Red Hat Training
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第52章 TIPC の使用
Cluster Domain Sockets
とも呼ばれる TIPC (Trans-process Communication) は、クラスター全体の操作の IPC (Inter-process Communication) サービスです。
高可用性環境および動的クラスター環境で実行されているアプリケーションには、特別なニーズがあります。クラスター内のノード数は異なる可能性があります。また、ルーターに障害が発生する可能性があります。負荷分散についての考慮事項により、クラスター内の異なるノードに機能が移行する可能性があります。TIPC は、アプリケーション開発者がこのような状況に対応する作業を最小限に抑え、適切かつ最適方法で処理される機会を最大化します。さらに、TIPC は TCP などの一般的なプロトコルよりも効率的で耐障害性のある通信を提供します。
52.1. TIPC のアーキテクチャー
TIPC は、TIPC とパケットトランスポートサービス (bearer
) を使用してアプリケーション間のレイヤーで、トランスポート、ネットワーク、およびシグナル側のリンク層を結び付けます。しかし、TIPC は異なるトランスポートプロトコルをベアラーとして使用することができるため、たとえば TCP 接続は TIPC シグナルリンクのベアラーとして機能できます。
TIPC は以下のベアラーをサポートします。
- イーサネット
- Infiniband
- UDP プロトコル
TIPC は、すべての TIPC 通信のエンドポイントである TIPC ポート間で、信頼できるメッセージの転送を提供します。
以下は TIPC アーキテクチャーの図です。
