くのオプションに対応していると、プラグインセクションでも指定できます。このオプションが指定されておらず、含まれているプラグインでこれまで指定しなかった場合は、デフォルト値が使用されます。
短いプラグイン構文
プラグインインスタンスにカスタム名を付ける必要がなく、設定ファイルにインスタンスの定義が 1 つしかない場合、TuneD は以下の簡単な構文に対応します。
[TYPE] devices=DEVICES
この場合は、type
の行を省略することができます。タイプと同様に、インスタンスは名前で参照されます。上記の例は、以下のように書き換えることができます。
例3.5 短い構文を使用したブロックデバイスのマッチング
[disk] devices=sdb* disable_barriers=false
プロファイルで競合するプラグインの定義
include
オプションを使用して同じセクションを複数回指定した場合は、設定がマージされます。設定をマージできない場合は、競合がある以前の設定よりも、競合がある最後の定義が優先されます。以前に定義されたものが分からない場合は、replace
ブール式オプションを使用して、それを true
に設定します。これにより、同じ名前の以前の定義がすべて上書きされ、マージは行われません。
また、enabled=false
オプションを指定してプラグインを無効にすることもできます。これは、インスタンスが定義されない場合と同じ効果になります。include
オプションから以前の定義を再定義し、カスタムプロファイルでプラグインをアクティブにしない場合には、プラグインを無効にすると便利です。
- 注記
TuneD には、チューニングプロファイルの有効化または無効化の一環として、シェルコマンドを実行する機能が含まれます。これにより、TuneD に統合されていない機能で、TuneD プロファイルを拡張できます。
任意のシェルコマンドは、
script
プラグインを使用して指定できます。
関連情報
-
tuned.conf(5)
の man ページ