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第22章 クォータを使用した XFS でのストレージ領域の使用の制限

ディスククォータを実装して、ユーザーまたはグループに利用可能なディスク領域のサイズを制限できます。ユーザーがディスク領域を過剰に消費したり、パーティションが満杯になる前に、システム管理者に通知を出す警告レベルを定義することもできます。

XFS クォータサブシステムは、ディスク領域 (ブロック) およびファイル (inode) の使用量の制限を管理します。XFS クォータは、ユーザー、グループ、ディレクトリーレベル、またはプロジェクトレベルでこれらの項目の使用を制御または報告します。グループおよびプロジェクトのクォータは、古いデフォルト以外の XFS ディスクフォーマットでのみ相互に排他的です。

ディレクトリーまたはプロジェクトごとに管理する場合、XFS は特定のプロジェクトに関連付けられたディレクトリー階層のディスク使用量を管理します。

22.1. ディスククォータ

ほとんどのコンピューティング環境では、ディスク領域は無限ではありません。クォータサブシステムは、ディスク領域の使用量を制御するメカニズムを提供します。

ディスククォータは、ローカルファイルシステムの個々のユーザーおよびユーザーグループに設定できます。これにより、ユーザー固有のファイル (電子メールなど) に割り当てられる領域を、ユーザーが作業するプロジェクトに割り当てられた領域とは別に管理できます。クォータサブシステムは、割り当てられた制限を超えるとユーザーに警告しますが、現在の作業に追加領域を許可します (ハード制限/ソフト制限)。

クォータが実装されている場合は、クォータを超過しているかどうかを確認して、クォータが正しいことを確認する必要があります。ユーザーが繰り返しクォータを超過するか、常にソフト制限に達している場合、システム管理者は、ユーザーが使用するディスク領域を減らすか、ユーザーのディスククォータを増やす方法を決定するのを助けることができます。

クォータは、以下を制御するように設定できます。

  • 消費されるディスクブロックの数。
  • UNIX ファイルシステムのファイルに関する情報を含むデータ構造である inode の数。inode はファイル関連の情報を保存するため、作成可能なファイルの数を制御できます。