Red Hat Training

A Red Hat training course is available for RHEL 8

7.2. 対話型インストール

ipa-server-install ユーティリティーを使用して対話型インストールを実行している間、レルム、管理者のパスワード、Directory Manager のパスワードなど、システムの基本設定を指定するように求められます。

ipa-server-install インストールスクリプトにより、/var/log/ipaserver-install.log にログファイルが作成されます。ログは、インストールに失敗した時の問題特定に役立ちます。

以下の手順に従って、サーバーをインストールします。

  • 統合 DNS のないサーバー
  • 外部認証局 (CA) をルート CA とするサーバー

前提条件

  • --external-ca-type オプションで指定する外部 CA のタイプを決定している。詳細は、ipa-server-install (1) の man ページを参照すること。
  • Microsoft 証明書サービス認証局 (MS CS CA) を外部 CA として使用している場合は、--external-ca-profile オプションで指定する証明書プロファイルまたはテンプレートを決定している。デフォルトでは、SubCA テンプレートが使用される。

    --external-ca-type および --external-ca-profile オプションの詳細は、ルート CA として外部 CA と共に IdM CA をインストールする際に使用されるオプション を参照してください。

手順

  1. --external-ca オプションを使用して ipa-server-install ユーティリティーを実行します。

    • Microsoft 証明書サービス (MS CS) CA を使用している場合は、--external-ca-type オプションと、任意で --external-ca-profile オプションを使用します。

      [root@server ~]# ipa-server-install --external-ca --external-ca-type=ms-cs --external-ca-profile=<oid>/<name>/default
    • MS CS を使用して IdM CA の署名証明書を生成していない場合は、他のオプションは必要ありません。

      # ipa-server-install --external-ca
  2. スクリプトにより、統合 DNS サービスの設定が求められます。Enter を押して、no オプションを選択します。

    Do you want to configure integrated DNS (BIND)? [no]:
  3. このスクリプトでは、いくつかの設定を入力することが求められます。括弧で囲まれた値が推奨されるデフォルト値になります。

    • デフォルト値を使用する場合は Enter を押します。
    • カスタム値を指定する場合は、指定する値を入力します。

      Server host name [server.idm.example.com]:
      Please confirm the domain name [idm.example.com]:
      Please provide a realm name [IDM.EXAMPLE.COM]:
      警告

      名前は慎重に指定してください。インストール完了後に変更することはできません。

  4. Directory Server のスーパーユーザー (cn=Directory Manager) のパスワードと、IdM の管理者システムユーザーアカウント (admin) のパスワードを入力します。

    Directory Manager password:
    IPA admin password:
  5. サーバー設定をする場合は、yes と入力します。

    Continue to configure the system with these values? [no]: yes
  6. Certificate System インスタンスの設定時、このユーティリティーが証明書署名要求 (CSR) の場所 (/root/ipa.csr) を出力します。

    ...
    
    Configuring certificate server (pki-tomcatd): Estimated time 3 minutes 30 seconds
      [1/8]: creating certificate server user
      [2/8]: configuring certificate server instance
    The next step is to get /root/ipa.csr signed by your CA and re-run /sbin/ipa-server-install as:
    /sbin/ipa-server-install --external-cert-file=/path/to/signed_certificate --external-cert-file=/path/to/external_ca_certificate

    この場合は、以下を行います。

    1. /root/ipa.csr にある CSR を外部 CA に提出します。このプロセスは、外部 CA として使用するサービスにより異なります。
    2. 発行した証明書と、Base64 エンコードされたブロブ (PEM ファイルか Windows CA からの Base_64 証明書) で CA を発行する CA 証明書チェーンを取得します。繰り返しになりますが、プロセスは各証明書サービスによって異なります。通常は Web ページか通知メールにダウンロードリンクがあり、管理者が必要なすべての証明書をダウンロードできるようになっています。

      重要

      CA 証明書のみではなく、CA 用の完全な証明書チェーンを取得してください。

    3. 新たに発行された CA 証明書と CA チェーンファイルの場所と名前を指定して ipa-server-install を再度実行します。以下に例を示します。

      # ipa-server-install --external-cert-file=/tmp/servercert20170601.pem --external-cert-file=/tmp/cacert.pem
  7. インストールスクリプトにより、サーバーが設定されます。動作が完了するまで待ちます。
  8. インストールスクリプトは、以下の出力例の DNS リソースレコード でファイル (/tmp/ipa.system.records.UFRPto.db) を生成します。これらのレコードを既存の外部 DNS サーバーに追加します。DNS レコードの更新プロセスは、特定の DNS ソリューションによって異なります。

    ...
    Restarting the KDC
    Please add records in this file to your DNS system: /tmp/ipa.system.records.UFRBto.db
    Restarting the web server
    ...
    重要

    既存の DNS サーバーに DNS レコードを追加するまで、サーバーのインストールは完了しません。

関連情報

  • DNS システムに追加する必要がある DNS リソースレコードの詳細は、外部 DNS システムの IdM DNS レコード を参照してください。
  • ipa-server-install --external-ca コマンドは、次のエラーにより失敗する場合があります。

    ipa         : CRITICAL failed to configure ca instance Command '/usr/sbin/pkispawn -s CA -f /tmp/pass:quotes[configuration_file]' returned non-zero exit status 1
    Configuration of CA failed

    この失敗は、*_proxy 環境変数が設定されていると発生します。問題の解決方法は、トラブルシューティング: 外部 CA インストールの失敗 を参照してください。