第3章 DM Multipath の設定
システムに DM-Multipath をセットアップする前に、システムが更新されており、device-mapper-multipath
パッケージがインストールされていることを確認してください。
3.1. DM-Multipath の基本設定
mpathconf
ユーティリティーを使用して DM Multipath を設定します。マルチパス設定ファイル /etc/multipath.conf
が作成されます。
-
/etc/multipath.conf
ファイルが存在する場合は、mpathconf
ユーティリティーで編集します。 -
/etc/multipath.conf
ファイルが存在しない場合は、mpathconf
ユーティリティーにより/etc/multipath.conf
ファイルが新たに作成されます。
mpathconf
ユーティリティーの詳細は、man ページの mpathconf(8)
を参照してください。
/etc/multipath.conf
ファイルを編集する必要がない場合は、以下の mpathconf
コマンドを実行すると、基本的なフェイルオーバー設定の DM Multipath をセットアップできます。このコマンドでマルチパス設定ファイルが有効になり、multipathd
デーモンが起動します。
# mpathconf --enable --with_multipathd y
multipathd
デーモンを起動する前に /etc/multipath.conf
ファイルを編集する必要がある場合は、以下の手順に従って基本的なフェイルオーバー設定の DM Multipath をセットアップします。
--enable
オプションを指定してmpathconf
コマンドを実行します。#
mpathconf --enable
mpathconf
コマンドに必要な追加オプションの詳細は、man ページのmpathconf(8)
を参照するか、--help
オプションを指定してmpathconf
コマンドを実行してください。#
mpathconf --help
usage: /sbin/mpathconf <command> Commands: Enable: --enable Disable: --disable Set user_friendly_names (Default y): --user_friendly_names <y|n> Set find_multipaths (Default y): --find_multipaths <y|n> Load the dm-multipath modules on enable (Default y): --with_module <y|n> start/stop/reload multipathd (Default n): --with_multipathd <y|n>必要に応じて
/etc/multipath.conf
ファイルを編集します。DM Multipath のデフォルト設定はシステムにコンパイルされているため、/etc/multipath.conf
ファイルで明示的に指定する必要はありません。path_grouping_policy
のデフォルト値はfailover
に設定されているため、この例では/etc/multipath.conf
ファイルを編集する必要はありません。設定ファイル内で初めてのデフォルトセクションはシステムを設定するため、マルチパスデバイスの名前の形式は
/dev/mapper/mpath
n になります。この設定がないと、デバイスの WWID がマルチパスデバイスの名前になります。ユーザーフレンドリー名を使用しない場合は、次のコマンドを実行します。#
mpathconf --enable --user_friendly_names n
- 必要に応じて設定ファイルを保存し、エディターを終了します。
以下のコマンドを実行します。
#
systemctl start multipathd.service
マルチパスデーモンを起動してからマルチパス設定ファイルの編集が必要になる場合は、systemctl reload multipathd.service
コマンドを実行して変更を反映する必要があります。
3.2. マルチパスデバイスの作成時にローカルのディスクを無視
ローカルの SCSI カードが内蔵ディスクに搭載されているマシンがあります。DM Multipath をこのようなデバイスで使用することは推奨されません。find_multipaths
設定パラメーターを on
に設定すると、このようなデバイスをブラックリストに指定する必要がなくなります。find_multipaths
設定パラメーターを on
に設定しない場合は、以下の手順に従ってマルチパス設定ファイルを編集すると、マルチパスの設定時にローカルのディスクを無視できます。
手順
内部ディスクであるディスクを確認します。以下の例では、
/dev/sda
が内部ディスクになります。既存のマルチパスデバイスを表示します。
# multipath -v2 -l SIBM-ESXSST336732LC____F3ET0EP0Q000072428BX1 dm-2 WINSYS,SF2372 size=33 GB features="0" hwhandler="0" wp=rw `-+- policy='round-robin 0' prio=0 status=active |- 0:0:0:0 sda 8:0 active undef running
DM Multipath が作成できるその他のマルチパスデバイスを表示します。
# multipath -v2 -d : SIBM-ESXSST336732LC____F3ET0EP0Q000072428BX1 undef WINSYS,SF2372 size=33 GB features="0" hwhandler="0" wp=undef `-+- policy='round-robin 0' prio=1 status=undef |- 0:0:0:0 sda 8:0 undef ready running
/etc/multipath.conf
ファイルのblacklist
セクションを編集して、このデバイスを追加します。WWID 属性を使用してデバイスを特定します。
devnode
タイプでdevnode
デバイスをブラックリストに指定することもできますが、/dev/sda
が再起動後に同じになる保証はないため安全な方法ではありません。上記の例では、
/dev/sda
デバイスの WWID はSIBM-ESXSST336732LC____F3ET0EP0Q000072428BX1
です。このデバイスをブラックリストに指定する場合は、/etc/multipath.conf
ファイルに以下の記述を追加します。blacklist { wwid SIBM-ESXSST336732LC____F3ET0EP0Q000072428BX1 }
更新された
/etc/multipath.conf
ファイルを再読み込みします。# systemctl reload multipathd.service
関連情報
-
find_multipaths
設定パラメーターと、このパラメーターに設定する値の意味に関する詳細は、man ページのmultipath.conf(5)
を参照してください。
3.3. 追加のストレージデバイスの設定
DM-Multipath に対応しているストレージアレイで最も一般的なものは、DM-Multipath にデフォルトで含まれています。対応デバイスなど、デフォルトの設定値は、次のいずれかのコマンドを実行して確認してください。
#multipathd show config
#multipath -t
デフォルトでは対応していないストレージデバイスを既知のマルチパスデバイスとして追加する必要がある場合は、/etc/multipath.conf
ファイルを編集し、適切なデバイス情報を挿入します。
たとえば、HP Open-V シリーズに関する情報を追加する場合は、以下のようなエントリーを記述します。この例では、すべてのパスに障害が発生した場合には、1 分間 (または 5 秒ごとの再試行で 12 回の再試行を行う) のキュー待ちを行うようにデバイスを設定します。
devices { device { vendor "HP" product "OPEN-V" no_path_retry 12 } }
3.4. initramfs ファイルシステムでマルチパスの設定
initramfs
ファイルシステムでマルチパスを設定できます。マルチパスの設定後、次のオプションを指定して dracut
コマンドを実行すると、マルチパス設定ファイルで initramfs
ファイルシステムを再構築できます。
# dracut --force --add multipath
initramfs
ファイルシステムからマルチパスを実行してマルチパスの設定ファイルを変更した場合は、initramfs
ファイルシステムを再構築して変更を有効にする必要があります。
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