Red Hat Training
A Red Hat training course is available for RHEL 8
第35章 メモリーアクセスを最適化するためにオペレーティングシステムの設定
RHEL に含まれているツールを使用して、オペレーティングシステムを設定し、ワークロード全体でメモリーアクセスを最適化できます。
35.1. システムメモリーの問題を監視および診断するツール
以下のツールは、システムパフォーマンスを監視し、システムメモリーに関連するパフォーマンス問題を診断するために、Red Hat Enterprise Linux 8 で利用できます。
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procps-ng
パッケージが提供するvmstat
ツールは、システムのプロセス、メモリー、ページング、ブロック I/O、トラップ、ディスク、および CPU アクティビティーのレポートを表示します。これは、マシンが最後にオンされてから、または前回のレポート以降、これらのイベントの平均をインスタンス化するレポートを提供します。 valgrind
フレームワークは、ユーザー空間のバイナリーにインストルメンテーションを提供します。yum install valgrind
コマンドを使用して、このツールをインストールします。これには、以下のようなプログラムパフォーマンスのプロファイリングおよび分析に使用できるツールが多数含まれています。memcheck
オプションは、デフォルトのvalgrind
ツールです。これは、以下のような多くのメモリーエラーを検出し、報告することが困難となる可能性のあるメモリーエラーについて検出および報告します。- 発生すべきでないメモリーアクセス
- 未定義または初期化されていない値の使用
- 誤って解放されたヒープメモリー
- ポインターの重複
メモリーリーク
注記memcheck は、このエラーのみを報告でき、エラーを回避することはできません。ただし、
memcheck
は、エラーが発生した場合すぐにエラーメッセージを記録します。
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cachegrind
オプションは、システムのキャッシュ階層および分岐予測とのアプリケーションの対話をシミュレートします。アプリケーションの実行期間についての統計を収集し、コンソールにサマリーを出力します。 -
massif
オプションは、指定されたアプリケーションによって使用されるヒープ容量を測定します。便利な容量やブックキーピングと調整目的で割り当てられた容量を測定します。
関連情報
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man ページの
vmstat(8)
およびvalgrind(1)
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/usr/share/doc/valgrind-version/valgrind_manual.pdf
file