Red Hat Training
A Red Hat training course is available for RHEL 8
20.2. RHEL 8 仮想化で推奨される機能
以下の機能は、Red Hat Enterprise Linux 8 (RHEL 8) に含まれる KVM ハイパーバイザーで使用することが推奨されます。
ホストシステムのアーキテクチャー
KVM を使用した RHEL 8 は、以下のホストアーキテクチャーでのみ対応します。
- AMD64 および Intel 64
- IBM Z - IBM z13 システムおよびそれ以降
- IBM POWER8
- IBM POWER9
その他のハードウェアアーキテクチャーは、KVM 仮想化ホストとして RHEL 8 の使用に対応していないため、Red Hat では推奨していません。とりわけ、これには 64 ビット ARM アーキテクチャー (ARM 64) が含まれます。
RHEL 8 のドキュメントでは、主に AMD64 および Intel 64 の機能および使用方法を説明します。異なるアーキテクチャーで RHEL 8 仮想化を使用する具体的な方法は、以下を参照してください。
ゲストのオペレーティングシステム
Red Hat は、以下のオペレーティングシステム (OS) を使用する KVM 仮想マシンをサポートします。
- Red Hat Enterprise Linux 6 以降
- Microsoft Windows 10 以降
- Microsoft Windows Server 2016 以降
ただし、デフォルトでは、ゲスト OS とホストとは、同じサブスクリプションを使用しない点に注意してください。したがって、ゲスト OS を適切に機能させるには、別のライセンスまたはサブスクリプションをアクティベートする必要があります。
マシンタイプ
VM がホストアーキテクチャーと互換性があり、ゲスト OS が最適に実行されるようにするには、仮想マシンで適切なマシンタイプを使用する必要があります。
コマンドラインを使用して VM を作成 する場合、virt-install
ユーティリティーはマシンタイプを設定する複数の方法を提供します。
-
--os-variant
オプションを使用すると、virt-install
は、使用しているホスト CPU に対して推奨され、ゲスト OS でサポートされているマシンタイプを自動的に選択します。 -
--os-variant
を使用しない場合、または別のマシンタイプが必要な場合は、-machine
オプションを使用してマシンタイプを明示的に指定します。 -
サポートされていない、またはホストと互換性のない
--machine
値を指定すると、virt-install
が失敗し、エラーメッセージが表示されます。
サポートされているアーキテクチャー上の KVM 仮想マシンに推奨されるマシンタイプ、および --machine
オプションに対応する値は次のとおりです。Y は、RHEL 8 の最新のマイナーバージョンを表します。
-
Intel 64 および AMD64 (x86_64) の場合:
pc-q35-rhel8.Y.0
→--machine=q35
-
IBM Z (s390x) の場合:
s390-ccw-virtio-rhel8.Y.0
→--machine=s390-ccw-virtio
-
IBM POWER (PPC) の場合:
pseries-rhel8.Y.0
→--machine=pseries
既存の仮想マシンを取得する場合:
# virsh dumpxml VM-name | grep machine=
ホストでサポートされているマシンタイプの完全なリストを表示する場合:
# /usr/libexec/qemu-kvm -M help