Red Hat Training

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15.5. ロールバックのブートエントリーの作成

ロールバックのブートエントリーは、アップグレード前のシステムの環境で起動し、アップグレードが行われている部分を以前のシステムの状態にロールバックします。スナップショットのブートエントリーを使用して、アップグレードしたブートエントリーやロールバックのブートエントリーを確認後に、元の環境に戻すことができるようになりました。

ロールバックのブートエントリーは、アップグレードしたシステムまたはスナップショット環境から作成できます。

前提条件

手順

  1. スナップショットをマージします。

    # lvconvert --merge rhel/root_snapshot_before_changes
  2. マージされたスナップショットのロールバックブートエントリーを作成します。

    1. boom-1.2 以降の場合:

      boom create --backup --title "RHEL Rollback" --rootlv rhel/root
    2. boom-1.1 以前のバージョンの場合:

      boom create --title "RHEL Rollback" --rootlv rhel/root --linux /boot/vmlinuz$(uname r).bak --initrd /boot/initramfs$(uname -r).img.bak
  3. オプション: ロールバック環境を起動し、システムの状態を復元します。

    # reboot

    システムが再起動したら、矢印キーを使用して RHEL Rollback ブートエントリーを選択し、Enter を押してこのエントリーを起動します。

    root 論理ボリュームがアクティブになると、システムはスナップショットのマージ操作を自動的に開始します。

    注記

    マージ操作が開始されると、スナップショットボリュームは利用できなくなります。RHEL Rollback ブートエントリーが正常に起動すると、元の論理ボリュームにマージされるので、変更前のルート LV スナップショット のブートエントリーが機能しなくなりました。スナップショットの論理ボリュームをマージすると、スナップショットが破棄され、作成元のボリュームの状態が元の状態に戻ります。

  4. 必要に応じて、マージ操作が完了したら、未使用のエントリーを削除し、元のブートエントリーを復元します。

    1. /boot ファイルシステムから未使用の Red Hat Enterprise Linux 8 ブートエントリーを削除し、GRUB 設定を更新します。

      # rm -f /boot/el8
      # grub2-mkconfig -o /boot/grub2/grub.cfg
    2. 元の Red Hat Enterprise Linux 7 ブートエントリーを復元します。

      # new-kernel-pkg --update $(uname -r)
  5. システムへのロールバックに成功したら、boom ブートエントリーを削除します。

    # boom list
    # boom delete boot-id

関連情報

  • man ページの boom