第1章 AppStream の使用

次のセクションでは、Red Hat Enterprise Linux 8 の AppStream リポジトリーに関する概念を説明します。

1.1. RHEL 8 のコンテンツの配布

RHEL 8 のコンテンツは、BaseOSAppStream の 2 つのメインリポジトリーにより配布されます。

BaseOS
BaseOS リポジトリーのコンテンツは、すべてのインストールの基盤となる、基本的な OS 機能のコアセットを提供します。このコンテンツは RPM 形式で提供されており、以前のリリースの Red Hat Enterprise Linux と同様のサポート条件が適用されます。
AppStream
AppStream リポジトリーのコンテンツは、さまざまなワークロードとユースケースに対応するために、ユーザー領域アプリケーション、ランタイム言語、およびデータベースが同梱されます。AppStream のコンテンツは、従来の RPM 形式と、RPM 形式の拡張 (モジュール) の 2 つの形式から選択できます。
重要

基本的な RHEL インストールには、BaseOS と AppStream の両方コンテンツセットが必要で、すべての RHEL サブスクリプションで利用できます。インストール方法は「RHEL のインストールおよびデプロイメント」 を参照してください。

1.2. アプリケーションストリーム

Red Hat Enterprise Linux 8 では、アプリケーションストリームの概念 (ユーザー領域コンポーネントのバージョン) が導入されました。ユーザー領域コンポーネントのバージョンが複数配信され、オペレーティングシステムのコアパッケージよりも頻繁に更新されるようになりました。これによりプラットフォームや特定デプロイメントの基本的な安定性に影響を及ぼすことなく、Red Hat Enterprise Linux をカスタマイズする柔軟性が向上しました。

アプリケーションストリームとして利用できるようになったコンポーネントは、モジュールまたは RPM パッケージとしてパッケージ化でき、Red Hat Enterprise Linux 8 の AppStream リポジトリーから配信されます。ApplStream コンポーネントにはそれぞれライフサイクルが定められています。

注記

すべてのモジュールがアプリケーションストリームというわけではありません。その他のモジュールの依存関係は、AppStream コンポーネントとはみなされません。

各モジュールは、RHEL のライフサイクルではなく、アプリケーションの寿命に合わせて独自のライフサイクルを定義しています。利用可能なアプリケーションストリームと、そのサポート期間は、「Red Hat Enterprise Linux 8 Application Streams Life Cycle」 を参照してください。

1.3. RHEL 8 のパッケージング方法

AppStream リポジトリーには、2 つの方法でパッケージ化されたコンテンツが含まれます。

個別の RPM パッケージ
従来の RPM パッケージは、即時にインストールを行うために使用できます。
モジュール
モジュールは、論理ユニット (アプリケーション、言語スタック、データベース、またはツールセット) を表すパッケージの集まりです。これらのパッケージはまとめてビルドされ、テストされ、そしてリリースされます。

1.4. RHEL 8 で YUM を使用したパッケージ管理

現在、YUM パッケージ管理ツールは DNF 技術に基づいており、新しいモジュール機能に対応しています。

個々の RPM パッケージを扱う YUM の仕様は変更していません。モジュールコンテンツに対応する yum module コマンドが追加されています。詳細は 4章RHEL 8 コンテンツのインストール を参照してください。

モジュール機能は、必要に応じてモジュールとストリームの適切な組み合わせを自動的に選択し、パッケージの論理セットのインストールを可能にするため便利です。