Red Hat Training
A Red Hat training course is available for RHEL 8
1.3. Microsoft Azure のカスタムベースイメージの設定
仮想マシン (VM) のカスタムベースイメージを作成し、Azure で特定の設定を使用して RHEL 8 VM をデプロイすることができます。以下のセクションでは、Azure で必要な追加の設定変更について説明します。
1.3.1. Hyper-V デバイスドライバーのインストール
Microsoft は、Linux Integration Services (LIS) for Hyper-V パッケージの一部として、ネットワークおよびストレージデバイスのドライバーを提供しています。Hyper-V デバイスドライバーを Azure 仮想マシン (VM) としてプロビジョニングする前に、仮想マシンイメージへのインストールが必要になる場合があります。lsinitrd | grep hv
コマンドを使用して、ドライバーがインストールされていることを確認します。
手順
以下の
grep
コマンドを実行して、必要な Hyper-V デバイスドライバーがインストールされているかどうかを確認します。# lsinitrd | grep hv
以下の例では、必要なドライバーがすべてインストールされています。
# lsinitrd | grep hv drwxr-xr-x 2 root root 0 Aug 12 14:21 usr/lib/modules/3.10.0-932.el8.x86_64/kernel/drivers/hv -rw-r--r-- 1 root root 31272 Aug 11 08:45 usr/lib/modules/3.10.0-932.el8.x86_64/kernel/drivers/hv/hv_vmbus.ko.xz -rw-r--r-- 1 root root 25132 Aug 11 08:46 usr/lib/modules/3.10.0-932.el8.x86_64/kernel/drivers/net/hyperv/hv_netvsc.ko.xz -rw-r--r-- 1 root root 9796 Aug 11 08:45 usr/lib/modules/3.10.0-932.el8.x86_64/kernel/drivers/scsi/hv_storvsc.ko.xz
すべてのドライバーがインストールされていない場合は、残りの手順を完了してください。
注記hv_vmbus
ドライバーは、すでにこの環境に追加されている可能性があります。このドライバーが存在する場合でも、次の手順を実行してください。-
/etc/dracut.conf.d
にhv.conf
という名前のファイルを作成します。 以下のドライバーパラメーターを
dracut.conf
ファイルに追加します。add_drivers+=" hv_vmbus " add_drivers+=" hv_netvsc " add_drivers+=" hv_storvsc " add_drivers+=" nvme "
注記引用符の前後に空白に注意してください (例:
add_drivers+=" hv_VMBus ")
。これにより、環境内にその他の Hyper-V ドライバーが存在している場合に、一意のドライバーが読み込まれます。initramfs
イメージを再生成します。# dracut -f -v --regenerate-all
検証
- マシンを再起動します。
-
lsinitrd | grep hv
コマンドを実行して、ドライバーがインストールされていることを確認します。
1.3.2. Microsoft Azure のデプロイメントに必要な設定変更を行う
カスタムベースイメージを Azure にデプロイする前に、追加の設定変更を実行して、仮想マシン (VM) が Azure で適切に動作できるようにする必要があります。
手順
- VMI にログインします。
仮想マシンを登録し、Red Hat Enterprise Linux 8 リポジトリーを有効にします。
# subscription-manager register --auto-attach Installed Product Current Status: Product Name: Red Hat Enterprise Linux for x86_64 Status: Subscribed
cloud-init
およびhyperv-daemons
パッケージがインストールされていることを確認します。# yum install cloud-init hyperv-daemons -y
Azure サービスとの統合に必要な
cloud-init
設定ファイルを作成します。Hyper-V Data Exchange Service (KVP) へのログ記録を有効にするには、
/etc/cloud/cloud.cfg.d/10-azure-kvp.cfg
設定ファイルを作成し、そのファイルに次の行を追加します。reporting: logging: type: log telemetry: type: hyperv
Azure をデータソースとして追加するには、
/etc/cloud/cloud.cfg.d/91-azure_datasource.cfg
設定ファイルを作成し、そのファイルに次の行を追加します。datasource_list: [ Azure ] datasource: Azure: apply_network_config: False
特定のカーネルモジュールが自動的にロードされないようにするには、
/etc/modprobe.d/blocklist.conf
ファイルを編集または作成し、そのファイルに次の行を追加します。blacklist nouveau blacklist lbm-nouveau blacklist floppy blacklist amdgpu blacklist skx_edac blacklist intel_cstate
udev
ネットワークデバイスルールを変更します。次の永続的なネットワークデバイスルールが存在する場合は削除します。
# rm -f /etc/udev/rules.d/70-persistent-net.rules # rm -f /etc/udev/rules.d/75-persistent-net-generator.rules # rm -f /etc/udev/rules.d/80-net-name-slot-rules
Azure で Accelerated Networking が意図したとおりに動作するようにするには、新しいネットワークデバイスルール
/etc/udev/rules.d/68-azure-sriov-nm-unmanaged.rules
を作成し、次の行を追加します。SUBSYSTEM=="net", DRIVERS=="hv_pci", ACTION=="add", ENV{NM_UNMANAGED}="1"
sshd
サービスが自動的に起動するように設定します。# systemctl enable sshd # systemctl is-enabled sshd
カーネルブートパラメーターを変更します。
/etc/default/grub
ファイルを開き、GRUB_TIMEOUT
行に次の値があることを確認します。GRUB_TIMEOUT=10
次のオプションがある場合は、
GRUB_CMDLINE_LINUX
行の末尾から削除します。rhgb quiet
/etc/default/grub
ファイルに、指定されたすべてのオプションを含む次の行が含まれていることを確認します。GRUB_CMDLINE_LINUX="loglevel=3 crashkernel=auto console=tty1 console=ttyS0 earlyprintk=ttyS0 rootdelay=300" GRUB_TIMEOUT_STYLE=countdown GRUB_TERMINAL="serial console" GRUB_SERIAL_COMMAND="serial --speed=115200 --unit=0 --word=8 --parity=no --stop=1"
grub.cfg
ファイルを再生成します。BIOS ベースのマシンの場合:
# grub2-mkconfig -o /boot/grub2/grub.cfg
UEFI ベースのマシンの場合:
# grub2-mkconfig -o /boot/efi/EFI/redhat/grub.cfg
システムが
grub.cfg
にデフォルト以外の場所を使用している場合は、それに応じてコマンドを調整してください。
Windows Azure Linux Agent (
WALinuxAgent
) を設定します。WALinuxAgent
パッケージをインストールして有効にします。# yum install WALinuxAgent -y # systemctl enable waagent
プロビジョニングされた VM でスワップパーティションが使用されないようにするには、
/etc/waagent.conf
ファイルの次の行を編集します。Provisioning.DeleteRootPassword=y ResourceDisk.Format=n ResourceDisk.EnableSwap=n
Azure プロビジョニング用に VM を準備します。
Red Hat Subscription Manager から仮想マシンの登録を解除します。
# subscription-manager unregister
既存のプロビジョニングの詳細をクリーンアップします。
# waagent -force -deprovision
注記このコマンドは警告を生成しますが、Azure が VM のプロビジョニングを自動的に処理するため、これは想定されています。
シェル履歴をクリーンアップし、仮想マシンをシャットダウンします。
# export HISTSIZE=0 # poweroff