第1章 テクニカルサポート用の sos レポートの生成

sos ユーティリティーを使用して設定、診断、およびトラブルシューティングのデータを収集し、それらのファイルを Red Hat テクニカルサポートに提供できます。

1.1. sos ユーティリティーの機能

sos レポートは一般的に、Red Hat テクニカルサポートエンジニアが RHEL システムのサービス要求を分析する際の開始点として使用されます。sos ユーティリティー (sosreport とも呼ばれます) は、診断情報を収集するための標準化された方法を提供します。Red Hat サポートエンジニアは、この診断情報を、サポートケースで報告された問題の調査全体を通じて参照できます。sos ユーティリティーを使用すると、データ出力を繰り返し求められることを回避できます。

sos ユーティリティーを使用すると、1 つ以上のシステムからさまざまなデバッグ情報を収集し、必要に応じて機密データをクリーンアップしてから、Red Hat にレポート形式でアップロードできます。より具体的には、3 つの sos コンポーネントは次のことを行います。

  • sos report は、1 つ のシステムからデバッグ情報を収集します。

    注記

    このプログラムは元々 sosreport という名前でした。sosreport を実行しても、同じ引数を使用して代わりに sos report が呼び出されるため、機能します。

  • sos collect を使用すると、指定したノードのセットから個別の sos レポートを実行および収集できます。
  • sos clean は、ユーザー名、ホスト名、IP アドレス、MAC アドレス、またはその他のユーザー指定のデータなどの機密性の高い情報を難読化します。

レポートで収集される情報には、RHEL システムからの設定詳細、システム情報、診断情報が含まれます。以下に例を示します。

  • 実行中のカーネルバージョン
  • 読み込み済みカーネルモジュール
  • システムおよびサービスの設定ファイル
  • 診断コマンドの出力
  • インストールされているパッケージのリスト

sos ユーティリティーは、sosreport-<host_name>-<support_case_number>-<YYYY-MM-DD>-<unique_random_characters>.tar.xz という名前のアーカイブに収集データを書き込みます。

このユーティリティーは、アーカイブと MD5 チェックサムを /var/tmp/ ディレクトリーに保存します。

[root@server1 ~]# ll /var/tmp/sosreport*
total 18704
-rw-------. 1 root root 19136596 Jan 25 07:42 sosreport-server1-12345678-2022-01-25-tgictvu.tar.xz
-rw-r--r--. 1 root root       33 Jan 25 07:42 sosreport-server1-12345678-2022-01-25-tgictvu.tar.xz.md5

関連情報

  • sosreport(1) man ページ