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13.3. リソースセットへの順序の設定

一般的に、管理者は、複数のリソースの連鎖を作成する場合に順序を設定します (例: リソース A が開始してからリソース B を開始し、その後にリソース C を開始)。複数のリソースを作成して同じ場所に配置し (コロケーションを指定)、起動の順序を設定する必要がある場合は、このようなリソースが含まれるリソースグループを設定できます。

ただし、特定の順序で起動する必要があるリソースをリソースグループとして設定することが適切ではない場合があります。

  • リソースを順番に起動するように設定する必要があるものの、リソースは必ずしも同じ場所に配置しない場合
  • リソース C の前にリソース A または B のいずれかが起動する必要があるものの、A と B の間には関係が設定されていない場合
  • リソース C およびリソース D の前にリソース A およびリソース B の両方が起動している必要があるものの、A と B、または C と D の間には関係が設定されていない場合

このような状況では、pcs constraint order set コマンドを使用して、1 つまたは複数のリソースセットに対して順序の制約を作成できます。

pcs constraint order set コマンドを使用して、リソースセットに以下のオプションを設定できます。

  • sequential - リソースセットに順序を付ける必要があるかどうかを指定します。true または false に設定できます。デフォルト値は true です。

    sequentialfalse に設定すると、セットのメンバーに順序を設定せず、順序の制約にあるセット間で順序付けできます。そのため、このオプションは、制約に複数のセットが登録されている場合に限り有効です。それ以外の場合は、制約を設定しても効果がありません。

  • require-all - 続行する前にセットの全リソースがアクティブである必要があるかどうかを指定します。true または false に設定できます。require-allfalse に設定すると、次のセットに進む前に、セットの 1 つのリソースのみを開始する必要があります。require-allfalse に設定しても、sequentialfalse に設定されている順序なしセットと併用しない限り、効果はありません。デフォルト値は true です。
  • action - クラスターリソースの実行順序の決定 の表順序の制約のプロパティーで説明されているように、startpromotedemote、または stop に設定できます。
  • role - StoppedStartedMaster、または Slave に設定できます。RHEL 8.5 では、pcs コマンドラインインターフェイスは role の値に Promoted および Unpromoted を受け入れます。Promoted および Unpromoted ロールは、Master および Slave ロールと機能的に等価です。

pcs constraint order set コマンドの setoptions パラメーターに続いて、リソースのセットに対する以下の制約オプションを設定できます。

pcs constraint order set resource1 resource2 [resourceN]... [options] [set resourceX resourceY ... [options]] [setoptions [constraint_options]]

D1D2D3 という 3 つのリソースがある場合は、次のコマンドを実行すると、この 3 つのリソースを、順序を指定したリソースセットとして設定します。

# pcs constraint order set D1 D2 D3

この例では、ABCDE、および F という名前の 6 つのリソースがある場合に、以下のように、起動するリソースセットに順序制約を設定します。

  • AB は、互いに独立して起動します。
  • A または B のいずれかが開始すると、C が開始します。
  • C が開始すると、D が開始します。
  • D が開始したら、EF が互いに独立して起動します。

symmetrical=false が設定されているため、リソースの停止は、この制約の影響を受けません。

# pcs constraint order set A B sequential=false require-all=false set C D set E F sequential=false setoptions symmetrical=false