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第6章 NFS のセキュア化
サーバーで NFS ファイルシステムをエクスポートする場合や、クライアントにマウントする際に、NFS セキュリティーリスクを最小限に抑え、サーバーのデータを保護するには、以下のセクションを検討してください。
6.1. AUTH_SYS とエクスポート制御による NFS 保護
NFS は、エクスポートしたファイルへのアクセスを制御するために、以下の従来のオプションを提供します。
- サーバーは、IP アドレスまたはホスト名を使用して、どのホストにどのファイルシステムのマウントを許可するかをサーバー側で制限します。
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サーバーは、ローカルユーザーの場合と同じ方法で、NFS クライアントのユーザーに対してファイルシステムの権限を強制します。従来は、NFS は
AUTH_SYS
コールメッセージ (AUTH_UNIX
とも呼ばれます) を使用してこれを実行していました。このメッセージは、クライアントが、ユーザーの UID と GID を提示します。これは、悪意のあるクライアントや誤って設定されたクライアントが簡単にこの間違いを招き、ユーザーがアクセスすべきではないファイルにアクセスできる可能性があることを意味します。
潜在的なリスクを制限するため、多くの場合、管理者は、共通のユーザー ID およびグループ ID に対して、ユーザー権限を読み取り専用にするか、権限を下げてアクセスを制限します。ただし、このソリューションにより、NFS 共有が元々想定されている方法では使用されなくなります。
さらに、攻撃者が、NFS ファイルシステムをエクスポートするシステムが使用する DNS サーバーを制御できた場合は、特定のホスト名または完全修飾ドメイン名に関連付けられたシステムを、承認されていないマシンに指定できます。これで、認証されていないマシンは、NFS 共有のマウントを許可するシステムになります。これは、ユーザー名やパスワードの情報が交換されず、NFS マウントに追加のセキュリティーが提供されるためです。
NFS 経由でディレクトリーのエクスポートを行う際にワイルドカードを使用する場合は慎重に行ってください。ワイルドカードの対象が予定よりも広い範囲のシステムを対象とする可能性があります。
関連情報
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NFS および
rpcbind
のセキュリティーを保護するには、nftables
、firewalld
などを使用します。 -
nft(8)
man ページ -
firewalld-cmd(1)
man ページ