Red Hat Training
A Red Hat training course is available for RHEL 8
第5章 ランタイム時のカーネルパラメーターの設定
システム管理者は、ランタイム時に Red Hat Enterprise Linux カーネルの動作を多数変更できます。sysctl
コマンドを使用し、/etc/sysctl.d/
および /proc/sys/
ディレクトリー内の設定ファイルを変更して、実行時にカーネルパラメーターを設定します。
5.1. カーネルパラメーターとは
カーネルパラメーターは、システムの実行中に調整できる調整可能な値です。変更を有効にする場合でも、カーネルの再起動や再コンパイルは不要です。
以下を使用してカーネルパラメーターに対応できます。
-
sysctl
コマンド -
/proc/sys/
ディレクトリーにマウントされている仮想ファイルシステム -
/etc/sysctl.d/
ディレクトリー内の設定ファイル
調整可能パラメーターは、カーネルサブシステムでクラスに分割されます。Red Hat Enterprise Linux には、以下の調整可能のクラスがあります。
表5.1 sysctl クラスの表
調整パラメーターのクラス | サブシステム |
---|---|
abi | 実行ドメインおよびパーソナリティー |
crypto | 暗号化インターフェイス |
debug | カーネルのデバッグインターフェイス |
dev | デバイス固有の情報 |
fs | グローバルおよび固有の調整可能なファイルシステム |
kernel | グローバルなカーネルの設定項目 |
net | ネットワークの設定項目 |
sunrpc | Sun Remote Procedure Call (NFS) |
user | ユーザー名前空間の制限 |
vm | メモリー、バッファー、およびキャッシュのチューニングと管理 |
プロダクションシステムでカーネルパラメーターを設定するには、慎重なプランニングが必要です。プランニングが欠如した変更では、カーネルが不安定になり、システムの再起動が必要とることがあります。カーネル値を変更する前に、有効なオプションを使用していることを確認してください。
関連情報
-
sysctl(8)
およびsysctl.d(5)
の man ページ