第14章 シェルおよびコマンドラインツール
14.1. ローカライゼーションが複数のパッケージで配布
RHEL 8 では、1 つの glibc-common
パッケージで、ロケールと翻訳が提供されなくなりました。代わりに、すべてのロケールと言語が glibc-langpack-CODE
パッケージで利用できるようになりました。また、デフォルトですべてのロケールがインストールされず、インストーラーで選択した言語だけがインストールされます。その他の言語は、必要に応じてロケールパッケージを個別にインストールする必要があります。
システムにインストールされているすべてのパッケージに対する翻訳、ディクショナリー、およびロケールを含む追加のアドオンパッケージをインストールするメタパッケージは、langpacks と呼ばれます。
詳細は「言語パックのインストールおよび使用」を参照してください。
14.2. ユーザー名およびグループ名がすべて数値の場合はサポート対象外
Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 8 の useradd
コマンドおよび groupadd
コマンドでは、数値だけのユーザー名とグループ名を使用することができません。ユーザー ID およびグループ ID は数値となるため、数値だけのユーザー名およびグループ名を使用すると、ユーザー名とユーザー ID、またはグループ名とグループ ID を組み合わせて使用するツールで、混乱が生まれるためです。
詳細は「コマンドラインツールを使用したユーザーの管理」を参照してください。
14.3. nobody ユーザーが nfsnobody に置き換え
Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 7 では、nobody
ユーザーとグループのペアの ID は 99 でした。nfsnobody
ユーザーとグループのペアの ID は 65534 で、デフォルトのカーネルオーバーフロー ID になります。
これはいずれも、RHEL 8 では、nobody
ユーザーおよびグループのペア (ID 65534) に統合されます。RHEL 8 では、nfsnobody
ペアは作成されません。
この変更により、nobody
が所有し、NFS とは無関係のファイルに関する混乱が軽減されます。
14.4. バージョン制御システム
RHEL 8 は、次のバージョン管理システムを提供します。
-
Git 2.18
は、分散アーキテクチャーを持つ分散型リビジョン管理システムです。 -
Mercurial 4.8
は、大規模プロジェクトを効率的に処理するために設計された、軽量の分散バージョン管理システムです。 -
Subversion 1.10
は、集中型管理システムです。
RHEL 7 で利用できた Concurrent Versions System (CVS) および Revision Control System (RCS) は、RHEL 8 では配布されていません。
14.4.1. Subversion 1.10
への主な変更点
Subversion 1.10
には、RHEL 7 で配布されたバージョン 1.7 以降に追加された新機能と、次の互換性の変更が含まれています。
-
言語バインディングに対応するのに使用される
Subversion
ライブラリーにおける非互換性のため、Subversion 1.10
のPython 3
バインディングは利用できません。したがって、Subversion
にPython
バインディングを必要とするアプリケーションには対応していません。 -
Berkeley DB
に基づくリポジトリーには対応しなくなりました。移行する前に、svnadmin dump
コマンドを使用して、Subversion 1.7
で作成したリポジトリーをバックアップします。RHEL 8 をインストールした後、svnadmin load
コマンドを使用してリポジトリーを復元します。 -
RHEL 7 の
Subversion 1.7
クライアントがチェックアウトした既存のワーキングコピーは、Subversion 1.10
で使用する前に新しい形式にアップグレードする必要があります。RHEL 8 をインストールしたら、各ワーキングコピーでsvn upgrade
コマンドを実行します。 -
https://
を使用してリポジトリーにアクセスするスマートカード認証には対応しなくなりました。
14.5. crontab エントリーから systemd タイマーに移動したパッケージ
crontab
エントリーで使用されるパッケージは、systemd
タイマーを使用するようになりました。以下のコマンドを実行して、systemd
タイマーエントリーを含むパッケージを検索します。
$ repoquery --qf %{name} -f '/usr/lib/systemd/system/*.timer'
$ repoquery --qf %{name} -f '/etc/cron.*/*'
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