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11.5. シンプロビジョニングのスナップショットボリュームの作成

シンプロビジョニングされたスナップショットボリュームを使用すると、同じデータボリュームにより多くの仮想デバイスを格納できます。

重要

シンプロビジョニングのスナップショットボリュームを作成する場合、ボリュームのサイズは指定しません。サイズパラメーターを指定すると、作成されるスナップショットはシンプロビジョニングのスナップショットボリュームにはならず、データを保管するためにシンプールを使用することもありません。たとえば、lvcreate -s vg/thinvolume -L10M コマンドは、作成元ボリュームがシンボリュームであっても、シンプロビジョニングのスナップショットを作成しません。

シンプロビジョニングのスナップショットは、シンプロビジョニングされた作成元ボリューム用に作成するか、シンプロビジョニングされていない作成元ボリューム用にも作成できます。次の手順では、シンプロビジョニングされたスナップショットボリュームを作成するさまざまな方法について説明します。

前提条件

手順

  • シンプロビジョニングされたスナップショットボリュームを作成します。以下のコマンドは、シンプロビジョニングされた論理ボリューム vg001/thinvolume で、シンプロビジョニングのスナップショットボリューム (名前: mysnapshot1) を作成します。

    # lvcreate -s --name mysnapshot1 vg001/thinvolume
      Logical volume "mysnapshot1" created
    # lvs
      LV          VG       Attr     LSize   Pool       Origin     Data%  Move Log Copy%  Convert
      mysnapshot1 vg001    Vwi-a-tz   1.00g mythinpool thinvolume   0.00
      mythinpool  vg001    twi-a-tz 100.00m                         0.00
      thinvolume  vg001    Vwi-a-tz   1.00g mythinpool              0.00
    注記

    シンプロビジョニングを使用する場合は、ストレージ管理者がストレージプールを監視し、容量が満杯になり始めたら容量を追加することが重要です。シンボリュームのサイズを拡張する方法は、シンプロビジョニングされた論理ボリュームの作成 を参照してください。

  • シンプロビジョニングされていない論理ボリュームの、シンプロビジョニングされたスナップショットを作成することもできます。シンプロビジョニングされていない論理ボリュームはシンプール内に含まれていないため、外部の複製元と呼ばれます。外部の作成元ボリュームは、複数の異なるシンプールからであっても、多くのシンプロビジョニングのスナップショットボリュームで使用でき、共有できます。外部の作成元は、シンプロビジョニングのスナップショットが作成される際に非アクティブであり、かつ読み取り専用である必要があります。

    次の例では、origin_volume という名前の読み取り専用の非アクティブな論理ボリュームのシンスナップショットボリュームを作成します。このシンプロビジョニングのスナップショットボリュームの名前は mythinsnap です。論理ボリューム origin_volume は、既存のシンプール vg001/pool を使用する、ボリュームグループ vg001 内のシンプロビジョニングのスナップショットボリューム mythinsnap に対する外部の作成元になります。作成元のボリュームは、スナップショットボリュームと同じボリュームグループに属している必要があります。作成元の論理ボリュームを指定するときは、ボリュームグループを指定しないでください。

    # lvcreate -s --thinpool vg001/pool origin_volume --name mythinsnap
  • 以下のコマンドを実行して、最初のスナップショットボリュームの 2 番目のシンプロビジョニングのスナップショットボリュームを作成できます。

    # lvcreate -s vg001/mysnapshot1 --name mysnapshot2
    Logical volume "mysnapshot2" created.

    3 番目のシンプロビジョニングされたスナップショットボリュームを作成するには、次のコマンドを使用します。

    # lvcreate -s vg001/mysnapshot2 --name mysnapshot3
    Logical volume "mysnapshot3" created.

検証

  • シンスナップショット論理ボリュームのすべての祖先と子孫のリストを表示します。

    $ lvs -o name,lv_ancestors,lv_descendants vg001
      LV           Ancestors                           Descendants
      mysnapshot2  mysnapshot1,thinvolume              mysnapshot3
      mysnapshot1  thinvolume              mysnapshot2,mysnapshot3
      mysnapshot3  mysnapshot2,mysnapshot1,thinvolume
      mythinpool
      thinvolume           	           	     mysnapshot1,mysnapshot2,mysnapshot3

    ここでは、以下のようになります。

  • thinvolume は、ボリュームグループ vg001 で元となるボリュームです。
  • mysnapshot1thinvolume のスナップショットです。
  • mysnapshot2mysnapshot1 のスナップショットです。
  • mysnapshot3mysnapshot2 のスナップショットです、

    注記

    lv_ancestors フィールドと lv_descendants フィールドには、既存の依存関係が表示されます。ただし、削除されたエントリーは追跡しません。このチェーンの最中にエントリーが削除されると、依存関係チェーンが壊れるためです。

関連情報

  • lvcreate(8) の man ページ