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11.4. ストレージプールを作成するパラメーター

必要なストレージプールのタイプに基づいて、その XML 設定ファイルを変更し、特定のタイプのストレージプールを定義できます。本セクションは、さまざまなタイプのストレージプールを作成するために必要な XML パラメーターと、例を説明します。

11.4.1. ディレクトリーベースのストレージプールのパラメーター

XML 設定ファイルを使用してディレクトリーベースのストレージプールを作成または変更する場合は、必要なパラメーターを指定する必要があります。これらのパラメーターの詳細は、以下の表を参照してください。

virsh pool-define を使用すると、指定したファイルの XML 設定を基にしてストレージプールを作成できます。以下に例を示します。

# virsh pool-define ~/guest_images.xml
  Pool defined from guest_images_dir

パラメーター

以下の表は、ディレクトリーベースのストレージプールの XML ファイルに必要なパラメーターのリストです。

表11.1 ディレクトリーベースのストレージプールのパラメーター

説明XML

ストレージプールの種類

<pool type='dir'>

ストレージプールの名前

<name>name</name>

ターゲットを指定するパス。ストレージプールに使用されるパスになります。

<target>
   <path>target_path</path>
</target>

以下は、/guest_images ディレクトリーに基づいたストレージプールの XML ファイルの例です。

<pool type='dir'>
  <name>dirpool</name>
  <target>
    <path>/guest_images</path>
  </target>
</pool>

関連情報

  • CLI でディレクトリーベースのストレージプールの作成

11.4.2. ディスクベースのストレージプールのパラメーター

XML 設定ファイルを使用してディスクベースのストレージプールを作成または変更する場合は、必要なパラメーターを指定する必要があります。これらのパラメーターの詳細は、以下の表を参照してください。

virsh pool-define を使用すると、指定したファイルの XML 設定を基にしてストレージプールを作成できます。以下に例を示します。

# virsh pool-define ~/guest_images.xml
  Pool defined from guest_images_disk

パラメーター

以下の表は、ディスクベースのストレージプールの XML ファイルに必要なパラメーターのリストです。

表11.2 ディスクベースのストレージプールのパラメーター

説明XML

ストレージプールの種類

<pool type='disk'>

ストレージプールの名前

<name>name</name>

ストレージデバイスを指定するパス。たとえば、/dev/sdb です。

<source>
   <path>source_path</path>
</source>

ターゲットデバイスを指定するパス。ストレージプールに使用されるパスになります。

<target>
   <path>target_path</path>
</target>

以下は、ディスクに基づいたストレージプールに対する XML ファイルの例です。

<pool type='disk'>
  <name>phy_disk</name>
  <source>
    <device path='/dev/sdb'/>
    <format type='gpt'/>
  </source>
  <target>
    <path>/dev</path>
  </target>
</pool>

関連情報

  • CLI でディスクベースのストレージプールの作成

11.4.3. ファイルシステムベースのストレージプールパラメーター

XML 設定ファイルを使用してファイルシステムベースのストレージプールを作成または変更する場合は、必要なパラメーターを指定する必要があります。これらのパラメーターの詳細は、以下の表を参照してください。

virsh pool-define を使用すると、指定したファイルの XML 設定を基にしてストレージプールを作成できます。以下に例を示します。

# virsh pool-define ~/guest_images.xml
  Pool defined from guest_images_fs

パラメーター

次の表は、ファイルシステムベースのストレージプールの XML ファイルに必要なパラメーターのリストです。

表11.3 ファイルシステムベースのストレージプールパラメーター

説明XML

ストレージプールの種類

<pool type='fs'>

ストレージプールの名前

<name>name</name>

パーミッションを指定するパス。たとえば、/dev/sdc1 です。

<source>
   <device path=device_path />

ファイルシステムのタイプ (ext4 など)。

    <format type=fs_type />
</source>

ターゲットを指定するパス。ストレージプールに使用されるパスになります。

<target>
    <path>path-to-pool</path>
</target>

以下は、/dev/sdc1 パーティションに基づいたストレージプールに対する XML ファイルの例です。

<pool type='fs'>
  <name>guest_images_fs</name>
  <source>
    <device path='/dev/sdc1'/>
    <format type='auto'/>
  </source>
  <target>
    <path>/guest_images</path>
  </target>
</pool>

関連情報

  • CLI でファイルシステムベースのストレージプールの作成

11.4.4. GlusterFS ベースのストレージプールパラメーター

XML 設定ファイルを使用して GlusterFS ベースのストレージプールを作成または変更する場合は、必要なパラメーターを指定する必要があります。これらのパラメーターの詳細は、以下の表を参照してください。

virsh pool-define を使用すると、指定したファイルの XML 設定を基にしてストレージプールを作成できます。以下に例を示します。

# virsh pool-define ~/guest_images.xml
  Pool defined from guest_images_glusterfs

パラメーター

以下の表は、GlusterFS ベースのストレージプールの XML ファイルに必要なパラメーターのリストです。

表11.4 GlusterFS ベースのストレージプールパラメーター

説明XML

ストレージプールの種類

<pool type='gluster'>

ストレージプールの名前

<name>name</name>

Gluster サーバーのホスト名または IP アドレス

<source>
   <name=gluster-name />

ストレージプールに使用される Gluster サーバーのパス。

    <dir path=gluster-path />
</source>

以下は、111.222.111.222 の Gluster ファイルシステムに基づいたストレージプールに対する XML ファイルの例です。

<pool type='gluster'>
  <name>Gluster_pool</name>
  <source>
    <host name='111.222.111.222'/>
    <dir path='/'/>
    <name>gluster-vol1</name>
  </source>
</pool>

関連情報

  • CLI で GlusterFS ベースのストレージプールの作成

11.4.5. iSCSI ベースのストレージプールパラメーター

XML 設定ファイルを使用して iSCSI ベースのストレージプールを作成または変更する場合は、必要なパラメーターを指定する必要があります。これらのパラメーターの詳細は、以下の表を参照してください。

virsh pool-define を使用すると、指定したファイルの XML 設定を基にしてストレージプールを作成できます。以下に例を示します。

# virsh pool-define ~/guest_images.xml
  Pool defined from guest_images_iscsi

パラメーター

以下の表は、iSCSI ベースのストレージプールの XML ファイルに必要なパラメーターのリストです。

表11.5 iSCSI ベースのストレージプールパラメーター

説明XML

ストレージプールの種類

<pool type='iscsi'>

ストレージプールの名前

<name>name</name>

ホストの名前

<source>
  <host name=hostname />

iSCSI IQN

    <device path= iSCSI_IQN />
</source>

ターゲットを指定するパス。ストレージプールに使用されるパスになります。

<target>
   <path>/dev/disk/by-path</path>
</target>

(必要に応じて) iSCSI イニシエーターの IQN。これは、ACL が LUN を特定のイニシエーターに制限する場合に限り必要です。

<initiator>
   <iqn name='initiator0' />
</initiator>

注記

iSCSI イニシエーターの IQN は、virsh find-storage-pool-sources-as iscsi コマンドを使用して指定できます。

以下は、指定した iSCSI に基づいたストレージプールに対する XML ファイルの例です。

<pool type='iscsi'>
  <name>iSCSI_pool</name>
  <source>
    <host name='server1.example.com'/>
    <device path='iqn.2010-05.com.example.server1:iscsirhel7guest'/>
  </source>
  <target>
    <path>/dev/disk/by-path</path>
  </target>
</pool>

関連情報

  • CLI で iSCSI ベースのストレージプールの作成

11.4.6. LVM ベースのストレージプールパラメーター

XML 設定ファイルを使用して LVM ベースのストレージプールを作成または変更する場合は、必要なパラメーターを指定する必要があります。これらのパラメーターの詳細は、以下の表を参照してください。

virsh pool-define を使用すると、指定したファイルの XML 設定を基にしてストレージプールを作成できます。以下に例を示します。

# virsh pool-define ~/guest_images.xml
  Pool defined from guest_images_logical

パラメーター

以下の表は、LVM ベースのストレージプールの XML ファイルに必要なパラメーターのリストです。

表11.6 LVM ベースのストレージプールパラメーター

説明XML

ストレージプールの種類

<pool type='logical'>

ストレージプールの名前

<name>name</name>

ストレージプールのデバイスのパス

<source>
   <device path='device_path' />`

ボリュームグループの名前

    <name>VG-name</name>

仮想グループの形式

    <format type='lvm2' />
</source>

ターゲットパス

<target>
   <path=target_path />
</target>

注記

論理ボリュームグループが複数のディスクパーティションで作成されている場合は、複数のソースデバイスがリスト表示されている可能性があります。以下に例を示します。

<source>
  <device path='/dev/sda1'/>
  <device path='/dev/sdb3'/>
  <device path='/dev/sdc2'/>
  ...
</source>

以下は、指定した LVM に基づいたストレージプールに対する XML ファイルの例です。

<pool type='logical'>
  <name>guest_images_lvm</name>
  <source>
    <device path='/dev/sdc'/>
    <name>libvirt_lvm</name>
    <format type='lvm2'/>
  </source>
  <target>
    <path>/dev/libvirt_lvm</path>
  </target>
</pool>

関連情報

  • CLI で LVM ベースのストレージプールの作成

11.4.7. NFS ベースのストレージプールパラメーター

XML 設定ファイルを使用して NFS ベースのストレージプールを作成または変更する場合は、必要なパラメーターを指定する必要があります。これらのパラメーターの詳細は、以下の表を参照してください。

virsh pool-define を使用すると、指定したファイルの XML 設定を基にしてストレージプールを作成できます。以下に例を示します。

# virsh pool-define ~/guest_images.xml
  Pool defined from guest_images_netfs

パラメーター

以下の表は、NFS ベースのストレージプールの XML ファイルに必要なパラメーターのリストです。

表11.7 NFS ベースのストレージプールパラメーター

説明XML

ストレージプールの種類

<pool type='netfs'>

ストレージプールの名前

<name>name</name>

マウントポイントがあるネットワークサーバーのホスト名。これは、ホスト名または IP アドレスになります。

<source>
   <host name=hostname
/>

ストレージプールの形式

次のいずれかになります。

    <format type='nfs' />

    <format type='glusterfs' />

    <format type='cifs' />

ネットワークサーバーで使用されるディレクトリー

    <dir path=source_path />
</source>

ターゲットを指定するパス。ストレージプールに使用されるパスになります。

<target>
   <path>target_path</path>
</target>

以下は、NFS サーバー file_server/home/net_mount ディレクトリーでのストレージプールの XML ファイルの例です。

<pool type='netfs'>
  <name>nfspool</name>
  <source>
    <host name='file_server'/>
    <format type='nfs'/>
    <dir path='/home/net_mount'/>
  </source>
  <target>
    <path>/var/lib/libvirt/images/nfspool</path>
  </target>
</pool>

関連情報

  • CLI を使用した NFS ベースのストレージプールの作成

11.4.8. vHBA デバイスを使用した SCSI ベースのストレージプールのパラメーター

仮想ホストアダプターバス (vHBA) デバイスを使用する SCSi ベースのストレージプール用の XML 設定ファイルを作成または変更する場合は、XML 設定ファイルに必要な特定のパラメーターを含める必要があります。必要なパラメーターの詳細は、以下の表を参照してください。

virsh pool-define を使用すると、指定したファイルの XML 設定を基にしてストレージプールを作成できます。以下に例を示します。

# virsh pool-define ~/guest_images.xml
  Pool defined from guest_images_vhba

パラメーター

以下の表は、vHBA を使用する iSCSI ベースのストレージプールの XML ファイルに必要なパラメーターのリストです。

表11.8 vHBA デバイスを使用した SCSI ベースのストレージプールのパラメーター

説明XML

ストレージプールの種類

<pool type='scsi'>

ストレージプールの名前

<name>name</name>

vHBA の識別子。parent 属性はオプションです。

<source>
   <adapter type='fc_host'
   [parent=parent_scsi_device]
   wwnn='WWNN'
   wwpn='WWPN' />
</source>

ターゲットパス。ストレージプールに使用されるパスになります。

<target>
   <path=target_path />
</target>

重要

<path> フィールドが /dev/ の場合、libvirt は、ボリュームデバイスパスで一意の短いデバイスパスを生成します。たとえば、/dev/sdc です。それ以外の場合は、物理ホストパスが使用されます。たとえば、/dev/disk/by-path/pci-0000:10:00.0-fc-0x5006016044602198-lun-0 などです。一意の短いデバイスパスを使用すると、複数のストレージプールで、同じボリュームを複数の仮想マシン (VM) にリスト表示できます。物理ホストのパスを複数の仮想マシンで使用すると、デバイスタイプが重複していることを示す警告が発生することがあります。

注記

parent 属性は、パスを変更して NPIV LUN の使用元となる物理 HBA の親を識別する <adapter> フィールドで使用できます。scsi_hostN フィールドは、vports 属性および max_vports 属性と合わせて、親 ID を作成します。parentparent_wwnnparent_wwpn、または parent_fabric_wwn の属性は、ホストの再起動後に同じ HBA が使用されることを保証するさまざまなレベルを提供します。

  • を指定しないと、libvirt は、NPIV に対応する最初の scsi_hostN アダプターを使用します。
  • のみを指定し、設定に SCSI ホストアダプターを追加すると、問題が発生する可能性があります。
  • parent_wwnn または parent_wwpn を指定すると、ホストの再起動後に同じ HBA が使用されます。
  • ホストの再起動後、parent_fabric_wwn を使用すると、scsi_hostN が使用されたかどうかにかかわらず、同じファブリックの HBA が選択されます。

以下は、vHBA を使用する SCSI ベースのストレージプールの XML ファイルの例です。

  • HBA にある唯一のストレージプール

    <pool type='scsi'>
      <name>vhbapool_host3</name>
      <source>
        <adapter type='fc_host' wwnn='5001a4a93526d0a1' wwpn='5001a4ace3ee047d'/>
      </source>
      <target>
        <path>/dev/disk/by-path</path>
      </target>
    </pool>
  • parent 属性を使用して SCSI ホストデバイスを識別し、vHBA を 1 つ使用する複数のストレージプールの 1 つ。

    <pool type='scsi'>
      <name>vhbapool_host3</name>
      <source>
        <adapter type='fc_host' parent='scsi_host3' wwnn='5001a4a93526d0a1' wwpn='5001a4ace3ee047d'/>
      </source>
      <target>
        <path>/dev/disk/by-path</path>
      </target>
    </pool>

関連情報

  • CLI で vHBA デバイスを使用した SCSI ベースのストレージプールを作成する手順