Red Hat Training

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10.2. メモリーの管理

10.2.1. 64 ビット ARM に 52 ビット PA が利用可能

今回の更新で、64 ビット ARM アーキテクチャー用の 52 ビット物理アドレッシング (PA) に対応するようになりました。これにより、以前の 48 ビットの PA よりも大きな物理アドレス空間が提供されます。

10.2.2. 5 レベルのページテーブル x86_64

RHEL 7 では、既存のメモリーバスには 48/46 ビットの仮想/物理メモリーアドレス容量があり、Linux カーネルが 4 つのレベルのページテーブルを実装して、物理アドレスへの仮想アドレスを管理します。物理バスのアドレス線は、物理メモリーの容量の上限を 64 TB に制限します。

この制限は、57/52 ビットの仮想および物理のメモリーアドレスにより、128 PiB の仮想アドレス空間 (64PB ユーザー/64PB カーネル) と、4 PB の物理メモリーの容量まで拡張されました。

拡張されたアドレス範囲により、RHEL 8 のメモリー管理は 5 レベルのページテーブル実装のサポートを追加します。この実装では、最大 128 PiB の仮想アドレス空間と 4 PiB の物理アドレス空間で、拡張されたアドレス範囲を処理できます。

5 レベルのページテーブルは、取り付けられている物理メモリーが 64 TiB 未満であっても、この機能をサポートできるハードウェアではデフォルトで有効になっています。メモリーが 64 TiB 未満のシステムでは、5 レベルのページテーブルを移動する場合にオーバーヘッドがわずかに増加します。このオーバーヘッドを回避するには、no5lvl カーネルコマンドラインパラメーターを使用して 5 レベルのページテーブルを無効にし、強制的に 4 レベルのページテーブルを使用するようにできます。