Red Hat Training
A Red Hat training course is available for RHEL 8
15.5. ロールバックのブートエントリーの作成
ロールバックのブートエントリーは、アップグレード前のシステムの環境で起動し、アップグレードが行われている部分を以前のシステムの状態にロールバックします。スナップショットのブートエントリーを使用して、アップグレードしたブートエントリーやロールバックのブートエントリーを確認後に、元の環境に戻すことができるようになりました。
ロールバックのブートエントリーは、アップグレードしたシステムまたはスナップショット環境から作成できます。
前提条件
- 新しい RHEL バージョンにアップグレードされている。詳細は、Boom で別のバージョンへのアップグレード を参照。
手順
スナップショットをマージします。
# lvconvert --merge rhel/root_snapshot_before_changes
マージされたスナップショットのロールバックブートエントリーを作成します。
boom-1.2
以降の場合:boom create --backup --title "RHEL Rollback" --rootlv rhel/root
boom-1.1
以前のバージョンの場合:boom create --title "RHEL Rollback" --rootlv rhel/root --linux /boot/vmlinuz$(uname r).bak --initrd /boot/initramfs$(uname -r).img.bak
オプション: ロールバック環境を起動し、システムの状態を復元します。
# reboot
システムが再起動したら、矢印キーを使用して RHEL Rollback ブートエントリーを選択し、Enter を押してこのエントリーを起動します。
root
論理ボリュームがアクティブになると、システムはスナップショットのマージ操作を自動的に開始します。注記マージ操作が開始されると、スナップショットボリュームは利用できなくなります。RHEL Rollback ブートエントリーが正常に起動すると、元の論理ボリュームにマージされるので、変更前のルート LV スナップショット のブートエントリーが機能しなくなりました。スナップショットの論理ボリュームをマージすると、スナップショットが破棄され、作成元のボリュームの状態が元の状態に戻ります。
必要に応じて、マージ操作が完了したら、未使用のエントリーを削除し、元のブートエントリーを復元します。
/boot
ファイルシステムから未使用の Red Hat Enterprise Linux 8 ブートエントリーを削除し、GRUB 設定を更新します。# rm -f /boot/el8 # grub2-mkconfig -o /boot/grub2/grub.cfg
元の Red Hat Enterprise Linux 7 ブートエントリーを復元します。
# new-kernel-pkg --update $(uname -r)
システムへのロールバックに成功したら、
boom
ブートエントリーを削除します。# boom list # boom delete boot-id
関連情報
-
man ページの
boom