第18章 ext3 ファイルシステムの使用
システム管理者は、ext3 ファイルシステムの作成、マウント、サイズ変更、バックアップ、および復元が可能です。ext3 ファイルシステムは、基本的に、ext2 ファイルシステムが拡張されたバージョンです。
18.1. ext3 ファイルシステムの機能
ext3 ファイルシステムの機能は以下のとおりです。
可用性 - 予期しない電源障害やシステムクラッシュの後、ジャーナリングが提供されているため、ファイルシステムを確認する必要はありません。デフォルトのジャーナルサイズは、ハードウェアの速度に応じて、復旧するのに約 1 秒かかります
注記ext3 で対応しているジャーナリングモードは
data=ordered
(デフォルト) のみです。詳細は、「EXT ジャーナリングオプション "data=writeback" は RHEL でサポートされますか?」を参照してください。ナレッジベース記事。- データの整合性 - ext3ファイルシステムは、予期しない電源障害やシステムクラッシュが発生したときに、データの整合性が失われないようにします。
- 速度 - 一部のデータを複数回書き込みますが、ext3 のジャーナリングにより、ハードドライブのヘッドモーションが最適化されるため、ほとんどの場合、ext3 のスループットは ext2 よりも高くなります。
- 簡単な移行 - ext2 から ext3 に簡単に移行でき、再フォーマットをせずに、堅牢なジャーナリングファイルシステムの恩恵を受けることができます。
関連情報
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man ページの
ext3
18.2. ext3 ファイルシステムの作成
システム管理者は、mkfs.ext3
コマンドを使用して、ブロックデバイスに ext3 ファイルシステムを作成できます。
前提条件
ディスクにパーティションがある。MBR パーティションまたは GPT パーティションの作成方法は、「ディスクへのパーティションテーブルの作成」を参照してください。
もしくは、LVM ボリュームまたは MD ボリュームを使用します。
手順
ext3 ファイルシステムを作成する場合は、以下の手順を実行します。
デバイスが通常のパーティションの場合、LVM ボリューム、MD ボリューム、または類似デバイスは次のコマンドを使用します。
# mkfs.ext3 /dev/block_device
/dev/block_device を、ブロックデバイスへのパスに置き換えます。
たとえば、
/dev/sdb1
、/dev/disk/by-uuid/05e99ec8-def1-4a5e-8a9d-5945339ceb2a
、または/dev/my-volgroup/my-lv
です。一般的な用途では、デフォルトのオプションが最適です。
注記ファイルシステムの作成時に UUID を指定する場合は、次のコマンドを実行します。
# mkfs.ext3 -U UUID /dev/block_device
UUID を、設定する UUID (例:
7cd65de3-e0be-41d9-b66d-96d749c02da7
) に置き換えます。/dev/block_device を、ext3 ファイルシステムへのパス (例:
/dev/sda8
) に置き換え、UUID を追加します。ファイルシステムの作成時にラベルを指定するには、以下のコマンドを実行します。
# mkfs.ext3 -L label-name /dev/block_device
作成した ext3 ファイルシステムを表示する場合は、以下のコマンドを実行します。
# blkid
関連情報
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man ページの
ext3
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man ページの
mkfs.ext3
18.3. Ext3 ファイルシステムのマウント
システム管理者は、mount
ユーティリティーを使用して、ext3 ファイルシステムをマウントできます。
前提条件
- ext3 ファイルシステム。ext3 ファイルシステムの作成方法は、「ext3 ファイルシステムの作成」を参照してください。
手順
ファイルシステムをマウントするためのマウントポイントを作成するには、以下のコマンドを実行します。
# mkdir /mount/point
/mount/point を、パーティションのマウントポイントを作成するディレクトリー名に置き換えます。
ext3 ファイルシステムをマウントするには、以下の手順を実行します。
ext3 ファイルシステムを追加のオプションなしでマウントするには、以下のコマンドを実行します。
# mount /dev/block_device /mount/point
- ファイルシステムを永続的にマウントする場合は、「ファイルシステムの永続的なマウント」を参照してください。
マウントされたファイルシステムを表示するには、次のコマンドを実行します。
# df -h
関連情報
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man ページの
mount
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man ページの
ext3
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man ページの
fstab
- 14章ファイルシステムのマウント
18.4. ext3 ファイルシステムのサイズ変更
システム管理者は、resize2fs
ユーティリティーを使用して、ext3 ファイルシステムのサイズを変更できます。resize2fs
ユーティリティーは、特定の単位を示すサフィックスが使用されていない限り、ファイルシステムのブロックサイズの単位でサイズを読み取ります。以下のサフィックスは、特定の単位を示しています。
-
s (セクター) -
512
バイトのセクター -
K (キロバイト) -
1,024
バイト -
M (メガバイト) -
1,048,576
バイト -
G (ギガバイト) -
1,073,741,824
バイト -
T (テラバイト) -
1,099,511,627,776
バイト
前提条件
- ext3 ファイルシステム。ext3 ファイルシステムの作成方法は、「ext3 ファイルシステムの作成」を参照してください。
- サイズ変更後にファイルシステムを保持するための、適切なサイズの基本ブロックデバイス
手順
ext3 ファイルシステムのサイズを変更する場合は、以下の手順に従ってください。
アンマウントされている ext3 ファイルシステムのサイズを縮小および拡張するには、以下のコマンドを実行します。
# umount /dev/block_device # e2fsck -f /dev/block_device # resize2fs /dev/block_device size
/dev/block_device を、ブロックデバイスへのパス (例:
/dev/sdb1
) に置き換えます。size を、
s
、K
、M
、G
、およびT
のサフィックスを使用して必要なサイズ変更値に置き換えます。ext3 ファイルシステムは、
resize2fs
コマンドを使用して、マウントしたままの状態でサイズを大きくすることができます。# resize2fs /mount/device size
注記拡張時のサイズパラメーターは任意です (多くの場合は必要ありません)。
resize2fs
は、コンテナーの使用可能な領域 (通常は論理ボリュームまたはパーティション) を埋めるように、自動的に拡張します。
サイズを変更したファイルシステムを表示するには、次のコマンドを実行します。
# df -h
関連情報
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man ページの
resize2fs
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man ページの
e2fsck
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man ページの
ext3
18.5. RHEL システムロールを使用した ext3 ファイルシステムの作成およびマウント
本セクションでは、ディスクで指定したラベルが付いた ext3 ファイルシステムを作成し、storage
ロールを使用してファイルシステムを永続的にマウントする方法を説明します。
前提条件
-
storage
ロールを含む Ansible Playbook がある。
このような Playbook を適用する方法は、「ロールの適用」を参照してください。
18.5.1. ext3 ファイルシステムを作成してマウントする Ansible Playbook の例
本セクションでは、Ansible Playbook の例を紹介します。この Playbook は、storage
ロールを適用して、Ext3 ファイルシステムを作成してマウントします。
例18.1 /dev/sdb に Ext3 を作成し、/mnt/data にマウントする Playbook
--- - hosts: all vars: storage_volumes: - name: barefs type: disk disks: - sdb fs_type: ext3 fs_label: label-name mount_point: /mnt/data roles: - rhel-system-roles.storage
-
Playbook は、
/dev/sdb
ディスクにファイルシステムを作成します。 -
Playbook は、
/mnt/data
ディレクトリーにファイルシステムを永続的にマウントします。 -
ファイルシステムのラベルは
label-name
です。
関連情報
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storage
システムロールで使用されるパラメーターの詳細は、/usr/share/ansible/roles/rhel-system-roles.storage/README.md
ファイルを参照してください。
18.5.2. 関連情報
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storage
ロールの詳細は、「ストレージロールの概要」を参照してください。
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