第1章 LVM 上の VDO の概要

Virtual Data Optimizer (VDO) 機能は、ストレージ用にインラインのブロックレベルの重複排除、圧縮、およびシンプロビジョニングを提供します。VDO は、LVM シンプロビジョニングボリュームと同様に、論理ボリュームマネージャー (LVM) 論理ボリューム (LV) の一種として管理できます。

LVM 上の VDO ボリューム (LVM-VDO) には、次のコンポーネントが含まれます。

VDO プール LV
  • これは、VDO LV のデータを保存、重複排除、および圧縮するバッキング物理デバイスです。VDO プール LV は、VDO ボリュームの物理サイズを設定します。これは、VDO がディスクに保存できるデータ量です。
  • 現在、各 VDO プール LV は 1 つの VDO LV のみを保持できます。そのため、VDO は VDO LV ごとに重複排除と圧縮を行います。別々の LV に保存されている重複データは、同じ VDO ボリュームのデータ最適化の恩恵を受けません。
VDO LV
  • これは、VDO プール LV 上にプロビジョニングされた仮想デバイスです。VDO LV は、VDO ボリュームのプロビジョニングされた論理サイズを設定します。これは、重複排除と圧縮が行われる前にアプリケーションがボリュームに書き込みできるデータ量です。

LVM シンプロビジョニング実装の構造をすでによく理解している方は、表 1.1 を参照してください。VDO のさまざまな要素がシステムにどのように提示されるかを確認できます。

表1.1 LVM 上の VDO と LVM シンプロビジョニングのコンポーネントの比較

 物理デバイスプロビジョニングされるデバイス

LVM 上の VDO

VDO プール LV

VDO LV

LVM シンプロビジョニング

シンプール

シンボリューム

VDO はシンプロビジョニングされているため、ファイルシステムとアプリケーションは使用中の論理領域のみを認識し、実際に使用可能な物理領域は認識しません。スクリプトを使用して、使用可能な物理領域を監視し、使用量がしきい値を超えた場合にアラートを生成します。利用可能な VDO スペースの監視については、VDO の監視 セクションを参照してください。