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24.2. Pacemaker リソースの割り当て

Pacemaker は、ノードの優先度、ノードの容量、およびリソース割り当ての優先度に従ってリソースを割り当てます。

24.2.1. ノード設定

Pacemaker は、以下のストラテジーに従ってリソースを割り当てる際に優先されるノードを決定します。

  • 重みが最も高いノードが最初に消費されます。ノードの重みは、ノードの状態を表すためにクラスターによって維持されるスコアです。
  • ノードの重みが、複数のノードで同じ場合は、以下のようになります。

    • placement-strategy クラスタープロパティーが default または utilization の場合は、以下のようになります。

      • 割り当てられているリソースの数が最も少ないノードが最初に使用されます。
      • 割り当てられているリソースの数が等しい場合は、CIB に登録されている最初の対象ノードが最初に使用されます。
    • placement-strategy クラスタープロパティーが balanced である場合は、以下のようになります。

      • 空き容量が最も多いノードが最初に使用されます。
      • ノードの空き容量が等しい場合は、割り当てられているリソースの数が最も少ないノードが最初に使用されます。
      • ノードの空き容量が等しく、割り当てられているリソースの数が等しい場合は、CIB に最初に登録されている対象ノードが最初に使用されます。
    • placement-strategy クラスタープロパティーが minimal の場合は、CIB に登録されている最初の対象ノードが最初に使用されます。

24.2.2. ノードの容量

Pacemaker は、以下のストラテジーに従って、どのノードに最も空き容量があるかを判断します。

  • 使用率属性が 1 種類だけ定義されている場合、空き容量は単純な数値比較となります。
  • 定義されている使用属性の種類が複数になる場合は、ほとんどの属性タイプで数値が最も高いノードの空き容量が、最も大きくなります。以下に例を示します。

    • NodeA の空き CPU が多く、NodeB の空きメモリーが多い場合は、互いの空き容量は等しくなります。
    • NodeA の空き CPU が多く、NodeB の空きメモリーとストレージが多い場合、NodeB の方が空き容量が多くなります。

24.2.3. リソースの割り当て設定

Pacemaker は、以下のストラテジーに従って、最初に割り当てられるリソースを決定します。

  • 優先度の最も高いリソースが最初に割り当てられます。リソースの作成時に、リソースの優先度を設定できます。
  • リソースの優先度が等しい場合は、リソースのシャッフルを防ぐために、実行中のノードで最も高いスコアを持つリソースが最初に割り当てられます。
  • リソースが実行しているノードのリソーススコアが等しい場合や、リソースが実行していない場合は、優先ノードで最もスコアが高いリソースが最初に割り当てられます。この場合、優先ノードのリソーススコアが等しい場合は、CIB に最初に登録されている実行可能なリソースが最初に割り当てられます。