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第14章 kdump のインストール
Red Hat Enterprise Linux の新規インストールでは、デフォルトで kdump
サービスがインストールされ有効になっています。kdump
について、およびデフォルトで有効になっていない場合に kdump
をインストールする方法を説明します。
14.1. kdump とは
kdump
は、クラッシュダンプのメカニズムを提供するサービスです。このサービスでは、分析用にシステムメモリーの内容を保存できます。kdump
は kexec
システムコールを使用し、再起動することなく 2 番目のカーネル (キャプチャーカーネル) で起動し、クラッシュしたカーネルメモリー (クラッシュダンプ またはvmcore) の内容をキャプチャーして、ファイルへ保存します。この第 2 のカーネルは、システムメモリーの予約部分に収納されています。
カーネルクラッシュダンプは、システム障害 (重大なバグ) 時に利用できる唯一の情報になります。したがって、ミッションクリティカルな環境では、kdump
を稼働させることが重要です。Red Hat は、システム管理者が通常のカーネル更新サイクルで kexec-tools
を定期的に更新してテストすることを推奨します。これは、新しいカーネル機能が実装されている場合に特に重要です。
kdump
は、マシンにインストールされているすべてのカーネルに対して、または指定したカーネルに対してのみ有効にできます。これは、マシンで複数のカーネルが使用されており、その一部が安定しており、クラッシュの心配がない場合に役立ちます。
kdump
をインストールすると、デフォルトの /etc/kdump.conf
が作成されます。このファイルには、デフォルトの最小限の kdump
設定が含まれます。このファイルを編集して、kdump
設定をカスタマイズできますが、必須ではありません。