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第1章 利用可能なストレージオプションの概要

RHEL 8 では、複数のローカル、リモート、およびクラスターベースのストレージオプションを利用できます。

ローカルストレージは、ストレージデバイスがシステムにインストールされているか、システムに直接接続されていることを意味します。

リモートストレージでは、LAN、インターネット、またはファイバーチャネルネットワークを介してデバイスにアクセスします。以下の Red Hat Enterprise Linux ストレージダイアグラムの概要では、さまざまなストレージオプションを説明します。

図1.1 Red Hat Enterprise Linux ストレージダイアグラム (概要)

RHEL ストレージダイアグラム (概要)

1.1. ローカルストレージの概要

Red Hat Enterprise Linux 8 は、ローカルストレージオプションを複数提供します。

基本的なディスク管理:

partedfdisk を使用して、ディスクパーティションの作成、変更、削除、および表示を行うことができます。パーティショニングレイアウトの標準は以下のようになります。

マスターブートレコード (MBR)
BIOS ベースのコンピューターで使用されます。プライマリーパーティション、拡張パーティション、および論理パーティションを作成できます。
GUID パーティションテーブル (GPT)
GUID (Globally Unique identifier) を使用し、一意のディスクおよびパーティション GUID を提供します。

パーティションを暗号化するには、LUKS (Linux Unified Key Setup-on-disk-format) を使用します。パーティションを暗号化する場合は、インストール時にオプションを選択し、パスフレーズを入力させるプロンプトを表示します。このパスフレーズにより、暗号化キーのロックが解除されます。

ストレージ使用オプション
NVDIMM (Non-Volatile Dual In-line Memory Modules) の管理
メモリーとストレージの組み合わせです。システムに接続した NVDIMM デバイスで、さまざまな種類のストレージを有効にして管理できます。
ブロックストレージ管理
各ブロックに固有の識別子を持つブロックの形式でデータを保存します。
ファイルストレージ
データは、ローカルシステムのファイルレベルに保存されます。これらのデータは、XFS (デフォルト) または ext4 を使用してローカルでアクセスしたり、NFS と SMB を使用してネットワーク上でアクセスできます。
論理ボリューム
論理ボリュームマネージャー (LVM)

物理デバイスから論理デバイスを作成します。論理ボリューム (LV) は、物理ボリューム (PV) とボリュームグループ (VG) の組み合わせです。LVM の設定には以下が含まれます。

  • ハードドライブから PV の作成
  • 物理ボリュームからボリュームグループの作成
  • ボリュームグループから論理ボリュームを作成すると、マウントポイントが論理ボリュームに割り当てられます。
VDO (Virtual Data Optimizer)

重複排除、圧縮、およびシンプロビジョニングを使用して、データの削減に使用されます。VDO の下で論理ボリュームを使用すると、次のことができます。

  • VDO ボリュームの拡張
  • 複数のデバイスにまたがる VDO ボリューム
ローカルファイルシステム
XFS
デフォルトの RHEL ファイルシステム。
Ext4
レガシーファイルシステム。
Stratis
テクノロジープレビューとして利用可能になりました。Stratis は、高度なストレージ機能に対応する、ユーザーとカーネルのハイブリッドローカルストレージ管理システムです。