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12.4. 現在のノードを優先するリソースの設定

リソースには、リソースのメタオプションの設定 で説明されているように、リソースの作成時にメタ属性として設定できる resource-stickiness 値があります。resource-stickiness 値は、現在実行しているノード上にリソースが残す量を決定します。Pacemaker は、他の設定 (場所の制約の score 値など) とともに resource-stickiness 値を考慮して、リソースを別のノードに移動するか、そのまま残すかを決定します。

resource-stickiness の値を 0 にすると、クラスターは、必要に応じてリソースを移動して、ノード間でリソースのバランスを調整できます。これにより、関連のないリソースが起動または停止したときにリソースが移動する可能性があります。stickiness が高くなると、リソースは現在の場所に留まり、その他の状況が stickiness を上回る場合に限り移動するようになります。これにより、新しく追加したノードに割り当てられたリソースは、管理者の介入なしには利用できなくなる可能性があります。

デフォルトでは、resource-stickiness の値が 0 の状態でリソースが作成されます。resource-stickiness が 0 に設定され、場所の制約がない Pacemaker のデフォルト動作では、クラスターノード間で均等に分散されるようにリソースを移動します。この設定では、正常なリソースの移動頻度が想定よりも増える可能性があります。この動作を防ぐには、デフォルトの resource-stickiness の値を 1 に設定します。このデフォルトはクラスター内のすべてのリソースに適用されます。この値を小さく指定すると、作成する他の制約で簡単に上書きできますが、Pacemaker がクラスター全体で正常なリソースを不必要に移動するのを防ぐには十分です。

以下のコマンドは、デフォルトの resource-stickiness 値を 1 に設定します。

# pcs resource defaults update resource-stickiness=1

resource-stickiness に正の値が設定されている場合、リソースは新たに追加されたノードに移動しません。この時点でリソースバランスが必要な場合は、resource-stickiness の値を一時的に 0 に設定できます。

場所の制約スコアが resource-stickiness の値よりも大きい場合には、クラスターは場所の制約が指定するノードに、正常なリソースを依然として移動する可能性があります。

Pacemaker がリソースを配置する場所を決定する方法の詳細は、ノード配置ストラテジーの設定 を参照してください。