14.9. オンデマンドでのファイルシステムのマウント

システム管理者は、NFS などのファイルシステムをオンデマンドで自動的にマウントするように設定できます。

14.9.1. autofs サービス

本セクションでは、ファイルシステムをオンデマンドでマウントするのに使用する autofs サービスの利点と基本概念を説明します。

/etc/fstab 設定を使用した永続的なマウントの欠点の 1 つは、マウントされたファイルシステムにユーザーがアクセスする頻度に関わらず、マウントされたファイルシステムを所定の場所で維持するために、システムがリソースを割り当てる必要があることです。これは、システムが一度に多数のシステムへの NFS マウントを維持している場合などに、システムのパフォーマンスに影響を与える可能性があります。

/etc/fstab に代わるのは、カーネルベースの autofs サービスの使用です。これは以下のコンポーネントで構成されています。

  • ファイルシステムを実装するカーネルモジュール
  • 他のすべての機能を実行するユーザー空間サービス

autofs サービスは、ファイルシステムの自動マウントおよび自動アンマウントが可能なため (オンデマンド)、システムのリソースを節約できます。このサービスは、NFS、AFS、SMBFS、CIFS、およびローカルなどのファイルシステムをマウントする場合にも使用できます。

関連情報

  • man ページの autofs(8)

14.9.2. autofs 設定ファイル

本セクションでは、autofs サービスで使用される設定ファイルの使用方法と構文を説明します。

マスターマップファイル

autofs サービスは、デフォルトの主要設定ファイルとして、/etc/auto.master (マスターマップ) を使用します。これは、/etc/autofs.conf 設定ファイルの autofs 設定を Name Service Switch (NSS) メカニズムとともに使用することで、対応している別のネットワークソースと名前を使用するように変更できます。

すべてのオンデマンドマウントポイントはマスターマップで設定する必要があります。マウントポイント、ホスト名、エクスポートされたディレクトリー、オプションはすべて、ホストごとに手動で設定するのではなく、一連のファイル (またはサポートされているその他のネットワークソース) で指定できます。

マスターマップファイルには、autofs により制御されるマウントポイントと、それに対応する設定ファイルまたは自動マウントマップと呼ばれるネットワークソースが一覧表示されます。マスターマップの形式は次のとおりです。

mount-point  map-name  options

この形式で使用されている変数を以下に示します。

mount-point
autofs マウントポイント (例: /mnt/data/) です。
map-file
マウントポイントの一覧と、マウントポイントがマウントされるファイルシステムの場所が記載されているマップソースファイルです。
options
指定した場合に、エントリーにオプションが指定されていなければ、指定されたマップ内のすべてのエントリーに適用されます。

例14.12 /etc/auto.master ファイル

以下は /etc/auto.master ファイルのサンプル行です。

/mnt/data  /etc/auto.data
マップファイル

マップファイルは、個々のオンデマンドマウントポイントのプロパティを設定します。

ディレクトリーが存在しない場合、自動マウント機能はディレクトリーを作成します。ディレクトリーが存在している状況で自動マウント機能が起動した場合は、自動マウント機能の終了時にディレクトリーが削除されることはありません。タイムアウトを指定した場合は、タイムアウト期間中ディレクトリーにアクセスしないと、ディレクトリーが自動的にアンマウントされます。

マップの一般的な形式は、マスターマップに似ています。ただし、マスターマップでは、オプションフィールドはエントリーの末尾ではなく、マウントポイントと場所の間に表示されます。

mount-point  options  location

この形式で使用されている変数を以下に示します。

mount-point
これは、autofs のマウントポイントを参照しています。これは 1 つのインダイレクトマウント用の 1 つのディレクトリー名にすることも、複数のダイレクトマウント用のマウントポイントの完全パスにすることもできます。ダイレクトマップとインダイレクトマップの各エントリーキー (mount-point) の後に空白で区切られたオフセットディレクトリー (/ で始まるサブディレクトリー名) が記載されます。これがマルチマウントエントリーと呼ばれるものです。
options
オプションを指定すると、これはそのマップエントリー用のマウントオプションになります。エントリー自体にはオプション指定を行いません。このフィールドは任意です。
location
ローカルファイルシステムのパス (Sun マップ形式のエスケープ文字 : が先頭に付き、マップ名が / で始まります)、NFS ファイルシステム、他の有効なファイルシステムの場所などのファイルシステムの場所を参照します。

例14.13 マップファイル

以下は、マップファイルのサンプルです (例: /etc/auto.misc)。

payroll  -fstype=nfs4  personnel:/dev/disk/by-uuid/52b94495-e106-4f29-b868-fe6f6c2789b1
sales    -fstype=xfs   :/dev/disk/by-uuid/5564ed00-6aac-4406-bfb4-c59bf5de48b5

マップファイルの最初の列は、autofs マウントポイント (personnel サーバーからの salespayroll) を示しています。2 列目は、autofs マウントのオプションを示しています。3 列目はマウントのソースを示しています。

任意の設定に基づき、autofs マウントポイントは、/home/payroll/home/sales になります。-fstype= オプションは省略されることが多く、通常は正しい操作には必要ありません。

与えられた設定を使用して、プロセスが /home/payroll/2006/July.sxc などのアンマウントされたディレクトリー autofs へのアクセスを要求すると、autofs サービスは自動的にディレクトリーをマウントします。

amd マップ形式

autofs サービスは、amd 形式のマップ設定も認識します。これは Red Hat Enterprise Linux から削除された、am-utils サービス用に書き込まれた既存の自動マウント機能の設定を再利用する場合に便利です。

ただし、Red Hat は、前述のセクションで説明した簡単な autofs 形式の使用を推奨しています。

関連情報

  • man ページの autofs(5)autofs.conf(5)、および auto.master(5)
  • amd マップ形式の詳細は、autofs パッケージで提供されている /usr/share/doc/autofs/README.amd-maps ファイルを参照してください。

14.9.3. autofs マウントポイントの設定

この手順では、autofs サービスを使用してオンデマンドマウントポイントを設定する方法を説明します。

前提条件

  • autofs パッケージをインストールしている。

    # yum install autofs
  • autofs サービスを起動して有効にしている。

    # systemctl enable --now autofs

手順

  1. /etc/auto.identifier にあるオンデマンドマウントポイント用のマップファイルを作成します。identifier を、マウントポイントを識別する名前に置き換えます。
  2. マップファイルで、「autofs 設定ファイル」の説明に従って、マウントポイント、オプション、および場所の各フィールドを入力します。
  3. マスターマップファイルで、「autofs 設定ファイル」 の説明に従って、マップファイルを登録します。
  4. オンデマンドディレクトリーのコンテンツへのアクセスを試みます。

    $ ls automounted-directory

14.9.4. autofs サービスを使用した NFS サーバーユーザーのホームディレクトリーの自動マウント

この手順では、ユーザーのホームディレクトリーを自動的にマウントするように autofs サービスを設定する方法を説明します。

前提条件

  • autofs パッケージがインストールされている。
  • autofs サービスが有効で、実行している。

手順

  1. ユーザーのホームディレクトリーをマウントする必要があるサーバーの /etc/auto.master ファイルを編集して、マップファイルのマウントポイントと場所を指定します。これを行うには、以下の行を /etc/auto.master ファイルに追加します。

    /home /etc/auto.home
  2. ユーザーのホームディレクトリーをマウントする必要があるサーバー上で、/etc/auto.home という名前のマップファイルを作成し、以下のパラメーターでファイルを編集します。

    * -fstype=nfs,rw,sync host.example.com:/home/&i

    fstype パラメーターはデフォルトで nfs であるため、このパラメーターは飛ばして次に進むことができます。詳細は、man ページの autofs(5) を参照してください。

  3. autofs サービスを再読み込みします。

    # systemctl reload autofs

14.9.5. autofs サイトの設定ファイルの上書き/拡張

クライアントシステムの特定のマウントポイントで、サイトのデフォルトを上書きすることが役に立つ場合があります。

例14.14 初期条件

たとえば、次の条件を検討します。

  • 自動マウント機能のマップが NIS に格納され、/etc/nsswitch.conf ファイルに次のようなディレクティブがある。

    automount:    files nis
  • auto.master ファイルに以下を含む。

    +auto.master
  • NIS の auto.master マップファイルに以下を含む。

    /home auto.home
  • NIS の auto.home マップには以下が含まれている。

    beth    fileserver.example.com:/export/home/beth
    joe     fileserver.example.com:/export/home/joe
    *       fileserver.example.com:/export/home/&
  • /etc/auto.home ファイルマップが存在しない。

例14.15 別のサーバーからのホームディレクトリーのマウント

上記の条件で、クライアントシステムが NIS マップの auto.home を上書きして、別のサーバーからホームディレクトリーをマウントする必要があるとします。

  • この場合、クライアントは次の /etc/auto.master マップを使用する必要があります。

    /home ­/etc/auto.home
    +auto.master
  • /etc/auto.home マップにエントリーが含まれています。

    *    host.example.com:/export/home/&

自動マウント機能は最初に出現したマウントポイントのみを処理するため、/home ディレクトリーには NIS auto.home マップではなく、/etc/auto.home の内容が含まれます。

例14.16 選択されたエントリーのみを使用した auto.home の拡張

別の方法として、サイト全体の auto.home マップを少しのエントリーを使用して拡張するには、次の手順を行います。

  1. /etc/auto.home ファイルマップを作成し、そこに新しいエントリーを追加します。最後に、NIS の auto.home マップを含めます。これにより、/etc/auto.home ファイルマップは次のようになります。

    mydir someserver:/export/mydir
    +auto.home
  2. この NIS の auto.home マップ条件で、/home ディレクトリーの出力内容を一覧表示すると次のようになります。

    $ ls /home
    
    beth joe mydir

autofs は、読み取り中のファイルマップと同じ名前のファイルマップの内容を組み込まないため、上記の例は期待どおりに動作します。このように、autofs は、nsswitch 設定内の次のマップソースに移動します。

14.9.6. LDAP で自動マウント機能マップの格納

この手順では、autofs マップファイルではなく、LDAP 設定で自動マウント機能マップを格納するように autofs を設定します。

前提条件

  • LDAP から自動マウント機能マップを取得するように設定されているすべてのシステムに、LDAP クライアントライブラリーをインストールする必要があります。Red Hat Enterprise Linux では、openldap パッケージは、autofs パッケージの依存関係として自動的にインストールされます。

手順

  1. LDAP アクセスを設定するには、/etc/openldap/ldap.conf ファイルを変更します。BASEURIschema の各オプションがサイトに適切に設定されていることを確認します。
  2. 自動マウント機能マップを LDAP に格納するために既定された最新のスキーマが、rfc2307bis ドラフトに記載されています。このスキーマを使用する場合は、スキーマの定義のコメント文字を取り除き、/etc/autofs.conf 設定ファイル内に設定する必要があります。以下に例を示します。

    例14.17 autofs の設定

    DEFAULT_MAP_OBJECT_CLASS="automountMap"
    DEFAULT_ENTRY_OBJECT_CLASS="automount"
    DEFAULT_MAP_ATTRIBUTE="automountMapName"
    DEFAULT_ENTRY_ATTRIBUTE="automountKey"
    DEFAULT_VALUE_ATTRIBUTE="automountInformation"
  3. 他のすべてのスキーマエントリーが設定内でコメントされていることを確認してください。automountKey 属性は、rfc2307bis スキーマの cn 属性を置き換えます。以下は、LDAP データ交換形式 (LDIF) 設定の例です。

    例14.18 LDF の設定

    # extended LDIF
    #
    # LDAPv3
    # base <> with scope subtree
    # filter: (&(objectclass=automountMap)(automountMapName=auto.master))
    # requesting: ALL
    #
    
    # auto.master, example.com
    dn: automountMapName=auto.master,dc=example,dc=com
    objectClass: top
    objectClass: automountMap
    automountMapName: auto.master
    
    # extended LDIF
    #
    # LDAPv3
    # base <automountMapName=auto.master,dc=example,dc=com> with scope subtree
    # filter: (objectclass=automount)
    # requesting: ALL
    #
    
    # /home, auto.master, example.com
    dn: automountMapName=auto.master,dc=example,dc=com
    objectClass: automount
    cn: /home
    
    automountKey: /home
    automountInformation: auto.home
    
    # extended LDIF
    #
    # LDAPv3
    # base <> with scope subtree
    # filter: (&(objectclass=automountMap)(automountMapName=auto.home))
    # requesting: ALL
    #
    
    # auto.home, example.com
    dn: automountMapName=auto.home,dc=example,dc=com
    objectClass: automountMap
    automountMapName: auto.home
    
    # extended LDIF
    #
    # LDAPv3
    # base <automountMapName=auto.home,dc=example,dc=com> with scope subtree
    # filter: (objectclass=automount)
    # requesting: ALL
    #
    
    # foo, auto.home, example.com
    dn: automountKey=foo,automountMapName=auto.home,dc=example,dc=com
    objectClass: automount
    automountKey: foo
    automountInformation: filer.example.com:/export/foo
    
    # /, auto.home, example.com
    dn: automountKey=/,automountMapName=auto.home,dc=example,dc=com
    objectClass: automount
    automountKey: /
    automountInformation: filer.example.com:/export/&

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