Red Hat Training
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第28章 perf circular バッファーを使用したパフォーマンスのボトルネックの監視
システムで実行されている特定のプロセスまたはアプリケーションの一部のパフォーマンスのボトルネックを監視するために、perf
ツールを使用してデータのイベント固有のスナップショットを取得する循環バッファーを作成できます。このような場合には、perf
は、指定されたイベントが検出されると、後で分析するために perf.data
ファイルにデータのみを書き込みます。
28.1. perf を使用した循環バッファーおよびイベント固有のスナップショット
perf
を使用してプロセスまたはアプリケーションでパフォーマンスの問題を調査する場合、特定の対象イベントが発生する前の数時間のデータを記録することは、簡単ではない、または適切ではない場合があります。このような場合は、perf record
を使用して、特定のイベントの後にスナップショットを取得するカスタムの循環バッファーを作成できます。
--overwrite
オプションを使用すると、perf record
は上書き可能な循環バッファーにすべてのデータを保存します。バッファーがいっぱいになると、perf record
が最も古いレコードを自動的に上書きするため、perf.data
ファイルに書き込まれることはありません。
--overwrite
および --switch-output-event
オプションを併用すると、--switch-output-event
トリガーイベントを検出するまで、データを継続的に記録およびダンプする循環バッファーが設定されます。トリガーイベントは、ユーザーが関心のある何かが発生したので、循環バッファー内のデータを perf.data
ファイルに書き込むように perf record
に通知します。これにより、関心のある特定のデータが収集されると同時に、perf.data
ファイルに不要なデータを書き込まないことで、実行中の perf
プロセスのオーバーヘッドが削減されます。