Red Hat Training
A Red Hat training course is available for RHEL 8
17.13. 既存のユニットファイルの変更
システムにインストールされるサービスは、/usr/lib/systemd/system/
ディレクトリーに保存されるデフォルトのユニットファイルと共に提供されます。システム管理者はこのファイルを直接変更できないため、カスタマイズは /etc/systemd/system/
ディレクトリーの設定ファイルに制限される必要があります。
手順
必要とされる変更の程度に応じて、以下の方法のいずれかを実施してください。
-
補助設定ファイルのディレクトリーを
/etc/systemd/system/unit.d/
に作成します。この方法は、ほとんどのユースケースで推奨されます。これにより、元のユニットファイルを参照しつつも、デフォルト設定を追加の機能で拡張できます。この場合、パッケージのアップグレードで導入されるデフォルトユニットへの変更は自動的に適用されます。詳細は、デフォルトのユニット設定の拡張 を参照してください。 -
元のユニットファイル
/usr/lib/systemd/system/
のコピーを/etc/systemd/system/
に作成し、そこで変更を行います。コピーは元のファイルを上書きするため、パッケージの更新で導入される変更は適用されません。この方法は、パッケージの更新とは無関係に永続する重要なユニット変更を行う際に役に立ちます。詳細は、デフォルトのユニット設定の上書き を参照してください。
-
補助設定ファイルのディレクトリーを
-
ユニットのデフォルト設定に戻るには、
/etc/systemd/system/
でカスタム作成した設定ファイルを削除します。 システムを再起動せずにユニットファイルへの変更を適用するには、以下を実行します。
systemctl daemon-reload
daemon-reload
オプションは、すべてのユニットファイルを再読み込みし、ユニットファイルへの変更をすぐに適用するのに必要な依存関係ツリー全体を再作成します。また、以下のコマンドを実行しても同じ結果になります。このコマンドの実行にはroot
権限が必要になります。init q
変更したユニットファイルが実行中のサービスに属する場合は、このサービスを再起動して新たな設定を反映させる必要があります。
systemctl restart name.service
SysV init スクリプトが処理しているサービスのプロパティー (依存関係やタイムアウトなど) を変更するときは、init スクリプト自体は変更しないでください。代わりに、デフォルトのユニット設定の拡張 と デフォルトのユニット設定の上書き の説明に従って、サービスの systemd
ドロップイン設定ファイルを作成します。
その後、通常の systemd
サービスと同じ方法でサービスを管理します。
たとえば、network
サービスの設定を拡張するときは、init スクリプトファイル /etc/rc.d/init.d/network
を変更しないでください。代わりに、新しいディレクトリー /etc/systemd/system/network.service.d/
と、systemd
ドロップインファイル /etc/systemd/system/network.service.d/my_config.conf
を作成します。そして、ドロップインファイルの値を変更します。systemd
は、network
サービスを network.service
として認識することに注意してください。作成したディレクトリーが network.service.d
と命名されるのはそのためです。