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第26章 キーファイル形式の NetworkManager 接続プロファイル

NetworkManager は、デフォルトでは接続プロファイルを ifcfg 形式で保存しますが、キーファイル形式のプロファイルを使用することもできます。非推奨の ifcfg 形式とは異なり、キーファイル形式は NetworkManager が提供するすべての接続設定をサポートします。

Red Hat Enterprise Linux 9 では、キーファイル形式がデフォルトになります。

26.1. NetworkManager プロファイルのキーファイル形式

キーファイルの形式は INI 形式に似ています。たとえば、次はキーファイル形式のイーサネット接続プロファイルです。

[connection]
id=example_connection
uuid=82c6272d-1ff7-4d56-9c7c-0eb27c300029
type=ethernet
autoconnect=true

[ipv4]
method=auto

[ipv6]
method=auto

[ethernet]
mac-address=00:53:00:8f:fa:66

各セクションは、nm-settings(5) および nm-settings-keyfile(5) man ページで説明されているように、NetworkManager の設定名に対応します。セクションの各 key-value-pair は、man ページの settings 仕様に記載されているプロパティーのいずれかになります。

NetworkManager キーファイルのほとんどの変数には、1 対 1 のマッピングがあります。つまり、NetworkManager プロパティーは、同じ名前と形式の変数としてキーファイルに保存されます。ただし、主にキーファイルの構文を読みやすくするために例外があります。この例外の一覧は、nm-settings-keyfile(5) man ページを参照してください。

重要

接続プロファイルには秘密鍵やパスフレーズなどの機密情報が含まれる可能性があるため、セキュリティー上の理由から、NetworkManager は root ユーザーが所有し、root のみが読み書きできる設定ファイルのみを使用します。

接続プロファイルの目的に応じて、次のいずれかのディレクトリーに保存します。

  • /etc/NetworkManager/system-connections/: 永続プロファイルの場所。NetworkManager API を使用して、永続プロファイルを変更すると、NetworkManager は、このディレクトリーにファイルを書き込み、上書きします。
  • /run/NetworkManager/system-connections/ - システムを再起動すると自動的に削除される一時プロファイル用です。
  • /usr/lib/NetworkManager/system-connections/ - 事前にデプロイされた不変プロファイル用です。NetworkManager の API を使用してこのようなプロファイルを編集すると、NetworkManager はこのプロファイルを永続ストレージまたは一時ストレージのいずれかにコピーします。

NetworkManager は、ディスクからプロファイルを自動的に再読み込みしません。キーファイル形式で接続プロファイルを作成または更新する場合は、nmcli connection reload コマンドを使用して、変更を NetworkManager に通知します。