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3.2. IBM POWER の仮想化と AMD64 および Intel 64 の相違点

IBM POWER システムにおける RHEL 8 の KVM 仮想化は、AMD64 および Intel 64 の KVM とは異なります。特に以下のような側面があります。

メモリー要件
IBM POWER 上の仮想マシンは、より多くのメモリーを消費します。したがって、IBM POWER ホストの仮想マシンに推奨される最小メモリー割り当ては 2GB RAM です。
ディスプレイプロトコル

IBM POWER システムでは、SPICE プロトコルに対応していません。仮想マシンのグラフィック出力を表示するには、VNC プロトコルを使用します。さらに、次の仮想グラフィックスカードデバイスにのみ対応しています。

  • vga - -vga std モードでのみ対応され、-vga cirrus モードでは対応されません。
  • virtio-vga
  • virtio-gpu
SMBIOS
SMBIOS 設定は利用できません。
メモリー割り当てエラー

Power8 VM (互換モードの仮想マシンを含む) は、以下のようなエラーで失敗する場合があります。

qemu-kvm: Failed to allocate KVM HPT of order 33 (try smaller maxmem?): Cannot allocate memory

これは、RHEL 7.3 以前をゲスト OS として使用する仮想マシンで発生する可能性が非常に高くなります。

この問題を解決するには、ホストのカーネルコマンドラインに kvm_cma_resv_ratio=memory を追加して、ゲストのハッシュページテーブル (HPT) に使用できる CMA メモリープールを増やします。memory は、CMA プールに予約する必要があるホストメモリーの割合 (デフォルトは 5) です。

Huge page

THP (Transparent Huge page) は、IBM POWER8 の仮想マシンのパフォーマンスには大きな利点をもたらすことはありません。ただし、IBM POWER9 仮想マシンでは、THP から期待どおりの利点を得ることができます。

また、IBM POWER8 システムの静的 Huge Page のサイズは、16 MiB および 16 GiB です。これは、AMD64、Intel 64、および IBM POWER9 の 2 MiB および 1 GiB とは対照的です。したがって、静的 Huge Page を設定した仮想マシンを、IBM POWER8 ホストから IBM POWER9 ホストに移行するには、最初に仮想マシンに 1GiB の Huge Page を設定する必要があります。

kvm-clock
kvm-clock サービスは、IBM POWER9 の仮想マシンで時間管理用に構成する必要はありません。
pvpanic

IBM POWER9 システムは、pvpanic デバイスに対応していません。ただし、このアーキテクチャーでは、同等の機能がデフォルトで利用でき、アクティベートされます。仮想マシンで有効にするには、preserve 値で XML構成要素 <on_crash> を使用します。

また、<devices> セクションから <panic> 要素を必ず削除してください。その要素があると、仮想マシンが IBM POWER システムで起動できなくなる可能性があるためです。

シングルスレッドホスト
IBM POWER8システムでは、仮想マシンに対応するために、ホストマシンを シングルスレッドモード で稼働する必要があります。これは、qemu-kvm パッケージがインストールされていると、自動的に設定されます。ただし、シングルスレッドホストで実行している仮想マシンは、複数のスレッドを使用できます。
周辺機器

AMD64 および Intel 64 のシステムで対応している周辺デバイスの多くが、IBM POWER システムでは対応されていないか、別のデバイスが代替として対応されています。

  • ioh3420 および xio3130-downstream を含む PCI-E 階層に使用されるデバイスには対応していません。この機能は、spapr-pci-host-bridge デバイスが提供する複数の独立した PCI root ブリッジに置き換えられます。
  • UHCI コントローラーおよび EHCI PCI コントローラーには対応していません。代わりに OHCI コントローラーおよび xHCI コントローラーを使用してください。
  • 仮想 IDE CD-ROM (ide-cd) を含む IDE デバイスと、仮想 IDE ディスク (ide-hd) には対応していません。代わりに virtio-scsi デバイスおよび virtio-blk デバイスを使用してください。
  • エミュレートされた PCI NIC (rtl8139) には対応していません。代わりに virtio-net デバイスを使用してください。
  • intel-hda、hda-output、および AC97 を含むサウンドデバイスは対応していません。
  • usb-redirusb-tablet などの USB リダイレクトデバイスには対応していません。
v2v および p2v
virt-v2v ユーティリティーおよび virt-p2v ユーティリティーは、AMD64 および Intel 64 のアーキテクチャーでのみ対応しており、IBM POWER では提供されません。

関連情報

  • Red Hat がサポートする各システムアーキテクチャーで、一部のサポート対象およびサポート対象外の仮想化機能を比較する場合は、「仮想化機能のサポートの概要」 を参照してください。