第11章 XFS の使用

これは、XFS ファイルシステムを作成および維持する方法の概要です。

11.1. XFS ファイルシステム

XFSは、拡張性が高く、高性能で堅牢な、成熟した 64 ビットのジャーナリングファイルシステムで、1 台のホストで非常に大きなファイルおよびファイルシステムに対応します。これは、Red Hat Enterprise Linux 8 のデフォルトのファイルシステムです。XFS は、元々 1990 年代の前半に SGI により開発され、極めて大規模なサーバーおよびストレージアレイで実行されてきた長い歴史があります。

XFS の機能は次のとおりです。

信頼性
  • メタデータジャーナリング - システムの再起動時、およびファイルシステムの再マウント時に再生できるファイルシステム操作の記録を保持することで、システムクラッシュ後のファイルシステムの整合性を確保します。
  • 広範囲に及ぶランタイムメタデータの整合性チェック
  • 拡張性が高く、高速な修復ユーティリティー
  • クォータジャーナリングクラッシュ後に行なわれる、時間がかかるクォータの整合性チェックが不要になります。
スケーラビリティーおよびパフォーマンス
  • 対応するファイルシステムのサイズが最大 1024 TiB
  • 多数の同時操作に対応する機能
  • 空き領域管理のスケーラビリティーに関する B-Tree インデックス
  • 高度なメタデータ先読みアルゴリズム
  • ストリーミングビデオのワークロードの最適化
割り当てスキーム
  • エクステント (領域) ベースの割り当て
  • ストライプを認識できる割り当てポリシー
  • 遅延割り当て
  • 領域の事前割り当て
  • 動的に割り当てられる inode
その他の機能
  • Reflink ベースのファイルのコピー (Red Hat Enterprise Linux 8 の新機能)
  • 密接に統合されたバックアップおよび復元のユーティリティー
  • オンラインのデフラグ
  • オンラインのファイルシステム拡張
  • 包括的な診断機能
  • 拡張属性 (xattr)。これにより、システムが、ファイルごとに、名前と値の組み合わせを追加で関連付けられるようになります。
  • プロジェクトまたはディレクトリーのクォータ。ディレクトリーツリー全体にクォータ制限を適用できます。
  • サブセカンド (一秒未満) のタイムスタンプ

パフォーマンスの特徴

XFS は、エンタープライズレベルのワークロードがある大規模なシステムで優れたパフォーマンスを発揮します。大規模なシステムとは、相対的に CPU 数が多く、さらには複数の HBA、および外部ディスクアレイへの接続を備えたシステムです。XFS は、マルチスレッドの並列 I/O ワークロードを備えた小規模のシステムでも適切に実行します。

XFS は、シングルスレッドで、メタデータ集約型のワークロードのパフォーマンスが比較的低くなります。たとえば、シングルスレッドで小さなファイルを多数作成し、削除するワークロードがこれに当てはまります。

11.2. XFS ファイルシステムの作成

システム管理者は、ブロックデバイスに XFS ファイルシステムを作成して、ファイルやディレクトリーを格納できます。

11.2.1. mkfs.xfs で XFS ファイルシステムの作成

この手順では、ブロックデバイスに XFS ファイルシステムを作成する方法を説明します。

手順

  1. ファイルシステムを作成する場合は、以下の手順を実行します。

    • デバイスが通常のパーティション、LVM ボリューム、MD ボリューム、ディスク、または類似デバイスである場合は、次のコマンドを使用します。

      # mkfs.xfs block-device
      • block-device を、ブロックデバイスへのパスに置き換えます。たとえば、/dev/sdb1/dev/disk/by-uuid/05e99ec8-def1-4a5e-8a9d-5945339ceb2a、または /dev/my-volgroup/my-lv です。
      • 通常、デフォルトのオプションは、一般的な使用に最適なものです。
      • 既存のファイルシステムを含むブロックデバイスで mkfs.xfs を使用する場合は、そのファイルシステムを上書きする -f オプションを追加してください。
    • ハードウェア RAID デバイスにファイルシステムを作成する場合は、システムがデバイスのストライプジオメトリーを正しく検出しているかどうかを確認します。

      • ストライプジオメトリー情報が正しい場合は、追加のオプションが必要ありません。ファイルシステムを作成します。

        # mkfs.xfs block-device
      • 情報が正しくない場合は、-d オプションの su パラメーターおよび sw パラメーターを使用して、ストライプジオメトリーを手動で指定します。su パラメーターは RAID チャンクサイズを指定し、sw パラメーターは RAID デバイス内のデータディスクの数を指定します。

        以下に例を示します。

        # mkfs.xfs -d su=64k,sw=4 /dev/sda3
  2. 次のコマンドを使用して、システムが新しいデバイスノードを登録するまで待機します。

    # udevadm settle

関連情報

  • man ページの mkfs.xfs(8)

11.2.2. RHEL システムロールを使用してブロックデバイスに XFS ファイルシステムの作成

本セクションでは、storage ロールを使用して、複数のターゲットマシンのブロックデバイスに XFS ファイルシステムを作成する方法を説明します。

前提条件

  • storage ロールを使用する Ansible Playbook がある。

    このような Playbook を適用する方法は、「ロールの適用」を参照してください。

11.2.2.1. ブロックデバイスに XFS ファイルシステムを作成する Ansible Playbook の例

本セクションでは、Ansible Playbook の例を紹介します。この Playbook では、storage ロールを適用し、デフォルトパラメーターを使用してブロックデバイスに XFS ファイルシステムを作成します。

警告

storage ロールは、パーティションが分割されていないディスク全体または論理ボリューム (LV) でのみファイルシステムを作成できます。パーティションにファイルシステムを作成することはできません。

例11.1 /dev/sdb に XFS を作成する Playbook

---
- hosts: all
  vars:
    storage_volumes:
      - name: barefs
        type: disk
        disks:
          - sdb
        fs_type: xfs
  roles:
    - rhel-system-roles.storage
  • 現在、ボリューム名 (この例では barefs) は任意です。storage ロールは、disks: 属性に一覧表示されているディスクデバイスでボリュームを特定します。
  • XFS は RHEL 8 のデフォルトファイルシステムであるため、fs_type: xfs 行を省略することができます。
  • 論理ボリュームにファイルシステムを作成するには、エンクロージングボリュームグループを含む disks: 属性の下に LVM 設定を指定します。詳細は、「論理ボリュームを管理する Ansible Playbook の例」を参照してください。

    LV デバイスへのパスを指定しないでください。

関連情報

  • storage システムロールで使用されるパラメーターの詳細は、/usr/share/ansible/roles/rhel-system-roles.storage/README.md ファイルを参照してください。

11.2.2.2. 関連情報

11.3. XFS ファイルシステムのバックアップ

システム管理者は、xfsdump を使用して XFS ファイルシステムをファイルまたはテープにバックアップできます。これは、簡単なバックアップメカニズムを提供します。

11.3.1. XFS バックアップの機能

本セクションでは、xfsdump ユーティリティーを使用して XFS ファイルシステムをバックアップする場合の主な概念と機能を説明します。

xfsdump ユーティリティーを使用すると次のことができます。

  • 通常のファイルイメージへのバックアップ

    通常のファイルに書き込むことができるバックアップは 1 つだけです。

  • テープドライブへのバックアップ

    xfsdump ユーティリティーを使用すると、同じテープに複数のバックアップを書き込むこともできます。バックアップは、複数のテープを分割して書き込むことができます。

    複数のファイルシステムのバックアップを 1 つのテープデバイスに作成するには、XFS バックアップがすでに含まれているテープにバックアップを書き込みます。これにより、古いバックアップに、新しいバックアップが追加されます。xfsdump は、デフォルトでは既存のバックアップを上書しません。

  • 増分バックアップの作成

    xfsdump ユーティリティーはダンプレベルを使用して、その他のバックアップの相対的なベースバックアップを決定します。0 から 9 までの数字は、ダンプレベルの増加を表します。増分バックアップは、下位レベルの最後のダンプ以降に変更したファイルのみが対象となります。

    • フルバックアップを実行する場合は、ファイルシステムでレベル 0 のダンプを実行します。
    • レベル 1 のダンプは、フルバックアップ後の最初の増分バックアップです。次の増分バックアップはレベル 2 になります。これは、前回のレベル 1 のダンプ以降に変更したファイルのみが対象となります。レベル 9 まで同様です。
  • ファイルを絞り込むサイズ、サブツリー、または inode のフラグを使用して、バックアップからファイルを除外

関連情報

  • man ページの xfsdump(8)

11.3.2. xfsdump で XFS ファイルシステムのバックアップ

この手順では、XFS ファイルシステムのコンテンツのバックアップを、ファイルまたはテープに作成する方法を説明します。

前提条件

  • バックアップが可能な XFS ファイルシステム
  • バックアップを保存できる別のファイルシステムまたはテープドライブ

手順

  • 次のコマンドを使用して、XFS ファイルシステムのバックアップを作成します。

    # xfsdump -l level [-L label] \
              -f backup-destination path-to-xfs-filesystem
    • level を、バックアップのダンプレベルに置き換えます。フルバックアップを実行する場合は 0 を使用し、それに続く増分バックアップを実行する場合は 1 から 9 を使用します。
    • backup-destination を、バックアップを保存する場所のパスに置き換えます。保存場所は、通常のファイル、テープドライブ、またはリモートテープデバイスです。たとえば、ファイルの場合は /backup-files/Data.xfsdump、テープドライブの場合は /dev/st0 に置き換えます。
    • path-to-xfs-filesystem を、バックアップを作成する XFS ファイルシステムのマウントポイントに置き換えます。たとえば、/mnt/data/ に置き換えます。ファイルシステムをマウントする必要があります。
    • 複数のファイルシステムのバックアップを作成して 1 つのテープデバイスに保存する場合は、復元時にそれらを簡単に識別できるように -L label オプションを使用して、各バックアップにセッションラベルを追加します。label を、バックアップの名前 (例: backup_data) に置き換えます。

例11.2 複数の XFS ファイルシステムのバックアップ

  • /boot/ ディレクトリーおよび /data/ ディレクトリーにマウントされている XFS ファイルシステムのコンテンツのバックアップを作成し、作成したバックアップ内容をファイルとして /backup-files/ ディレクトリーに保存するには、次のコマンドを実行します。

    # xfsdump -l 0 -f /backup-files/boot.xfsdump /boot
    # xfsdump -l 0 -f /backup-files/data.xfsdump /data
  • 1 つのテープデバイスにある複数のファイルシステムのバックアップを作成する場合は、-L label オプションを使用して、各バックアップにセッションラベルを追加します。

    # xfsdump -l 0 -L "backup_boot" -f /dev/st0 /boot
    # xfsdump -l 0 -L "backup_data" -f /dev/st0 /data

関連情報

  • man ページの xfsdump(8)

11.3.3. 関連情報

  • man ページの xfsdump(8)

11.4. バックアップからの XFS ファイルシステムの復元

システム管理者は、xfsrestore ユーティリティーを使用して、xfsdump ユーティリティーで作成され、ファイルまたはテープに保存されている XFS バックアップを復元できます。

11.4.1. バックアップから XFS を復元する機能

本セクションでは、xfsrestore ユーティリティーを使用してバックアップから XFS ファイルシステムを復元する際の主な概念と機能を説明します。

xfsrestore ユーティリティーは、xfsdump により作成されたバックアップからファイルシステムを復元します。xfsrestore ユーティリティーには 2 つのモードがあります。

  • simple モードでは、ユーザーはレベル 0 のダンプからファイルシステム全体を復元できます。これがデフォルトのモードです。
  • cumulative モードでは、増分バックアップ (つまりレベル 1 からレベル 9) からファイルシステムを復元できます。

各バックアップは、session ID または session label で一意に識別されます。複数のバックアップを含むテープからバックアップを復元するには、対応するセッション ID またはラベルが必要です。

バックアップから特定のファイルを抽出、追加、または削除するには、xfsrestore インタラクティブモードを起動します。インタラクティブモードでは、バックアップファイルを操作する一連のコマンドが提供されます。

関連情報

  • man ページの xfsrestore(8)

11.4.2. xfsrestore を使用してバックアップから XFS ファイルシステムを復元

この手順では、XFS ファイルシステムの内容を、ファイルまたはテープのバックアップから復元する方法を説明します。

前提条件

手順

  • バックアップを復元するコマンドは、フルバックアップから復元するか、増分バックアップから復元するか、または 1 つのテープデバイスから複数のバックアップを復元するかによって異なります。

    # xfsrestore [-r] [-S session-id] [-L session-label] [-i]
                 -f backup-location restoration-path
    • backup-location を、バックアップの場所に置き換えます。これは、通常のファイル、テープドライブ、またはリモートテープデバイスになります。たとえば、ファイルの場合は /backup-files/Data.xfsdump、テープドライブの場合は /dev/st0 に置き換えます。
    • restoration-path を、ファイルシステムを復元するディレクトリーへのパスに置き換えます。たとえば、/mnt/data/ に置き換えます。
    • ファイルシステムを増分 (レベル 1 からレベル 9) バックアップから復元するには、-r オプションを追加します。
    • 複数のバックアップを含むテープデバイスからバックアップを復元するには、-S オプションまたは -L オプションを使用してバックアップを指定します。

      -S オプションではセッション ID でバックアップを選択でき、-L オプションではセッションラベルで選択できます。セッション ID とセッションラベルを取得するには、xfsrestore -I コマンドを使用します。

      session-id を、バックアップのセッション ID に置き換えます。たとえば、b74a3586-e52e-4a4a-8775-c3334fa8ea2c に置き換えます。session-label を、バックアップのセッションラベルに置き換えます。たとえば、my_backup_session_label に置き換えます。

    • xfsrestore をインタラクティブに使用するには、-i オプションを使用します。

      インタラクティブダイアログは、指定されたデバイスの、xfsrestore による読み取りが終了してから始まります。インタラクティブな xfsrestore シェルの使用可能なコマンドには、cdlsadddeleteextract があります。コマンドの全リストを見るには、help コマンドを使用します。

例11.3 複数の XFS ファイルシステムの復元

  • XFS バックアップファイルを復元し、その内容を /mnt/ 配下のディレクトリーに保存するには、次のコマンドを実行します。

    # xfsrestore -f /backup-files/boot.xfsdump /mnt/boot/
    # xfsrestore -f /backup-files/data.xfsdump /mnt/data/
  • 複数のバックアップを含むテープデバイスから復元するには、各バックアップをセッションラベルまたはセッション ID で指定します。

    # xfsrestore -L "backup_boot" -f /dev/st0 /mnt/boot/
    # xfsrestore -S "45e9af35-efd2-4244-87bc-4762e476cbab" \
                 -f /dev/st0 /mnt/data/

関連情報

  • man ページの xfsrestore(8)

11.4.3. テープから XFS バックアップを復元するときの情報メッセージ

複数のファイルシステムのバックアップを使用してテープからバックアップを復元するとき、xfsrestore ユーティリティーがメッセージを出力することがあります。メッセージは、xfsrestore がテープ上の各バックアップを順番に調べたときに、要求されたバックアップと一致するものが見つかったかどうかを通知します。以下に例を示します。

xfsrestore: preparing drive
xfsrestore: examining media file 0
xfsrestore: inventory session uuid (8590224e-3c93-469c-a311-fc8f23029b2a) does not match the media header's session uuid (7eda9f86-f1e9-4dfd-b1d4-c50467912408)
xfsrestore: examining media file 1
xfsrestore: inventory session uuid (8590224e-3c93-469c-a311-fc8f23029b2a) does not match the media header's session uuid (7eda9f86-f1e9-4dfd-b1d4-c50467912408)
[...]

情報メッセージは、一致するバックアップが見つかるまで継続して表示されます。

11.4.4. 関連情報

  • man ページの xfsrestore(8)

11.5. XFS ファイルシステムのサイズの拡大

システム管理者は、XFS ファイルシステムのサイズを大きくして、より大きなストレージ容量を利用できます。

重要

現在、XFS ファイルシステムのサイズを縮小することはできません。

11.5.1. xfs_growfs で XFS ファイルシステムのサイズの拡大

この手順では、xfs_growfs ユーティリティーを使用して XFS ファイルシステムを拡張する方法を説明します。

前提条件

  • 基礎となるブロックデバイスのサイズが、後でファイルシステムのサイズを変更するのに十分な大きさである。該当するブロックデバイスのサイズを変更する場合は、ブロックデバイスに適した方法を選択してください。
  • XFS ファイルシステムをマウントしている。

手順

  • XFS ファイルシステムのマウント時に、xfs_growfs ユーティリティーを使用してサイズを大きくします。

    # xfs_growfs file-system -D new-size
    • file-system を、XFS ファイルシステムのマウントポイントに置き換えます。
    • -D オプションを指定して、new-size を、ファイルシステムブロックの数で指定されているファイルシステムの新しいサイズに置き換えます。

      特定の XFS ファイルシステムのブロックサイズ (KB 単位) を調べるには、xfs_info ユーティリティーを使用します。

      # xfs_info block-device
      
      ...
      data     =              bsize=4096
      ...
    • xfs_growfs は、-D オプションを指定しないと、基となるデバイスがサポートする最大サイズまでファイルシステムを拡張します。

関連情報

  • man ページの xfs_growfs(8)

11.6. ext4 および XFS で使用されるツールの比較

本セクションでは、ext4 ファイルシステムおよび XFS ファイルシステムで一般的なタスクを行うのに使用するツールを比較します。

タスクext4XFS

ファイルシステムを作成する

mkfs.ext4

mkfs.xfs

ファイルシステムを確認する

e2fsck

xfs_repair

ファイルシステムのサイズを変更する

resize2fs

xfs_growfs

ファイルシステムのイメージを保存する

e2image

xfs_metadump および xfs_mdrestore

ファイルシステムのラベル付けまたはチューニングを行う

tune2fs

xfs_admin

ファイルシステムのバックアップを作成する

dump および restore

xfsdump および xfsrestore

クォータ管理

quota

xfs_quota

ファイルマッピング

filefrag

xfs_bmap


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