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10.8. IBM Z の仮想マシンへの DASD デバイスの割り当て
vfio-ccw
機能を使用すると、直接アクセスストレージデバイス (DASD) を仲介デバイスとして IBM Z ホスト上の仮想マシンに割り当てることができます。これにより、たとえば仮想マシンは z/OS データセットにアクセスできるか、割り当てられた DASD を z/OS マシンに提供できるようになります。
前提条件
- お使いのホストシステムが IBM Z ハードウェアアーキテクチャーを使用し、FICON プロトコルをサポートしている。
- ターゲットの仮想マシンが Linux ゲストオペレーティングシステムを使用している。
mdevctl パッケージがインストールされている。
# yum install mdevctl
driverctl パッケージがインストールされている。
# yum install driverctl
ホストに必要なカーネルモジュールがロードされている。確認するには、次のコマンドを実行します。
# lsmod | grep vfio
出力に以下のモジュールが含まれている必要があります。
-
vfio_ccw
-
vfio_mdev
-
vfio_iommu_type1
-
仮想マシンによる排他的使用のために予備の DASD デバイスがあり、デバイスの識別子が分かっている。
この手順では、
0.0.002c
を例として使用しています。コマンドを実行する場合は、0.0.002c
を DASD デバイスーの ID に置き換えます。
手順
DASD デバイスのサブチャネル識別子を取得します。
# lscss -d 0.0.002c Device Subchan. DevType CU Type Use PIM PAM POM CHPIDs ---------------------------------------------------------------------- 0.0.002c 0.0.29a8 3390/0c 3990/e9 yes f0 f0 ff 02111221 00000000
この例では、サブチャンネル ID は
0.0.29a8
として検出されます。以下のコマンドでは、0.0.29a8
を、検出されたデバイスのサブチャンネル ID に置き換えます。前の手順の
lscss
コマンドでヘッダー出力のみが表示され、デバイスインフォメーションが表示されない場合は、以下の手順を実行します。cio_ignore
一覧からデバイスを削除します。# cio_ignore -r 0.0.002c
ゲスト OS で、仮想マシンの edit the kernel command line を編集し、
!
マークを使用して、cio_ignore=
で始まる行にデバイス識別子を追加します (まだ存在しない場合)。cio_ignore=all,!condev,!0.0.002c
- ホストで手順 1 を繰り返し、サブチャネル識別子を取得します。
サブチャネルは
vfio_ccw
パススルードライバーにバインドします。# driverctl -b css set-override 0.0.29a8 vfio_ccw
注記これにより、0.0.29a8 サブチャンネルが
vfio_ccw
に永続的にバインドされます。つまり、DASD はホストコンピューターでは使用できなくなります。ホストでデバイスを使用する必要がある場合は、まず 'vfio_ccw' への自動バインディングを削除し、サブチャンネルをデフォルトドライバーに再バインドする必要があります。# driverctl -b css unset-override 0.0.29a8
UUID を生成します。
# uuidgen 30820a6f-b1a5-4503-91ca-0c10ba12345a
生成された UUID を使用して DASD 仲介デバイスを作成します。
# mdevctl start --uuid 30820a6f-b1a5-4503-91ca-0c10ba12345a --parent 0.0.29a8 --type vfio_ccw-io
仲介デバイスを永続化します。
# mdevctl define --auto --uuid 30820a6f-b1a5-4503-91ca-0c10ba12345a
- 実行中の場合は、仮想マシンをシャットダウンします。
仲介デバイスを仮想マシンに接続します。これを行うには、
virsh edit
ユーティリティーを使用して仮想マシンの XML 設定を編集し、以下のセクションを XML に追加します。uuid
の値は、前の手順で生成した UUID に置き換えます。<hostdev mode='subsystem' type='mdev' model='vfio-ccw'> <source> <address uuid="30820a6f-b1a5-4503-91ca-0c10ba12345a"/> </source> </hostdev>
検証
libvirt
が仲介 DASD デバイスに割り当てた識別子を取得します。これを行うには、仮想マシンの XML 設定を表示して、vfio-ccw
デバイスを見つけます。# virsh dumpxml vm-name <domain> [...] <hostdev mode='subsystem' type='mdev' managed='no' model='vfio-ccw'> <source> <address uuid='10620d2f-ed4d-437b-8aff-beda461541f9'/> </source> <alias name='hostdev0'/> <address type='ccw' cssid='0xfe' ssid='0x0' devno='0x0009'/> </hostdev> [...] </domain>
この例では、デバイスに割り当てられた識別子は
0.0.0009
です。- 仮想マシンを起動し、ゲスト OS にログインします。
ゲスト OS で、DASD デバイスがリストされていることを確認します。以下に例を示します。
# lscss | grep 0.0.0009 0.0.0009 0.0.0007 3390/0c 3990/e9 f0 f0 ff 12212231 00000000
ゲスト OS で、デバイスをオンラインに設定します。以下に例を示します。
# chccwdev -e 0.0009 Setting device 0.0.0009 online Done