Red Hat Training
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33.3. ファイルシステムのマウントに利用可能なチューニングオプション
以下は、ほとんどのファイルシステムで利用可能なオプションで、デバイスのマウント時に指定できます。
Access Time
ファイルが読み込まれるたびに、ファイルのメタデータはアクセス時点で更新されます (
atime
)。この際、追加の書き込み I/O が行われます。ほとんどのファイルシステムのatime
のデフォルト設定はrelatime
です。ただし、このメタデータの更新に時間がかかる場合で正確なアクセス時間データが必要ない場合には、
noatime
マウントオプションを指定してファイルシステムをマウントしてください。この設定で、ファイルの読み取り時にメタデータへの更新が無効になります。また、nodiratime
動作も有効にし、ディレクトリーの読み取り時にメタデータへの更新を無効にします。
noatime mount
オプションを使用して atime
の更新を無効にすると、バックアッププログラムなどに依存するアプリケーションが破損する可能性があります。
read-ahead
Read-ahead
動作では、すぐに必要となる可能性の高いデータを事前にフェッチし、ページキャッシュ (ディスク上にある場合よりも早くデータを取得可能) に読み込むことでファイルのアクセス時間を短縮します。read-ahead 値が大きいほど、さらに事前にシステムのデータがフェッチされます。Red Hat Enterprise Linux は、ファイルシステムについて検出した内容に基づいて、適切な read-ahead 値の設定を試みます。ただし、正確な検出が常に可能であるとは限りません。たとえば、ストレージアレイが単一の LUN としてシステムに表示した場合に、システムはその単一の LUN を検出するので、アレイに適した read-ahead 値は設定されません。
連続 I/O を大量にストリーミングするワークロードは、read-ahead 値を高くすると効果がある場合が多いです。Red Hat Enterprise Linux で提供されるストレージ関連の tuned プロファイルは、LVM ストライプ化と同様に read-ahead 値を増やしますが、このような調整は、ワークロードすべてで常に十分であるというわけではありません。
関連情報
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mount(8)
、xfs(5)
、およびext4(5)
の man ページ