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第6章 論理ボリュームのサイズ変更

論理ボリュームを作成したら、ボリュームのサイズを変更できます。

6.1. 論理ボリュームとファイルシステムの拡張

この手順では、論理ボリュームを拡張し、同じ論理ボリューム上のファイルシステムを拡張する方法を説明します。

論理ボリュームのサイズを拡張するには、lvextend コマンドを使用します。論理ボリュームを拡張する場合は、追加するボリュームの容量、または拡張後のボリュームのサイズを指定できます。

前提条件

  1. ファイルシステムを持つ既存の論理ボリューム (LV) がある。df -Th コマンドを使用して、ファイルシステムのタイプを確認します。

    LV およびファイルシステムの作成に関する詳細は、LVM 論理ボリュームの作成 を参照してください。

  2. LV およびファイルシステムを拡張するのに十分な領域がボリュームグループにある。vgs -o name,vgfree コマンドを使用して、利用可能な領域を確認します。

手順

  1. オプション: ボリュームグループに LV を拡張するのに十分な領域がない場合は、以下のコマンドを使用してボリュームグループに新しい物理ボリュームを追加します。

    # vgextend myvg /dev/vdb3
    Physical volume "/dev/vdb3" successfully created.
    Volume group "myvg" successfully extended

    詳細は、LVM ボリュームグループの作成 を参照してください。

  2. ボリュームグループが十分に大きくなったので、要件に応じて以下のいずれかの手順を実行します。

    1. 指定されたサイズで LV を拡張するには、次のコマンドを使用します。

      # lvextend -L 3G /dev/myvg/mylv
      Size of logical volume myvg/mylv changed from 2.00 GiB (512 extents) to 3.00 GiB (768 extents).
      Logical volume myvg/mylv successfully resized.
      注記

      lvextend コマンドで -r オプションを使用すれば、1 つのコマンドで、論理ボリュームを拡張し、基礎となるファイルシステムのサイズを変更できます。

      # lvextend -r -L 3G /dev/myvg/mylv
      警告

      lvresize コマンドを使用して、同じ引数で論理ボリュームを拡張することもできますが、このコマンドでは、誤って縮小されない保証はありません。

    2. mylv 論理ボリュームを拡張して、myvg ボリュームグループの未割り当て領域をすべて埋めるには、次のコマンドを使用します。

      # lvextend -l +100%FREE /dev/myvg/mylv
       Size of logical volume myvg/mylv changed from 10.00 GiB (2560 extents) to 6.35 TiB (1665465 extents).
       Logical volume myvg/mylv successfully resized.

      lvcreate コマンドと同様に、lvextend コマンドの -l 引数を使用して、論理ボリュームの拡張サイズをエクステント数で指定できます。また、この引数を使用してボリュームグループのパーセンテージ、またはボリュームグループに残ってる空き領域をパーセンテージで指定することもできます。

  3. lvextend コマンドで r オプションを使用して 1 つのコマンドで LV を拡張してファイルシステムのサイズを変更しない場合は、以下のコマンドを使用して論理ボリューム上のファイルシステムのサイズを変更します。

    xfs_growfs /mnt/mnt1/
    meta-data=/dev/mapper/myvg-mylv  isize=512    agcount=4, agsize=65536 blks
             =                       sectsz=512   attr=2, projid32bit=1
             =                       crc=1        finobt=1, sparse=1, rmapbt=0
             =                       reflink=1
    data     =                       bsize=4096   blocks=262144, imaxpct=25
             =                       sunit=0      swidth=0 blks
    naming   =version 2              bsize=4096   ascii-ci=0, ftype=1
    log      =internal log           bsize=4096   blocks=2560, version=2
             =                       sectsz=512   sunit=0 blks, lazy-count=1
    realtime =none                   extsz=4096   blocks=0, rtextents=0
    data blocks changed from 262144 to 524288
    注記

    xfs_growfs は、-D オプションを指定しないと、基となるデバイスがサポートする最大サイズまでファイルシステムを拡張します。詳細は Increasing the size of an XFS file system を参照してください。

    ext4 ファイルシステムのサイズを変更する場合は、Resizing an ext4 file system を参照してください。

検証

  • 以下のコマンドを使用して、ファイルシステムが拡大しているかどうかを確認します。

    # df -Th
    Filesystem            Type      Size  Used Avail Use% Mounted on
    devtmpfs              devtmpfs  1.9G     0  1.9G   0% /dev
    tmpfs                 tmpfs     1.9G     0  1.9G   0% /dev/shm
    tmpfs                 tmpfs     1.9G  8.6M  1.9G   1% /run
    tmpfs                 tmpfs     1.9G     0  1.9G   0% /sys/fs/cgroup
    /dev/mapper/rhel-root xfs        45G  3.7G   42G   9% /
    /dev/vda1             xfs      1014M  369M  646M  37% /boot
    tmpfs                 tmpfs     374M     0  374M   0% /run/user/0
    /dev/mapper/myvg-mylv xfs       2.0G   47M  2.0G   3% /mnt/mnt1

関連情報

  • vgextend(8)lvextend(8)、および xfs_growfs(8) の man ページ